アコースティックなジャズだったころのマイルス・デイヴィスの名盤①

私にとってマイルス・デイヴィス(Miles Davis 1926年~1991年)は、こわ~い先生のような存在。

会ったこともありませんが(当たり前です)、なんとなくジャズについて間違ったことを言うと怒られそうな気がしています。

たぶんご本人は、空の上で、私なんか見てないでしょうが。

たとえ見ていたとしても鼻で「ふんっ」と笑って、気にもかけてないでしょうが。

神様を通り越して、勝手にこわがってます。

そのマイルス・デイヴィスの名盤、おすすめアルバム、おびえながらも、悩みながらも、一生懸命選んでみました(笑)

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マイルス・デイヴィスは、常に新しい音楽を追求していた人。

なので、その音楽も時代とともに変わります。

初期のころはいわゆるアコースティックなジャズといった感じですが、時代を経てサイケロックが流行しだすとそれをジャズに取り入れ、さらにエレトリックなもの、ポップスと、いろんな要素を取り入れて変化していきました。

今回は、初期のころのアコースティックなジャズだったころ、エレキギターやシンセサイザーを投入する前のマイルス・デイヴィスの名盤や、おすすめアルバムを、私の好きなアルバム順でご紹介します。

アコースティックなジャズだったころのマイルス・デイヴィスの名盤①

クッキン(Cookin’)1956年

いわゆる世間で「マラソンセッション」の4枚として知られているアルバム「クッキン(Cookin’)」 「リラクシン(Relaxin’)」 「ワーキン(Workin’)」 「スティーミン(Steamin’)」は、どれも名盤と評判の高いアルバムですが、あえてどれか1枚を選ぶとしたら、私はこの「クッキン(Cookin’)」です。

この「マラソン・セッション」とは、マイルスがレコード会社を移籍する際に、前のレコード会社との契約が残っていたので、その契約を遂行するため4枚分のアルバムを2日間でおこなったレコーディングのこと。

ほとんどワンテイクで録り終えたので、演奏に緊張感が漂っていること、またスタンダードナンバーを多く取り上げていることも、長く、たくさんの人に愛されてきた理由だと思います。

「クッキン(Cookin’)」に収録されている「マイ・ファニー・ヴァレンタイン(My Funny Valentine)」のマイルスの有名な演奏は、何度聴いてもせつなくなります。

メンバーは、トランペットのマイルス・デイヴィス(Miles Davis)、テナーサックスのジョン・コルトレーン(John Coltrane)、ピアノのレッド・ガーランド(Red Garland)、ベースのポール・チェンバース(Paul Chambers) 、ドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズ(Philly Joe Jones)

本当は、マイルス・デイヴィスのアルバムの中で一番好きなアルバムとして、「カインド・オブ・ブルー(Kind of Blue)」とどちらにするか迷いましたが、悩みに悩んで、収録されている「マイ・ファニー・ヴァレンタイン(My Funny Valentine)」が異常に好きなので「クッキン(Cookin’)」を一番に持ってきました。

カインド・オブ・ブルー(Kind of Blue)1959年

モダンジャズの傑作と評され、モードジャズはこの「カインド・オブ・ブルー(Kind of Blue)」で完成したと言われています。

それまでコードを進行させ、細かい音階でソロを奏でるビバップが主流でしたが、ビバップならではの制約もあり、登場した当時は新鮮だったものの、しだいにマンネリ化していきました。

そんなときに、マイルス・デイヴィスは、古い教会音楽の音階を発展させて、新しいジャズ、モードジャズ(モダンジャズの一派)をはじめました。

(マイルス・デイヴィスの自叙伝によると、ディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie)のように、ビバップ特有の、高音で速いパッセージを吹くにはマイルスの口の形が適していなかったそうです。

そして

「お前には、遅いフレーズになにかある」

というチャーリー・パーカー(Charlie Parker)のアドバイスもあって、マイルスは若いときからビバップをなぞるのではなく、自分の得意とできるところ、ビバップとは違うものを模索していました。)

モードジャズは、コードを進行させることがないため(延々と同じコードが続いたり、1曲の中にコードが2つしか出てこなかったりします)、ソロでの自由度がビバップよりも高くなりました。

マイルスの超有名曲「ソー・ホワット(So What)」「ブルー・イン・グリーン(Blue In Green)」「オール・ブルース(All Blues)」が収録されています。

