数々の事件を巻き起こしたチャールズ・ミンガスのエピソード(後編)

チャールズ・ミンガス(Charles Mingus 1922年~1979年)の事件簿、いえ、言い過ぎました(笑)

チャールズ・ミンガスのバンドで殴られなかったのは、龝吉 敏子さんとローランド・カーク(Roland Kirk)くらいと言われていて、けんかっ早いことでも知られている人。

事件やエピソードには事欠きません。

そんなチャールズ・ミンガスのエピソード、後編です。

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前編はこちらです。

数々の事件を巻き起こしたチャールズ・ミンガスのエピソード(前編)
気性が激しかったと言われるジャズベーシストのチャールズ・ミンガス(Charles Mingus 1922年~1979年)。その気性ゆえか、彼が起こした事件やエピソードの数々をご紹介します。
仲の良かったマイルス・デイヴィスと疎遠に

これはマイルス・デイビス(Miles Davis)の自伝「マイルス・ザ・アウトバイオグラフィ(MILES THE AUTOBIOGRAPHY)」にあったお話。

まだチャールズ・ミンガスがニューヨークに進出する前の、ロサンゼルスで活動していたころ、マイルス・デイヴィスはチャーリーパーカー(Charlie Parker)と一緒に、演奏旅行でロサンゼルスに行きました。

そしてマイルス・デイビスはロサンゼルスで活躍中だったチャールズ・ミンガスと親しくなります。

演奏旅行が終わりニューヨークに戻る時、筋金入りのジャンキーだったチャーリー・パーカーは帰りの旅費をすべて、ドラッグに使ってしまっていました。

それまでもチャーリー・パーカーのドラッグ中毒からくるハチャメチャな行動の数々に振り回されていたマイルス・デイビスはついに愛想をつかし、チャーリー・パーカーをロサンゼルスに置き去りにして、自分だけニューヨークへ帰ります。

マイルス・デイビスが、尊敬するチャーリー・パーカーにそんな仕打ちをしたことにショックを受けたチャールズ・ミンガスはマイルスが許せず、2人は疎遠になったそうです。

マイルス・デイヴィスは、尊敬するチャーリー・パーカーにそんなしうちをしたのが許せなかったのだろう、と自叙伝で理解を示していました。

1956年にリリースされたマイルス・デイヴィスのアルバム「ブルー・ヘイズ(Blue Haze)」の4曲目に収録されているこの曲では、なんとチャールズ・ミンガスがベースではなくピアノを弾いています。

(なんでやねん!(笑))

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穐吉敏子さんもバンドに在籍

日本が誇るジャズピアニスト穐吉敏子さんも、一時期チャールズ・ミンガスのバンドに在籍しました。

穐吉敏子さんは誘われたときに、ミンガスの音楽も好きだったので、喜んでバンドに参加。

いつもリーダーとして自分の音楽を演奏されている穐吉敏子さん。

穐吉敏子さんがサイドマンとして参加したのは、チャールズ・ミンガスのバンドだけです。

ちなみにローランド・カーク(Roland Kirk)もチャールズ・ミンガスのバンドに在籍していたことがあります。

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演奏を聴かないお客には容赦しないチャールズ・ミンガス

これは「ジャズ・アネクドーツ(Jazz Anecdotes)」にあったお話。

チャールズ・ミンガスが、かの有名ジャズクラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」で演奏していた時、前の席のお客さんが声高におしゃべりに熱中。

注意してもおしゃべりをやめないので、ジャズメンは演奏に集中できず、後ろのお客さんは演奏を楽しめないという状況になりました。

そこでチャールズ・ミンガスはお客さんのおしゃべりとバンドとで「4バース」を決行。

通常なら、ピアノ、ベース、ドラムなどが4小節ずつソロ演奏を回す4バースですが、これをチャールズ・ミンガスは、4小節バンドの演奏ののち、4小節ブレイク(何も演奏しないこと)してお客さんのおしゃべりを聴かせ、また4小節をバンドで演奏。

演奏を聴いていたお客さんたちには大うけしたそうです。

 

