バリトンの声といえば、ジャズシンガーではビリー・エクスタイン( Billy Eckstine)の名が浮かびますが、アンディ・ベイ(Andy Bey)も深みのあるバリトンの声を持つジャズシンガーです。
でもアンディ・ベイのバリトンは、張り上げることなく、ソフトで優しく、それでいて何かを訴えかけてくるような、心に響くバリトンです。
静かな、意志を持った声というか。
ちなみにビリー・エクスタイン(Billy Eckstine)はこんな感じ。
かなりの人気で、自分のバンドを率いてツアーなんかもしていたようです。
常に新しいジャズを求めていたので、新進気鋭のジャズメンたちを自分のバンドに起用していたんだとか。
アンディ・ベイのバリトンは、よりソフト。
なんだか深い森の中を連想させるような声。
時々、高音も織り交ぜて歌いますが、その高音がまた深みのある高音。
彼の声で歌う「ネヴァー・レット・ミー・ゴー(Never Let Me Go)」は切なくて。。。。
アンディ・ベイの経歴
1939年ニュージャージー州出身。
ジャズシンガーですがピアニストでもあり、弾き語りのスタイルでも歌います。
彼のバリトンは、4オクターブの声域なんだそうです。
アンディ・ベイは17歳で、自分の姉妹ジェラルディン・ベイ、サロメ・ベイと一緒に兄弟コーラスグループとしてデビューしました。
アンディ・ベイの名曲
ギターのケニー・バレル(Kenny Burrell )、ベースのミルト・ヒントン( Milt Hinton )、ドラムのジョー・ジョーンズ(Jo Jones)などが参加している、アンディ・ベイ&ザ・ベイ・シスターズの兄弟コーラス・グループ。
コーラス・グループと言っても、アンディ・ベイがリードボーカルで、姉妹がコーラスといった感じ。
なかなか小粋な感じです。
アンディ・ベイはホレス・シルヴァー(Horace Silver)とも共演。
スタンリー・クラーク(Stanley Clarke)のアルバムにも参加。
アルトサックスのゲイリー・バーツ(Gary Bartz)のアルバムにも参加。
共演作を聞くと、ちょっと最先端っぽい曲が多いようにも感じますが、実はスタンダードを歌うアンディ・ベイが、また素敵。
「オール・ザ・シングス・ユー・アー(All The Things You Are)」をこんな風に歌っちゃうの?と、その斬新さにびっくり。
ともすれば、ちょっと古臭い感じにもなりかねないこの曲「サテンドール(Satin Doll)」
アンディ・ベイが歌うと、ブルージーな感じになって、新鮮。
日本版アップル・ミュージックではお取り扱いがないようなので、アメリカ版アップル・ミュージックからひっぱってきました。
こちらも日本版アップル・ミュージックではお取り扱いがないようなので、アメリカ版アップル・ミュージックからひっぱってきてます。
この「スピーク・ロウ(Speak Low)」もお気に入りの1つ。
私の勝手な感想なのですが、テンポやリズムは違うのですが、このウォルター・ビショップ(Walter Bishop Jr.)の演奏と、アンディ・ベイの歌のフレーズやフェイク、インプロヴァイゼィションで使用している音がちょっと似ている気がしています。
2003年にはジャズ・ジャーナリスト協会のジャズ・ボーカリスト賞を受賞。
いまだに現役で活動中。
弾き語りのスタイルでも、歌っておられるようです。
2005年にはグラミー賞にノミネートもされています。