クリスチャン・マクブライド(Christian Mcbride 1972年~)のベースは、野性味を感じさせる男っぽいベース。
それでいて洗練されていてスタイリッシュ。
そのうえベースの素人が聴いてもわかる、超技巧派のテクニック。
「これがベース?!」と驚くような超早弾きフレーズでも、グルーブ感は失われません。
クリスチャン・マクブライドは現代のジャズシーンにおいては、ファースト・コールのベーシストと言われています。
ジャズにおいてファースト・コールというのは、仕事をするとき、多くの人が1番最初に電話してみる人のことを指します。
最初に電話してみるけど、そういうファースト・コールの人は売れっ子でなかなかスケジュールがあいてないことも多いので、そうなると他の人に、2番目、3番目の電話をすることになります。
ファースト・コールのベーシストとは、みんなが一緒に仕事をしたいベーシスト。
それがクリスチャン・マクブライド。
こちらはジェーン・モンハイト(Jane Monheit)のバックでの、クリスチャン・マクブライドのご機嫌なベース。
クリスチャン・マクブライドの名盤はこちらで紹介しています。
クリスチャン・マクブライドの経歴
クリスチャン・マクブライドの生い立ち
クリスチャン・マクブライドはフィラデルフィア生まれ。
教師の母親と、モンゴ・サンタマリア(Mongo Santamaria)などとも共演したベーシストの父親の間に生まれました。
8歳の時、クリスマスプレゼントでもらったエレクトリックベースを弾くようになります。
また父親にベースの弾き方を学ぶとともに、時々一緒に演奏するようにもなり、ファンク、ジャズ、ソウルミュージックなどに傾倒していきます。
10代のころから活躍
クリスチャン・マクブライドは10代のころ、学校のオーケストラでアップライトベースを演奏するようになります。
それとは別に演奏活動も開始。
初めてギャラをもらって演奏したのは13歳のときでした。
16歳のときには、地元でジャズやソウルミュージックなどを、定期的に演奏するようになっていました。
1989年、ニューヨークに移り、音楽を学ぶためにジュリアード音楽院に進みます。
そしてジュリアード音楽院に入学してわずか1年、17歳のときに、サックス奏者のボビー・ワトソン(Bobby Watson)のツアーメンバーとして採用されます。
演奏で忙しい中、音楽に貢献活動
クリスチャン・マクブライドは、ラジオのパーソナリティを務めるいっぽうで、ニュージャージーパフォーミングアーツセンター(New Jersey Performing Arts Center(NJPAC))のジャズプログラミングのアーティスティックアドバイザー、ニューポートジャズフェスティバル(Newport Jazz Festival)のアーティスティックディレクター、ハーレムの国立ジャズ博物館(National Jazz Museum)のアソシエイトアーティスティックディレクターなど、さまざまな顧問職にもついています。
またリッチモンド大学(University of Richmond)のサマージャズプログラムの芸術監督に就任。
ジャズアスペンスノーマスサマープログラム(azz Aspen-Snowmass summer program)の芸術監督として11年間運営に携わりました 。
また、ロサンゼルスフィルハーモニー協会(Los Angeles Philharmonic Association)で、5年間の間、ジャズプログラミングのクリエイティブチェアの地位につきました。
クリスチャン・マクブライドは一流の演奏家ですが、演奏だけではなく後進の育成や顧問など、音楽への貢献活動も活発におこなっています。
演奏活動だけでも忙しいのに!
ソウルの帝王ジェームス・ブラウンマニアとしても有名
若い時から、ジャズだけでなくソウルミュージックやファンクなどにも親しんでいたクリスチャン・マクブライドは、ソウルの帝王ジェームス・ブラウン(James Brown)のマニアとしても有名です。
そんなクリスチャン・マクブライドが、ジェームス・ブラウンバンドJB’Sの生き残り、メシオ・パーカー(メイシオ・パーカーと表記されることも)が結成したビッグバンドにも参加。
ジェームス・ブラウンの名曲の数々を演奏するアルバム「ソウル・クラシック(Soul Classics)」をリリースしています。
ちなみにジェームス・ブラウン(James Brown)はこんな人。
ご機嫌で、強烈なグルーヴのファンクっぽいソウル。
クリスチャン・マクブライドは、現在でも常に第一線で活躍。
クリスチャン・マクブライドのホームページによると、2018年12月の時点でグラミー賞を6度受賞。
サイドマンとして参加したアルバムは300枚を超え、自己のリーダーバンドも率いています。
クリスチャン・マクブライドは、ちょこちょこ来日しています。
ジャズは白熱する演奏を、生で聴くと、また迫力が違います。
ぜひぜひライブ会場に、足を運ぶことをおすすめします!
クリスチャン・マクブライドの名盤はこちらで紹介しています。
(前編)
(後編)
クリスチャン・マクブライドがサイドマンで参加したアルバムはこちら。