Voとギターの夫婦デュオ タック&パティのジャズ名盤アルバム

タック&パティ(Tuck & Patti)はヴォーカルのパティと、ギターのタックのデュオです。

正規の音楽教育を受け、スタジオミュージシャンとして活動していたタックと、無名のシンガーながらもファンクグループ「ザ・ブライズ・オブ・フランケンシュタイン(The Brides of Funkenstein) 」のメンバーでもあったパティは、1978年にあるオーデション会場で出会い、意気投合。

1983年に結婚した2人は、1987年に「ティアーズ・オブ・ジョイ(Tears of Joy)を録音し、デビュー。

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現在においても、精力的にライブ活動をおこなうとともに、ワークショップやプライベートレッスンなど、後進の育成にも力をそそいでいます。

ちなみにフランケンシュタインの花嫁という、不思議な名前のバンド「ザ・ブライズ・オブ・フランケンシュタイン(The Brides of Funkenstein) 」はこんな感じです。

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パティのノリのよさは、このバンドにいたからかも?

パーカッションのようなタックのギターと、ソウルフルなパティの歌

とにかく、このタック&パティは、聴かないとソンです。

2人だけで作られる世界の、なんと変化に富んでいること。

静かバラードでは聴かせ、ソフルフルな感じあり、パーカッションかよ!と思ってしまうタックのギターがさく裂したり、さわやかなウエストコースト風あり。

曲もジャズのみにとどまらず、ポップスやロックなど、幅広い選曲。

タックとパティはギタリストやヴォーカルとしてもすごいのですが、コンポーザーとしても素敵な曲を書いています。

ヴォーカルとギターのデュオと言えば、私はジョー・パスとエラ・フィッツジェラルドがすぐに浮かびますが、タック&パティはまったくテイストが違います。

なんというか、もっとソフルフルであたたかくて、ソフトで、でも熱い。

スリリングな演奏なのですが、同時にあたたかさ、リラックス感も感じます。

2人が、本当に楽しんで演奏しているのが伝わってきます。

そんなタック&パティのアルバムの中から、お気に入りのものをご紹介します。

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ドリーム(Dream) 1991年

私がタック&パティを知ったのは、この「ドリーム(Dream)」でした。

初めて聴いたときには、これまでに聴いたことのない感じに衝撃を受け、それから何度聴いたかわからないくらい繰り返し聞いたアルバムです。

1曲目のタイトル曲「ドリーム(Dream)」から、いきなりタック&パティの世界に連れていかれて、そこから最後の曲までどっぷり浸れます。

特に私がお気に入りなのが、パティが1人でアカペラで歌う「ハイヒール・ブルース(High Heel Blues)」。

たった1人で、ヴォイスだけで、こんな世界を作れるなんて。

パティのすごさがわかる1曲。

この「ドリーム(Dream)」では、スティヴィー・ワンダーの言わずと知れた名曲「アイ・ウイッシュ(I Wish)」も取り上げられていて、タックがギター1本で、驚きの演奏を聴かせています。

たったギター1本でここまでできるのか!こんなに熱くなれるのか、と驚くこと必須。

ティアーズ・オブ・ジョイ(Tears of Joy)  1988年

タック&パティのデビューアルバム。

甘く切ない「マイ・ロマンス(My Romance)」もいいのですが、注目したいのが、「タイム・アフター・タイム(Time After Time)」

ジャズのスタンダード曲にも「タイム・アフター・タイム(Time After Time)」という別曲がありますが、タック&パティが取り上げたのは、ポップ歌手のシンディ・ローパーが歌っているほうです。

このシンディ・ローパーが歌う「タイム・アフター・タイム(Time After Time)」は、どうもジャズミュージシャンの演奏意欲を刺激する曲のようで、ジャズ界の御大マイルス・ディヴィスも演奏していました。

パティはこの美しいバラード曲を、熱くエモーショナルに歌い上げます。

もちろん、タックのギターもさえわたっていて、優しい音色でキレキレの、聴いていると思わずからだが踊り出してしまう、そんなギターです。

アイ・リメンバー・ユー(I Remember You)2007年

タック&パティが設立したレーベル「T&Pレコーズ(T&P Records)」からリリースされたアルバム。

ポップスやオリジナル曲を織り交ぜた選曲が多いタック&パティには珍しく、ジャズのスタンダード曲だけで構成されたアルバムです。

いつものタック&パティとはまた違う感じで、ちょっと新鮮。

アップテンポでノリのいいアレンジになった「ザ・ベリィ・ソート・オブ・ユー(The Very Thought of You)」がおもしろいです。

今でも現役で、活動中。

実際にライブで聴いた人の話しによると、ライブもタックとパティの人柄か、あたたかい親しみやすい、とてもよいライブなんだそうです。

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ぜひぜひ生で聴いてみたいです!