「身も心も(Body and Soul)」聴き比べ【Vo編】

「なぜわかってくれないの?身も心も、全部あなたのものなのに」と、去っていった恋人に、せつせつと悲しみを歌う「身も心も(Body and Soul)」

ジャズバラードの有名スタンダード曲ですが、なんとなく通好みというイメージもあります。

そして歌い手の腕の見せどころ、満載の曲といった感じもします。

失った恋の悲しさを、去っていった恋人に語り掛けるような内容の、この曲。

ボソッと独り言のように歌う人がいたり、悲しみを吐き出すように、叫ぶように歌う人がいたり。1

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「身も心も(Body and Soul)」のヴォーカルでの聴き比べです。

 

個人的には、「身も心も(Body and Soul)」は、エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)の歌が、一番好きです。

オーケストラをバックに、浪々と悲しみを歌いこむ感じ。

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ビリー・ホリデイ(Billie Holiday)は、その生き方、その声、この人の存在自体がこの「身も心も(Body and Soul)」が繰り広げる世界に、ぴったりなように思います。

個人的に、もしビリー・ホリデイがジャンキーじゃなくて、声も美しく、体調も万全だったら、(声量の点は別として)こんな風に歌ったんじゃないかと思ってしまうのが、サラ・ヴォーン(Sarah Vaughan)の「身も心も(Body and Soul)」

この曲を歌うときのフランク・シナトラ(Frank Sinatra)って、ちょっと普段と歌い方が違うような気がします。

音を伸ばしたときに、息を抜くような感じで微妙に音を落とす感じなんかが、個人的に、ビリー・ホリデイに似ているような気がしなくもない。

カーメン・マクレエ(Carmen McRae)は、お得意のフェイクをちりばめながら、浪々と歌いあげます。

男性で浪々と歌いあげているのは、サミーデイヴィスJr(Sammy Davis Jr)

どちらが先かは知らないのですが、個人的に、カーメン・マクレエとアニタ・オディ(Anita O’Day)の「身も心も(Body and Soul)」はフェイクの音の持っていき方が、似ているように思います。

チェット・ベイカー(Chet Baker)は、いつものごとく、さささくように歌います。

こんなふう に甘い声で「もう一度、僕の気持ちを証明するチャンスをくれ」と言われたら、もう一度、復縁するかも(笑)

ささやくように、独り言を言うようにつぶやくように歌うチェット・ベイカーに対して、トニ・ベネット(Tony Bennett)はまるで相手を前にして、自分の気持ちを訴えるように歌います。

去っていった恋人を説得して、復縁をせまる感じの「身も心も(Body and Soul)」

そのトニー・ベネットがエイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)とデュエットした「身も心も(Body and Soul)」

トニー・ベネットの歌い方は、単独で歌ったときとあまり変わっていないのですが、超個性派エイミー・ワインハウスの想いを吐き出すような歌い方が、トニー・ベネットさえも巻き込んで、ガラッとこの曲の世界観を変えてしまった感じです。

エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)の歌うジャズって、わりと好きだったのですが、亡くなってしまって残念です。

彼女もビリー・ホリデイ(Billie Holiday)と同じく、アルコールとドラッグの問題を抱えていた破滅型の人。

ジャズメンには麻薬中毒から立ち直って、さらに活躍した人も多いので、若いエイミー・ワインハウスにも立ち直ってほしかった!

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エスペランザ(Esperanza)が歌う「身も心も(Body and Soul)」は、他とは一味も二味も違います。

変拍子で、しかもスペイン語で歌います。

聞きなれないスペイン語で歌われる歌詞と、変拍子の演奏が、混とんとした雰囲気を醸し出し、それがまた曲の内容にマッチして、新鮮な「身も心も(Body and Soul)」です。

このかたは、バラードでその曲の世界を作るのがうまいなあと思います。

ホセ・ジェイムズ(Jose James 本当の発音は「ホゼ・ジェームス」かも?)の歌う「身も心も(Body and Soul)」は、ひときわ美しいバラード。

大人の女性が、ため息交じりに歌っている感じなのが、ジュリー・ロンドン(Julie London)の「身も心も(Body and Soul)」

以前どこかで「身も心も(Body and Soul)」の、ノリのいいラテンバージョンも聴いたことがあります。

ラテンの暗さを持った情熱的な感じが、この曲にとてもよく合っていた印象なのですが、今回、だれが歌っているのか思い出せず、探し出すこともできませんでした。

残念!

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「身も心も(Body and Soul)」のピアノ編はこちら。

「身も心も(Body and Soul)」聴き比べ【ピアノ編】
「身も心も(Body and Soul)」をピアノの演奏で聴き比べです。どのピアノでの演奏も、美しいのですが、美しさにもいろいろ種類だあるのだなと思わされます。

「身も心も(Body and Soul)」のサックス編はこちら。

「身も心も(Body and Soul)」聴き比べ【サックス編】
「身も心も(Body and Soul)」をサックスで聴き比べしました。サックス奏者が変わるだけで、サックスの音色も、フレーズも、音のアプローチもずいぶん変わります。オーソドックスな演奏から、変わり種まで、集めてみました。

「身も心も(Body and Soul)」のサックスとピアノ以外のインスト編はこちら。

「身も心も(Body and Soul)」聴き比べ【番外編】
「身も心も(Body and Soul)」を、インスト(ピアノとサックス)以外で聴き比べしてみました。ギター、オルガン、そしてキューバ出身のパーカッションニストによってスローなラテンにアレンジされたものと、いろいろ見つかりました。