
つらつらと書いていたらたくさん出てきました。
飽きずにお付き合いいただけると幸いです。
後編では主に実際にセッションに参加するときの心得、暗黙のルールなどをご紹介します。
これを読んだら勇気を出して、ジャズセッションに行ってみてください。
最初はうまくいかなくて落ち込むかもしれませんが(私がそうでした!)回数こなせば、楽しくなります!
セッションに行く前に準備しておいたほうがよいことは「前編」に書きました。
後編では、実際にセッションに参加したときの暗黙のルールや、知っておいたほうがよいことについてご紹介します。
曲のコールの仕方は店それぞれ
お店に入ったらカウンターに置いてある用紙にやりたい曲を書いたり、席に着いたら渡されるメモに曲名を書いたり。
曲のコールや楽器の申請は店それぞれです。
初めて行くお店だったら
「セッションに参加したいんですけどどうしたらいいですか?」
とお店の人や周りの人に聞いてもいいし、しばらく様子を見て観察してもよいと思います。
演奏はお店に入った順番で(遅く行くと1回しか演奏できないことも)
演奏する順番はお店に入った人から順番に回ってきますが、ときには楽器同士の組み合わせによって順番が前後することもあります。
たいていのセッションでは1stに1回、その後少し休憩をはさんで2ndで1回と2回演奏できることが多いですが、遅く行ったりすると1回しか演奏できないこともあります。
逆に人数が少なければ2回以上演奏できることもあります。
演奏者の組み合わせはお店の人が組む
参加者がかたよらないように、お店のかたがうまく組み合わせてくれます。
もし
「あのギターと一緒に演奏したい」
「これは管楽器も参加してほしいなあ」
という希望があればお店の人にあらかじめ伝えておくと、もしかしたら希望が通るかもしれません。
でもお店のかたは、たくさんの参加者が均等に演奏できるように頭を悩ませておられるので、希望が通ればラッキーくらいの感じが良いかと思います。
ドラマーはスネアやシンバルの高さを勝手に調節しない
ドラマーさんはお店に置いてあるドラムのシンバルやスネアなどの高さを自分に合うように調節したいところですが、それはご法度のようです。
以前、ドラマーが曲が始まる前にスネアの高さを調節しようとして、ホストに注意されていました。
限られた時間内でできるだけ多くの人が演奏できるように時間を節約するため、ドラマーが変わるたびに調節していたらお店の楽器が破損したり傷んだりする可能性が高いため、などの理由かなと思います。
そういえば、ジャズセッションに参加するドラマーさんたちは身長の高低にかかわらず、いつもシンバルやスネアの高さを調節しません。
私が調節しているのを見たのも、その1回限りです。
黙認しているお店もあるかもしれませんが、ホストやお店の人、他の参加者には苦々しく思われている可能性もあるので注意したほうがよいかと思います。
どうしても調節したいときはホストミュージシャンやお店の人に、調節してもよいか聞いてみたほうが無難かも。
演奏者がバラバラならフロントに合わせるのが基本だけど。。。。
演奏者がそれぞれテンポがバラバラだったり、誰かが間違えて小節を飛ばしてずれが発生したときなどは、基本的にはフロントに合わせます。
フロントとはコーラスでテーマを演奏、または歌う人のことです。
ただセッションはアマチュアの集まりなので、フロントがテンポや小節を把握してみなを引っ張っていけないときも多々あります。
そんなときはよく聞きながら、一番把握していそうな人に合わせます。
ホストミュージシャンが演奏に参加しているなら、ホストに合わせるのが無難だと思います
ボーカルが多いとインスト曲をコールできないことも
ここ何年かのジャズセッションではボーカルが多いことが多々あります。
参加者が多いうえにボーカルが多いと、楽器の奏者はインスト曲が演奏できず、ボーカルの歌伴で終わることもあります。
お店によっても違いますが、全員参加させようと思うとそうなるようです。
お店によっては、ボーカルセッションの日を別に作っているところもあります。
そういうお店のセッションならボーカルが少ない可能性もあります。
自分の番が来たら
1.楽器を持ってステージに上がります(ボーカルなら演奏者全員に譜面をわたす)
限られた時間でたくさんの人で曲を回すため、待っている間に譜面なども準備してすぐに出られるようにしておきます。
2.スイング、バラード、ラテン、ボサノバ、ワルツなどリズムを共演者に伝えます。
全員に伝えられないときは、最低でもピアノとドラムに伝えます。
もし共演者がうまい人たちなら、ピアノさんだけに伝えてもOKです。
