「ジャズセッションに行きたいけど、初心者だしなあ。」
「まだ私にはセッションはレベルが高いかなあ」
そんなふうにセッションに参加することを迷っておられるかた向けに、このくらい演奏できれば(歌えれば)セッションに参加できますよというお話です。
20年以上あちこちのセッションに参加して楽しんできました。
そんな私が、セッションに行くまえの準備や、必要だと思われる演奏のレベルについてご紹介します。
すでに準備が整っているかたは「ジャズセッションの知っておいたほうが良い暗黙のルール」を読んでください。
特にボーカルさんがセッションに参加するときに、気を付けたほうがよいことも書きました。
ジャズセッションに参加してみたいけど、敷居が高いと思っていませんか?
私も初めて参加するとき、不安でいっぱいでした。
でも参加してみると、緊張もしましたが、充実感、達成感も大きかったです。
ある一定以上の演奏の技術が身についたら、ぜひぜひ腕試しで(肝試しかも?)ジャズセッションに参加することをおすすめします。
ジャズセッションに参加すると失敗して落ち込むことも多いですが、学ぶことも多いです。
ご紹介するルールを破ったからといって、ペナルティが課されることはありません。
「あ、初心者で知らないんだな」
と、少々のことがあってもホストのミュージシャンがなんとかまわしてくれると思います。
みんなで気持ちよく協力しあって曲を演奏するという最低限の心遣いがあれば大丈夫だと思います!
まずは1曲、最後までちゃんと演奏できること
セッションにもよりますが、たいていのセッションは初心者でも参加できます。
(「初心者セッション」という初心者が参加しやすいセッション日を設けているお店もあります)
ですが初心者でも、イントロからソロ演奏、そしてエンディングまでつっかえずにスムーズに、テンポをキープして演奏できることは最低条件です。
セッションはたいていピアノ、ベース、ドラム、管楽器などで合わせます。
つっかえると他の人が演奏できなくなります。
そしてたとえ間違えても止まらず、そのままのテンポをキープしてエンディングまで演奏するのがお約束です。
お店にもよりますが、
「あ!間違えた!」
とやり直しさせてくれるお店はめったにないと思っていたほうがいいと思います。
1人でもテンポをキープできること
テンポも完璧にとはいかなくても、1人でもキープできること。
普段メトロノームやリズムボックスで練習しているなら、それなしでもある程度テンポがキープできるように練習しておくほうがよいです。
1人で練習しているときにはちゃんと演奏できていた(歌えていた)のに、他人と合わせると1人で演奏していたときほどうまく演奏できない、というのは日常茶飯事です。
そういうものです。
なぜなら、全員アマチュアなので、誰かがちょっと遅れたり、誰かがちょっと早かったりします。
そんなときでもテンポをキープできるように練習しておいたほうがよいです。
演奏者がバラバラならフロントに合わせる?
演奏者がそれぞれテンポがバラバラだったり、誰かが間違えて小節を飛ばしてずれが発生したときなどは、基本的にはフロントに合わせます。
フロントとはコーラスでテーマを演奏、または歌う人のことです。
ただセッションはアマチュアの集まりなので、フロントがテンポや小節を把握してみなを引っ張っていけないときも多々あります。
そんなときはよく聞きながら、一番把握していそうな人に合わせます。
ホストミュージシャンが演奏に参加しているなら、ホストに合わせるのが無難だと思います。
初めてなら初心者OKのセッションがおすすめ
初めてジャズセッションに参加するなら、初心者OKのジャズセッションに参加してみることをおすすめします。
初心者OKのセッションなら、たいていの失敗は許してもらえますし、いろいろ教えてもらえます。
周りの人たちも温かい目で見てくれるので、冷たい視線に肩身の狭い思いをすることもありません。
初心者同士であまり難しいこともしないので、演奏も楽しんでできると思います。
もし初心者OKのお店が近場でなければ、たいていのセッションは参加せず見ているだけでもOKなので1ステージは見るだけにして参加できそうであれば2ステージ目で参加するという手もあります。
(あらかじめお店の人にそう申告しておくとよいかも)
もちろん勇気を出して1ステージ目から参加するのもありです。
ボーカルセッションに楽器奏者が参加できる?