全曲マイルス・デイヴィス作曲とクレジットされていますが、「ブルー・イン・グリーン(Blue In Green)」については、現在ではビル・エヴァンス(Bill Evans)の作、またはマイルス・デイヴィスとビル・エヴァンスの共作とされています。

メンバーは、トランペットのマイルス・デイヴィス(Miles Davis)、テナーサックスのジョン・コルトレーン(John Coltrane) 、1,2,4,5,6曲目のみアルトサックスのキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)、1,3,4,5,6曲目のみピアノがビル・エヴァンス(Bill Evans)で、2曲目のみピアノはウィントン・ケリー(Wynton Kelly)

ベースはポール・チェンバース(Paul Chambers) 、ドラムはジミー・コブ。

レコーディング当時、ビル・エヴァンスはすでにマイルス・デイヴィスのバンドを脱退していましたが、モード奏法に精通しているためこのアルバムのレコーディングには呼び戻されました。

マイルス・デイヴィスには「クールの誕生(Birth Of The Cool)」という別アルバムがありますが、個人的にはこの「カインド・オブ・ブルー(Kind of Blue)」が一番クールな感じがします。

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マイ・ファニー・ヴァレンタイン(My Funny Valentine)1965年

1964年2月12日に、ニューヨークのリンカーンセンターのフィルハーモニックホール(the Philharmonic Hall of Lincoln Center)でおこなわれたコンサートのライブアルバム。

私の大好きなマイルスの演奏での「マイ・ファニー・ヴァレンタイン(My Funny Valentine)」も収録されていますし、「オール・オブ・ユー(All of You)」「ステラ・バイ・スターライト(Stella by Starlight)」「アイ・ソート・アヴァウト・ユー(I Thought About You)」というスタンダードの中でも、私好みのスイート系の曲が収録されていて、合間にマイルスの超有名曲「オール・ブルース(All Blues)」も入っているという、選曲が最高だし、コンサートのぴりっとした雰囲気も伝わってきてお気に入りのアルバムです。

全曲、捨て曲なし!

メンバーは、トランペットのマイルス・デイヴィス(Miles Davis)、テナーサックスのジョージ・コールマン(George Coleman)、ピアノはハービー・ハンコック(Herbie Hancock)、ベースが ロン・カーター(Ron Carter)、ドラムはトニー・ウイリアムス(Tony Williams) 

マイル・ストーンズ(Milestones)1958年

なんとなく、全体に、勢い、するどさ、キレッキレな感じがただようアルバムです。

ミディアムテンポの曲でさえ、切れ味がするどいというか。

それだけに聴いているときの、爽快感がたまりません。

「マラソンセッション」の4枚として知られているアルバム「クッキン(Cookin’)」 「リラクシン(Relaxin’)」 「ワーキン(Workin’)」 「スティーミン(Steamin’)」に参加するも、当時は麻薬とアルコールの悪癖もあり、その演奏もあまり評判とならず、一度マイルスのバンドを退団したのち、麻薬を断って戻ってきたジョン・コルトレーン(John Coltrane)の、水を得た魚的な演奏を堪能できます。

表題曲の「マイル・ストーンズ(Milestones)」も超有名曲。

セロニアス・モンク(Thelonious Monk)の有名曲「ストレート・ノー・チェイサー(Straight, No Chaser)」が、ぐっとクールに演奏されています。

メンバーは、トランペットのマイルス・デイヴィス(Miles Davis)、テナーサックスのジョン・コルトレーン(John Coltrane) 、アルトサックスのキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)、ピアノのレッド・ガーランド(Red Garland)、ベースのポール・チェンバース(Paul Chambers) 、ドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズ(Philly Joe Jones)

アルトサックスのキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)以外はすべて「クッキン(Cookin’)」と同じメンバー。

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)は、2曲目でピアノも弾いています。

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まだまだ紹介しきれていません。

②へ続きます。

アコースティックなジャズだったころのマイルス・デイヴィスの名盤②
マイルス・デイヴィス(Miles Davis 1926年~1991年)が、エレクトリックなジャズに移行する前、アコースティックなジャズを演奏していたころの名盤、おすすめアルバムのご紹介の続きです。

③はこちら。

アコースティックなジャズだったころのマイルス・デイヴィスの名盤③
同じ演奏を繰り返すのを嫌い、常に新しいジャズを追い求めたマイルス・デイヴィス。そのためアルバムごとに、マイルスは常に変化しています。エレクトリック期以前のマイルス・デイヴィスの名盤、有名アルバムのご紹介です。