プロやうまい人たちなら、ピアノさんが弾くイントロの4小節で
「あ、ボサノバね」
とわかります。
超有名インスト曲なら「オリジナルどおりに」「マイルスのバージョンで」などでもいいときも。
もしエンディングがわかってもらえるか不安なときは、ここで
「エンディングは逆順です」
「最後まで演奏したら最後の4小節を2回繰り返して」
などと伝えておきます。
「繰り返し」については受け取りの相違があるので、次の「繰り返し」について書いた項目を読んでください。
エンディングについては譜面に書いてあるなら
「エンディングは譜面どおりにお願いします」
と伝えておくのも手です。
3.テンポを伝えます。
たいていの曲はピアノのイントロから入るのでピアノに伝えればOKなのですが、全員アマチュアなので、全員にわかるようにしてもよいと思います。
テンポだしは、念のため小さな声でテーマを口ずさみながらミディアムスイングなら2拍目と4拍目を指で鳴らす、バラードやボサノバ、ラテンは1拍目,2拍目,3拍目,4拍目,と指で鳴らすなり、なんななりして伝えます。
他の上手な人たちがどうしているか、観察して真似してください。
エンディングの「繰り返し」の受け取りが違うので注意
例えばエンディングについて伝えるときに
「エンディングは最後の4小節を2回繰り返してください」
と伝えても、最後まで演奏してからさらに最後の4小節を2回演奏するのか(最後の4小節は合計3回演奏)、最後まで演奏して最後の4小節をもう1回演奏するのか(最後の4小節は合計2回演奏)で見解が分かれます。
「エンディングは最後までいったら、もう1度最後の4小節を演奏してください」
「エンディングは最後までいったら、最後の4小節を2回演奏してください。最後の4小節は全部で3回演奏します」
などと念を入れて伝えたほうがよいです。
すでに演奏された曲は演奏できない
お店にもよるかもしれませんが、基本的にはその日のセッションですでに演奏された曲は演奏できません。
たぶん同じ曲をコールしたら、曲を変えてと言われると思います。
初心者セッションならお許しが出ることもあるかもしれませんが。
なぜか。
聞く立場からすると同じ曲を2回も聞きたくないかも。。。。。
(演奏しないときは聞く立場になりますから)
ベースがホストミュージシャンならソロはまわさない
ベースさんにもよるかもしれませんが、基本的にベースがプロのホストミュージシャンの場合はソロをまわさなくてよいです。
参加者だけでソロを回したら、ベースソロなしでテーマに戻ってください。
セッションのときは、通常のライブと違って曲数がかなり多いのでベースさんはかなり指を酷使します。
ピアノやギターとは段違いに指を酷使します。
何人かのプロのベースマンに確認しましたが、やはりセッションのときにはソロはまわさなくてよいようです。
逆にベースが料金を払って参加しているアマチュアミュージシャンのときと、ふらっと立ち寄ったプロのミュージシャンが飛び入り参加したときなんかは、ベースソロはしっかりまわしてあげてください。
とはいえホストのベーシストだって
「今日は参加者が少ないし、この曲はベースソロを取ろうかなあ」
と思うこともあるかもしれません。
また
「他の楽器にはソロをまわすのに、ホストのベーシストにだけソロを回さないのって、感じ悪いと思われない?」
と不安に感じる参加者さんもいるかもしれません。
なんだったら、曲が始まる前や順番が来る前にさらっとホストのベーシストさんに
「ベースソロは回さないほうがいいですか?」
と聞いておけば、気が利くと思われるかも。
いろんな人がいるのでその心得
ジャズセッションには本当にいろんな人が参加しています。
同じジャズ好き同士なので、演奏した曲について
「あの曲、好きです」
「あの曲を演奏している、おすすめのミュージシャンの演奏を教えてもらえませんか?」
など勇気を出して話しかけると喜んで教えてくれたり、すぐに打ち解けることもあります。
逆に中にはめんどくさい人もいます(笑)
うんちくを言ってきたり、偉そうに注意してきたり。
もちろん親身なアドバイスや忠告などはきちんと聞くべきですが、偉ぶりたい、いばりたいだけの人もいるのでそういう人は聞き流してもよいかも(笑)
でもさまざまな年代のいろんなジャズ好きが集まるので、ジャズセッションは回数を重ねるごとにどんどん楽しくなると思います。
好きなお店を見つけて、ぜひぜひ通ってみてください!
ジャズセッションに参加する前に用意したほうがよいこと、準備したほうがよいことなどはこちらに書きました。
さらに、ボーカルさんがセッションに参加するときに、特に注意したほうがよいと思われることについても書きました。