ボーカルセッションでも、お店によるかもしれませんが、基本的に楽器奏者の参加はOKなようです。
管楽器、ピアノ、ベース、ドラムで参加できます。
ボーカルセッションなのでインスト曲はできませんが、そのかわり歌伴を通常よりもたくさん参加させてもらえる可能性があります。
ホストミュージシャンもその間休憩できるので助かるんじゃないでしょうか。
ただし、歌伴できるくらいの演奏力は必須です。
ドラマー、ベース、ギターはお店に確認する
ドラムを置いていない、もしくは音量の面でドラムの演奏は禁止されているお店などもまれにあるので、初めて行くお店ならドラムがお店にあるかどうか確認しておいたほうがよいです。
ベースもお店に置いてあるベースをセッションのときに使えることが多いですが、ベースがあるかどうか、持ち込みが可能かどうか、持ち込むならアンプはあるか念のために確認しておいたほうがよいかと思います。
ギターさんも同じように(ギターはたいてい自分の楽器を持っていきます)アンプがあるかどうか確認したほうがよいです。
お店によってはアンプを置いてないお店もあります。
それからベースはホストミュージシャンの楽器を借りられる場合もあります。
その場合は、当然のことながら丁寧に扱いましょう。
(たいていのプロの楽器はものすごーく高価です)
楽器は黒本、リアルブックなど持参すると安心
他の人の曲に参加することもあるので、黒本やリアルブックなども持っていくと安心です。
自分がやりたい曲のほかに、他の参加者のコールした曲(この曲をやりたいと申告することです)に参加するときに便利です。
演奏者さんたちがよく使用する譜面本は時代によって変わっていきますが、ここ何年かはベースの納浩一さんが監修されてる「ジャズスタンダードバイブル」が多いように思います。
持ち運びしやすい小さめサイズもあるようです。
小さいうえにリンク綴じだから、譜面台に広げた時に閉じないから使いやすいと思います。
「ジャズスタンダードバイブル」には2も出ています。
1はスタンダード中のスタンダード曲ですが、2はもう少し踏み込んだ選曲のようです。
あとはiReal Proのアプリ。使っている人は多いです。
iReal Proは練習でも使えるし、iPhoneに入れて持ち歩けるから便利です。
エンディングも考えておくこと
曲をコールしたら(この曲をやりたいと申告することです)コールした人がエンディングも考えておくのがルールです。
有名曲でみんなが知っているお決まりのエンディングがある曲を演奏するなら安心ですが、エンディングが何パターンがある場合は、コールした人がリードします。
演奏前にさっと
「エンディングは逆順で」
などと伝えておくのも手ですし、エンディングに入る前の小節を解決する音で終わらせずに
「エンディングに入りますよ」
と音で伝えながら、ぐいぐいとやりたいエンディングに入って・・・・・・・・・いければ理想です。
でもがんばって失敗しても、そこはアマチュアなのでお互い様。
※失敗したときは休憩時間などにホストやプロの人に
「どうして私は失敗したのでしょう」
と聞きにいけば、たいてい親切に教えてくれるので勉強になります。
ジャズセッションといっても、お店によってちょっと雰囲気が違うように思います。
ジャズのつわものたちが切磋琢磨しているような、ちょっと初心者には敷居が高いかな?というセッションもありますし、初心者でも気軽に参加できるセッションもあります。
最初のうちは緊張するし、うまく演奏できなかったり、失敗したりもするかもしれませんが、
あのチャーリー・パーカーでさえ、無名の若いころ、セッションに参加したときブリブリ吹きすぎてプロのドラマーに
「うるさいっ!」
とステージ上でシンバルを投げつけられたそうです(泣)
現代ではそんなことはないし、よっぽどのことがない限り怒られることもないと思います。
練習にはげんだ後は、ぜひぜひセッションに参加してみてください。
今までと違う世界が広がります!
実際にセッションに参加したときに知っておいたほうがよいこと、心得、暗黙のルールなどについてもご紹介しています。
ボーカルさんは合わせてこちらもぜひご覧ください。
セッションに参加するときに参考にしてください。
もくもくと一人で練習した後にセッションに参加して、うまく演奏できなくてへこんで帰ってきてまたもくもくと練習。
そんなことを繰り返して、はや20年以上。
ちっともうまくなりませんが、ジャズへの愛は深まるばかりです。