「How High The Moon」聴き比べ【ピアノ編】

「ハゥ・ハイ・ザ・ムーン(How High The Moon)」

1940年にミュージカルの曲として作曲され、その後ベニー・グッドマン(Benny Goodman)のオーケストラが、この曲を取り上げヒットさせました。

この「ハゥ・ハイ・ザ・ムーン(How High The Moon)」を、いろんなピアニストで聴き比べします。

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ベースはジョージ・ムラーツ(George Mraz)、ドラムはエルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)。トミー・フラナガン(Tommy Flanagan)は美しいバラードで奏でます。

トミー・フラナガンの「ハゥ・ハイ・ザ・ムーン(How High The Moon)」には、他にもコールマン・ホーキンズ(Coleman Hawkins)とのバージョンや、ベースがピーター・ワシントン(Peter Washington)、ドラムがルイス・ナッシュ(Lewis Nash)でアップテンポのスイングで演奏しているものもあります。

華やかなピアノを弾くイメージの大御所オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)も、当然のことながら華やかなこの曲を取り上げています。

2019年公開映画「グリーンブック(Green Book)」のモデルにもなった天才ピアニスト、ドン・シャーリー(Don Shirley)。

彼の奏でる「ハゥ・ハイ・ザ・ムーン(How High The Moon)」はまるでクラシック音楽のような格調高い感じ。

ジャズクラブで演奏されるような感じじゃなくて、盛装した紳士淑女が集うホールで、燕尾服を着て演奏している感じです。

こちらもテクニックでは負けていないアート・テイタム(Art Tatum)

素人が聴いても、そのすごさがわかるほど。

余裕の笑みで、軽々と鍵盤の上をすべるように動く指が、思い浮かびます。

テディ・ウイルソン(Teddy Wilson)はアップテンポで早めのスイング。

そしてエレガントな感じの「ハゥ・ハイ・ザ・ムーン(How High The Moon)」

バークリー音楽院を首席で卒業した、日本が誇るジャズピアニスト、大西順子さんの「ハゥ・ハイ・ザ・ムーン(How High The Moon)」

いつもオリジナリティあふれる力強い演奏で、「この曲をそんな風に弾くのか!」と驚かせてくれます。

エロール・ガーナー(Erroll Garner)は楽譜が読めず、独学でピアノを習得しています。

そのためか彼の演奏は

「あ、エロール・ガーナーだ!」

とわかってしまうくらいに個性的。

左利きのため、左手のコードのバッキングのキレが良く、利き手でない右手で弾くメロディが若干遅れるのが、かえって独特のビートを生み出したと言われています。

英国紳士のジョージ・シアリング(George Shearing)が奏でる「ハゥ・ハイ・ザ・ムーン(How High The Moon)」は、そう思って聴いてしまうせいか、アメリカのジャズメンの演奏とは、ひと味違うように思います。

ヨーロッパの洗練された感じが漂います。

パド・パウエル(Bud Powell)の「ハゥ・ハイ・ザ・ムーン(How High The Moon)」もいい感じ。

バリー・ハリス(Barry Harris)はソロピアノ。

ルバートで弾きはじめ、そこからアップテンポにもっていきます。

こちらはテディ・ウイルソン(Teddy Wilson)にジャズピアノを教わったディック・ハイマン(Dick Hyman)の演奏。

デイブ・ブルーベック(Dave Brubeck)の「ハゥ・ハイ・ザ・ムーン(How High The Moon)」

同じピアノという楽器でも、弾き手が変われば、その音色、フレーズ、ノリ、グルーブなどすべてが変わります。

同じ人でも、同じ曲なのに違ったり。

そこが面白くて、聴き比べはやめられません。。。。

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「ハゥ・ハイ・ザ・ムーン(How High The Moon)」のボーカルでの聴き比べはこちら。

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「ハゥ・ハイ・ザ・ムーン(How High The Moon)」のサックスでの聴き比べはこちら。

「How High the Moon」聴き比べ【サックス編】
「ハゥ・ハイ・ザ・ムーン(How High the Moon)」をいろんなサックスで聴き比べです。ちなみにチャーリー・パーカーはこの「ハゥ・ハイ・ザ・ムーン(How High the Moon)」と同じコード進行で「オーニソロジー(Ornithology)」という曲を作っていいます。

「ハゥ・ハイ・ザ・ムーン(How High The Moon)」の、サックスとピアノ以外のインストでの聴き比べはこちら。

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