「五線譜のラブレター」は「ラブ・フォー・セール(Love For Sale)」「ナイト・アンド・デイ(Night And Day)」など、数々のジャズの名曲を残した作曲家、コール・ポーター(Cole Porter)と、そのコール・ポーターを支えた妻リンダとの愛を中心に描いた、2004年公開の映画です。
コール・ポーター(Cole Porter)は、実は働かなくてもいいくらい超お金持ち。
それでも音楽が好きな気持ちは止められず、作曲家として曲を作り続けていきます。
彼の音楽への情熱は、半端ないものがありますが、彼の人に向けられる愛情も半端ないというか。
彼の場合、愛情が多すぎてあふれ出して、妻だけでなく、他の人たちにもそれが向けられるというか。
妻のリンダも、苦悩しながらも、夫の音楽のため、2人の生活を保つため、また夫を深く愛するがゆえに、夫の浮気(本気?)を見て見ぬふりをするのですが。。。。
あんまり書くと、ネタバレになってしまうので書きませんが、この映画、前半と後半ではがらっと雰囲気が変わります。
コール・ポーター(Cole Porter)は超お金持ちで、社交的な性格でもあるので、映画の前半はとても華やか。
きらびやかな世界を、コール・ポーターの作ったジャズが色どります。
そしてきらびやかな世界から、がらっと雰囲気が変わった後半で、好き勝手やっているように見えたコール・ポーターが、実はどんなに妻を愛していたか、心の支えにしていたか、が分かります。
そして妻リンダが、どれだけコール・ポーターのことを理解していたか。
とにかく、コール・ポーターが彼自身でいられるように、支えるリンダ。
後半のリンダの決断は意外な感じもしますが、同じ女性として理解できます。
ジャズ好きには、たまらないシーンも満載。
ダイアナ・クラール(Diana Krall)が、ちょい役で出演していたり。
さまざまな歌い手が、コール・ポーターの曲を魅力的に歌って聞かせます。
コール・ポーター(Cole Porter)の物語と一緒に聴く、コール・ポーターの曲も、今までとはまた違って聞こえます。
私がコール・ポーターの曲の中で、特に好きなのが「エニシング・ゴーズ(Anything goes)」。
「なんでもあり」のような意味だと思ってますが、コール・ポーターの生涯が、まさに「なんでもあり」のように思います。
いいことも、悪いことも、善も悪も、なんでもありな人生。
実際にまわりにいたら、迷惑なヤツなんだけど憎めないというか。
でも、こういう「なんでもあり」な生き方をした人だから、こんなふうに心惹かれる曲を、数多く作曲できたのかなあとも思います。
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ジャズの映画で、こんなに華やかな感じの世界はめずらしいかも。
映画の前半は、華やかな世界です。
あ、「グレンミラー物語」の映画も華やかだったかも。
2つとも古き良き時代の映画って感じです。
ラブ・ストーリーとしても、1人の作曲かの生涯としても、とてもおもしろい映画です。
おすすめです。