「サテンドール(Satin Doll)」聴き比べ【ヴォーカル編】

デューク・エリントンが作曲した「サテンドール(Satin Doll)」

もともとはインストルメンタルの曲として作曲され、歌詞は後から付けられました。

そのため、ちょっと語呂合わせ的な、意味が通じにくい部分もありますが、それでもそのメロディが持つ魅力のせいか、多くのヴォーカリストが取り上げています。

ちょっと気になる、いい感じの異性と出会って、なんとかものしなくちゃ、私もクールにふるまわうわよ、と歌うその内容も、大人の世界といった感じ。

「さあ、クールにふるまうわよ」

と言う言い方(歌い方)も、当然、ヴォーカルによって、さまざま。

今回は「サテンドール(Satin Doll)」をヴォーカルで聴き比べします。

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「サテンドール(Satin doll)」インスト(ピアノ、ベース、サックス以外)編は、こちら。

「サテンドール(Satin Doll)」の聴き比べ【番外編】
ジャズの超スタンダード曲「サテンドール(Satin Doll)」の聴き比べ、インスト(ピアノ、ベース、サックス以外)編です。オルガン、ギター、クラリネット、さまざまな楽器で演奏されています。ディスコサウンド風にアレンジされたものまでありました。

「サテンドール(Satin Doll)」聴き比べ ピアノ編は、こちら。

「サテンドール(Satin Doll)」聴き比べ【ピアノ編】
デューク・エリントンが作曲した「サテンドール(Satin Doll)」。華やかな雰囲気を持つこの曲。さまざまな楽器で演奏されていますが、特にピアニストに好まれるようで、ピアノの素敵な演奏がたくさん残されています。「サテンドール(Satin Doll)」のピアノでの聴き比べです。

「サテンドール(Satin Doll)」の聴き比べ ベース編は、こちら。

「サテンドール(Satin Doll)」の聴き比べ【ベース編】
デューク・エリントン作曲の「サテンドール(Satin Doll)」さまざまな楽器で演奏されている曲ですが、ベースでメロディラインを弾いている演奏もいくつか見つかりました。「サテンドール(Satin Doll)」をベースの演奏で聴き比べしてみました。

「サテンドール(Satin Doll)」聴き比べ サックス編は、こちら。

「サテンドール(Satin Doll)」聴き比べ【サックス編】
ピアニストであるデューク・エリントンが作曲した「サテンドール(Satin Doll)」。ピアニストのみならず、サックスプレイヤーにも愛される曲のようで、サックスの演奏も数多く残されています。いろんなサックスプレイヤーの「サテンドール(Satin Doll)」を聴き比べてみました。

「サテンドール(Satin Doll)」のボーカルで、私が一番お気に入りなのが、このエラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)が、カウント・ベーシー(Count Basie)のオーケストラで歌うバージョン。

エラ・フィッツジェラルドも、のびのびと歌っているように聞こえます。

もう1つのお気に入りが、ナンシー・ウィルソン(Nancy Wilson)が歌ったもの。

ナンシー・ウィルソンの声は、飾らない素のままといった感じなのに、品の良さが感じられて好きです。

お父さんのバッキー・ピザレリ( Bucky Pizzarelli)もこの曲を取り上げていますが、息子のジョン・ピザレリ(John Pizzarelli) も歌っています。

「サテンドール(Satin Doll)」は恋の駆け引きめいた感じの曲。

「いかしたあの子をものにしなくちゃ」といった感じの曲ですが、ジョン・ピザレリの歌は、ちょっとちょっかいを出そうという感じじゃなくて、真摯な気持ちでひとめぼれしちゃった?って感じの、誠実さを感じます。

他のボーカルさんが不誠実という意味じゃないんですが。

そしてここでは父バッキーと息子ジョンが共演。

「楽器は歌え、ボーカルは話せ」と言ったのはマイルス・デイヴィスだったでしょうか?

ジョー・ウイリアムス(Joe Williams)の歌は、いつも語っているように聞こえます。

深く、あたたかい声も大好き。

ロレツ・アレキサンドラ(Lorez Alexandria)の「サテンドール(Satin Doll)」は、酸いも甘いも噛み分けた、修羅場をくぐってきた女性の腹の座った感じをかもし出しているような感じ。

ちょっと小粋な、大人の世界を感じるこの「サテンドール(Satin Doll)」

いかにもデューク・エリントンらしい、華やかさも感じる大好きな曲の1つです。

ちょっと変わり種?敵な「サテンドール(Satin Doll)」の演奏もご紹介します。

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ニューオリンズのブルースピアニスト兼シンガーのドクタージョン(Dr. Jhon)。

彼の歌う「サテンドール(Satin Doll)」は、いつものニューオリンズジャズの香りに包まれたドクタージョンワールド。

アクの強い個性派なのですが、不思議な心地よさに包まれます。

ポップス界の大スター、パティ・オースティン(Patti Austin)は、そののびやかな声で、ジャズも歌っています。

パティ・オースティンの名付け親は、若かりし頃はトランぺッターやアレンジャーとして、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)やサラ・ヴォーン(Sarah Vaughan)などのアレンジを手掛けるなどジャズ界で活躍していたクインシー・ジョーンズ(Quincy  Jones)

もともとジャズが身近な環境にあったと思われます。

そのパティのサテンドールがこちら。

恥ずかしながら、私が歌っている「サテンドール」です。

私なりにインプロバゼーションやフェイクも織り交ぜながら歌りました。

よろしければこちらもお聴きください m(_ _)m

それから、ジョージ・ムラーツ(George Mraz)のベースが絶品だったので、「聴き比べ ベース編」に入れてしまいましたが、キャロル・スローン(Carol Sloane)の太い低音でささやくように歌う「サテンドール(Satin Doll)」も、とっても良いです。

「サテンドール(Satin Doll)」の聴き比べ ベース編

「サテンドール(Satin Doll)」の聴き比べ【ベース編】
デューク・エリントン作曲の「サテンドール(Satin Doll)」さまざまな楽器で演奏されている曲ですが、ベースでメロディラインを弾いている演奏もいくつか見つかりました。「サテンドール(Satin Doll)」をベースの演奏で聴き比べしてみました。

「サテンドール(Satin Doll)」は、もともとインストルメンタルとして作曲され、後で歌詞がつけられました。

歌うことを想定して作られていないので、歌いにくい曲という話もあります。

にもかかわらず、数々のボーカリストに取り上げられているのは、「サテンドール(Satin Doll)」のメロディの華やかさと、歌詞が描く、しゃれた大人の世界が、ジャズにぴったりだからかな、と思っています。

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個人的に、「サテンドール」はこじゃれてて、洗練されていて、小粋で、ジャズらしい曲、That’s JAZZ!って感じの曲のように思ってます。