別のクラブで、やはり演奏を聴かないお客さんの中で演奏していたチャールズ・ミンガスは演奏を途中でストップ。

ステージの上に食事を運ばせ、ステージの上でバンドのメンバーらと食事をはじめたそうです。

 

ビル・クロウ(Bill Crow)が著書の中でふれているのですが、チャールズ・ミンガスは自分が攻撃されていると感じたときや、人種差別に関しては非常に強い怒りを表していましたが、普段は心の温かい、やさしい人物だったそうです。

ジャズ・アネクドーツ」にはチャールズ・ミンガスについて1章もうけられていますし、同じくビル・クロウの著書「さよならバードランド」(村上春樹訳)でも、ビル・クロウ(Bill Crow)がチャールズ・ミンガスと一緒に釣りに行ったエピソードなどが記されています。

それを読む限りでは、個性的で愛すべき人物のように感じます。

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チャールズ・ミンガスのエピソードがのっている、ビル・クロウ(Bill Crow)のはこちらの2冊。

ジャズメンの成長とジャズの衰退を読む「さよならハードランド」
「さよならバードランド」。ジャズのベーシスト、ビルクロウが、自己がジャズメンになるまでにどんな勉強をして、どんな風に仕事を得ていったかを中心に、出会ったジャズメンたちのエピソードと、老舗ジャズクラブ「バードランド」の衰退も描かれます。
ジャズメンたちのエピソードが満載「ジャズ・アネクドーツ」
ジャズのベーシスト、ビル・クロウが書いた「ジャズ・アネクドーツ」。リアルなジャズメンたちのエピソードが満載。ジャズファンにはたまらない一冊です。村上春樹さんの訳も、ジャズを感じさせる文章となっています。ジャズをより理解するためにもおすすめの本です。

チャールズ・ミンガスのバイオグラフィーはこちらに書きました。

(前編)生い立ち~初めてベースを手にするまで

力強いグルーヴで斬新なジャズ チャールズ・ミンガスの生涯(前編)
チャールズ・ミンガス(Charles Mingus 1922年~1979年)の経歴の前編です。幼少期~地元のバンドに入って、ベースを手にするまで。

(後編)ジャズの世界へ踏み出してから晩年まで

力強いグルーヴで斬新なジャズ チャールズ・ミンガスの生涯(後編)
チャールズ・ミンガス(Charles Mingus 1922年~1979年)の経歴の後編です。ジャズの世界に踏み出してから晩年までです。

チャールズ・ミンガスの自伝?「敗け犬の下で(Bneath the Underdog)」についてはこちら。

チャールズ・ミンガス自伝?「敗け犬の下で」は飛ばし読みがおすすめ
チャールズ・ミンガスの自伝?「敗け犬の下で」の紹介です。クエッションマークがつくのは、この本は「ほら話」だという話もあり、読んでいても「彼の創作なのでは?」と感じるところもあるからです。退屈な箇所もありますが、飛ばし読みで楽しめる本でした。

チャールズ・ミンガスの名盤のご紹介はこちら。

(前編)

強力なグルーヴのジャズベース チャールズ・ミンガスの名盤(前編)
チャールズ・ミンガス(Charles Mingus、1922年~1979年)のおすすめのアルバムです。有名どころ、名盤と言われているものからご紹介しています。

(後編)

強力なグルーヴのジャズベース チャールズ・ミンガスの名盤(前編)
チャールズ・ミンガス(Charles Mingus、1922年~1979年)のおすすめのアルバムです。有名どころ、名盤と言われているものからご紹介しています。

チャールズ・ミンガスがサイドマンで参加したアルバムはこちら。

(前編)

チャールズ・ミンガスがサイドマンで参加したアルバム(前編)
チャールズ・ミンガス(Charles Mingus、1922年~1979年)がサイドマンとして参加した、他人名義のアルバムのご紹介です。有名な2枚のアルバムや、パド・パウエル名義のアルバムや、オスカー・ペティフォード名義のアルバムなど。

(後編)

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