ブルースのようにジャズを歌うエッタ・ジョーンズの生涯

エッタ・ジョーンズ(Etta Jones 1928年〜2001年)。

「アット・ラスト(At Last)」のヒット曲を持つブルースシンガー、エタ・ジェイムズ(Etta James)とは、名前はよく似ていますが別人です。

癖になる味というか、他にないタイプのシンガーなんじゃないかと思います。

いそうでいない、こういうシンガー。

スポンサーリンク

ブルースシンガーのエタ・ジェイムズとは別人なのですが、エッタ・ジョーンズのジャズにもブルースを感じてしまいます。

ブルースを感じるのですが、エッタ・ジョーンズの歌はまぎれもなくジャズ。

私のお気に入りはこの2曲。


エッタ・ジョーンズの生涯

エッタ・ジョーンズの生い立ち

サウスカロライナ州出身で、ニューヨークのハーレム育ち。

15歳のときに、アポロシアターのアマチュアコンテストで優勝してデビュー。

10代でバディ・ジョンソンのバンドに参加。

1944年に最初のレコーディングをおこないます。

エッタ・ジョーンズは3度、グラミー賞を受賞しています。

そしてこのアルバム「ドント・ゴー・トゥ・ストレンジャー(Don’t Go to Strangers)」でグラミー賞の殿堂入り。

この「セイヴ・ユア・ラヴ・フォー・ミー(Save Your Love For Me)」もエッタ・ジョーンズがヒットさせました。

ブルースの雰囲気がするけど、まぎれもなくジャズ。

エッタ・ジョーンズを知ったときは、今までに聴いたことがないタイプのシンガーだったので、この人ばかり聴いてました。

音をのばし気味に歌うところは、ナンシー・ウィルソン(Nancy Wilson)のタイプですが、じゃあナンシー・ウィルソンに似ているのかと聞かれれば、似てない。

唯一無二のシンガーといった感じです。

スポンサーリンク

エッタ・ジョーンズの名歌&名曲

個人的に、エッタ・ジョーンズの歌は、ビリー・ホリデイ(Billie Holiday)ダイナ・ワシントン(Dinah Washington)を足した後に、何かを混ぜて割った感じの歌声だと感じます。

パンチがきいてて、ブルージーな感じで。

聴きなれた「バイ・バイ・ブラックバード(Bye Bye Blackbird)」もエッタ・ジョーンズが歌うと、ブルース風味でまったく違って聞こえます。

「イエス・サー、ザッツ・マイ・ベイビー(Yes Sir, That’s My Baby)」では、ご機嫌にスイングしているバックの演奏で、やっぱりご機嫌なエッタ・ジョーンズの歌。

このテンポ、このスイングでも、エッタ・ジョーンズの歌はブルースのよう。

この「イグザクトリー・ライク・ユー(Exactly Like You)」も。

ディズニーの名曲から、すっかりジャズのスタンダードになってしまった「いつか王子様が(Someday My Prince Will Come)」

エッタ・ジョーンズが歌うと「大人だって白馬の王子様を待ってるのよ」と言わんばかりの、大人っぽい仕上がりに。

バックのオルガンがおしゃれ!

エッタ・ジョーンズが歌うバラード「クレイジー・ヒー・コールズ・ミー(Crazy He Calls Me)」は、私のお気に入りの1つ。

夜、お酒を傾けながら、親しい女友達にしみじみと語る感じ。

エッタ・ジョーンズは枯れた声で、ときに叫ぶように歌います。

そしてときに、打ち明け話をするかのように、個人的に歌いかけてくるような感じのときもあります。

エモーショナルなんだけど、おおげさじゃない。

スポンサーリンク

エッタ・ジョーンズの歌うジャズはブルースを感じさせますが、じゃあブルースなのか?と言われれば、まぎれもなくジャズ。

不思議な魅力を持つシンガーだと思います。