「サマータイム(Summertime)」
今ではすっかりジャズのスタンダードナンバーとなっていますが、もとは1935年にジョージ・ガーシュイン(George Gershwin)がオペラ「ポギーとベス(Porgy and Bess)」のために書き下ろした曲。
「父さんは金持ち、母さんは美人、だから泣くのはおよし」
と赤ちゃんをあやす子守歌です。
「サマータイム(Summertime)」を取り上げたジャズメンは多すぎて、名前をあげるときりがありません。
ジャズメンだけでなく、ソウルシンガー、ブルースシンガー、オペラ歌手、ポップス歌手と、ジャンルを問わずさまざまなシンガーが歌っている曲です。
まずは1936年にビリー・ホリディ(Billie Holiday)が歌った、ニューオリンズ風バージョンの「サマータイム(Summertime)」
ビリー・ホリディ(Billie Holiday)のニューオリンズ風をもっと濃厚にした感じの、シドニーベシェ(Sidney Bechet)のクラリネットがむせび泣く「サマータイム(Summertime)」
ちなみにシドニー・ベシェ(Sidney Bechet)は、日本でザ・ピーナッツがヒットさせたプチ・プルール(Petite fleur)の作曲者。
シドニー・ベシェ(Sidney Bechet)のプチ・プルール(Petite fleur)は、日本のザ・ピーナッツが「可愛い花」として歌ってヒットさせました。
こちらは、エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)とルイ・アームストロング(Louis Armstrong)が歌う、スローな「サマータイム(Summertime)」
オリジナルのオペラに用いられた感じに近いもの。
よりオリジナルに近いのが、クラシック歌手キャスリーン・バトル(Kathleen Battle)が歌う「サマータイム(Summertime)」
こちらは思いっきりスイングさせて、ジョン・コルトレーン(John Coltrane)がソプラノサックスをぶりぶりと吹きまくっている「サマータイム(Summertime)」
同じく、ぶりぶりと吹きまくる、こちらはズート・シムズ(Zoot Sims)のテナーサックスでの「サマータイム(Summertime)」
チェット・ベイカー(Chet Baker)のソフトなトランペットが奏でる、小粋にスイングしている「サマータイム(Summertime)」
同じトランペットでも、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)はゆったりとしたスイングで、バックで奏でられるリフが印象的な「サマータイム(Summertime)」
以上、ここまではジャズメンたちによるジャズの演奏での「サマータイム(Summertime)」でした。
ここからは少し、変わり種が続きます。
この曲を演奏するのは、ジャズメンだけじゃありません。
ソウル界の大スター、サム&デイヴ(Sam&Dave)
この2人も「サマータイム(Summertime)」を歌っています。
雰囲気はガラッと変わります。
シャウトしますから!
雰囲気がガラッと変わるという点では、この人も負けていません。
ロックの女王ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)が歌う「サマータイム(Summertime)」は、これもサマータイム?と驚くくらい違う曲。
でも歌詞は確かにサマータイム。
ビル・エヴァンス(Bill Evans)はオリジナルのリフを、随所にリフレインさせながら、見事にスイングさせ、彼ならではのハーモニーで、新鮮な「サマータイム(Summertime)」を演奏します。
フリージャズで「サマータイム(Summertime)」を演奏するとこんな感じ。
アルバート・アイラー(Albert Ayler)が、フリージャズで泣きのサックスを聴かせるサマータイム。
最後に恥ずかしながら私が歌う「サマータイム(Summertime)」です。
素人のくせにここに並べるのかいっ!ド厚かましい!と言われそうですが、おおめに見てください(笑)
演奏する人によって曲の感じが変わるのは、どの曲も同じですが、こんなに大きく変わる?と驚いてしまいます。
「サマータイム(Summertime)」だから?
「ポギーとベス(Porgy and Bess)」がアフリカ系アメリカ人のオペラ(ミュージカル?)なので、彼らにとっては、なじみ深い身近に感じる曲なのかも。
まだまだいろんな人が演奏しています。
探してチェックしてみてください。