「私を月へ飛ばして~つまり、あなたを愛しているっていうことなの」と歌う「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(Fly Me To The Moon)」
その「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(Fly Me To The Moon)」の聴き比べ、ヴォーカル編です。
「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(Fly Me To The Moon)」のインスト編はこちらをご覧ください。
では、さまざまなシンガーで「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(Fly Me To The Moon)」を聴き比べします。
この人ほどオーケストラが似合う人はいないだろうと、個人的に思っています。
フランク・シナトラ(Frank Sinatra)が、カウント・ベイシー・オーケストラ(Count Basie Orchestra)を従え、ご機嫌に歌う「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(Fly Me To The Moon)」
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ウッドベースを弾きながら、ボーカルもこなしてしまうニッキ・パロット(Nicki Parrott)は奇をてらうことなく素直に歌うタイプで、好感が持てます。
そんな彼女の「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(Fly Me To The Moon)」
大御所、トニー・ベネット(Tony Bennett)はヴァースから歌い上げ、壮大さを感じさせるバラードで聴かせます。
この録音は比較的若い時のものですが、お年を召してからの枯れた声で歌うバージョンもあってまた、それもいいんです!
ブラジル出身のアストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)は当然のごとく、ボサノヴァで歌います。
ドリス・デイ(Doris Day)は、スローですが8ビートっぽいアレンジで歌います。
「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(Fly Me To The Moon)」は、ジャズシンガーだけでなく、ポップスシンガーにもよく歌われているように思います。
有名な曲だからか。
憶えやすいメロデイだからか。
歌いやすいからか。
ポップス界では、日本のJ-POP界からもこの曲に参戦。
宇多田ヒカルさんは、ヴァースをワルツで歌った後、現代風のサウンドで。
宇多田ヒカルワールドを展開します。
ソウル界のスター、 ボビー・ウーマック(Bobby Womack)が、ソウルミュージックに変身させた「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(Fly Me To The Moon)」
ダイアナ・クラール(Diana Krall)は、ピアノトリオで、大人っぽく小粋な感じで。
ジュリー・ロンドン(Julie London)も大人っぽさ、艶っぽさのある「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(Fly Me To The Moon)」
少しアップテンポです。
もともと「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(Fly Me To The Moon)」は「イン・アザー・ワード(In Othe Word)」という曲名で3拍子の曲でした。
ピアニスト兼ヴォーカルのエルジー・ビアンキ(Elsie Bianchi)はオリジナル風にワルツで歌います。
ヴァース付です。
今では民間の宇宙旅行も実現しつつあるので、ゆくゆくはお金持ちのダーリンに宇宙旅行をおねだりする、ということもあるかもしれませんが、この曲ができた当時は、もちろん宇宙旅行なんて夢のまた夢という時代。
アメリカによる人類発の月面着陸は1969年。
ソ連による、人類発の有人宇宙飛行は1961年。
「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(Fly Me To The Moon)」が作曲されたのは1954年。
愛の深さを、人類が出たことのない宇宙旅行に例えていた、この曲。
この先、時代が変われば
「あなたは私を宇宙旅行へ連れて行くくらい、愛している?」
と愛の深さを、お金で換算するような歌になったりして(笑)