「ミスティ(Misty)」聴き比べ【ヴォーカル編】

「あなたのことを愛しすぎている私は、まるで木の上で、どうしていいか分からなくなっている子猫よ」と歌う「ミスティ(Misty)」

続いて「あなたが歩けばバイオリンの音色が聞こえてくる、でもそれはあなたが言った『ハロー』かもしれないわね」と歌い、かなり恋の病が重症化しているようす。

メロディも、うっとり感を感じさせるメロディ。

そんな「ミスティ(Misty)」のボーカルでの聴き比べです。

スポンサーリンク

「ミスティ(Misty)」のインスト編の聴き比べは、こちらです。

「ミスティ(Misty)」聴き比べ【インスト編】
生涯、譜面は読めないままだったと言われる、エロル・ガーナーが作曲した「ミスティ(Misty)」。もしかしたら譜面の読み書きができていたら、こんな漂うような曲は作れなかったかも。

私の場合、「ミスティ(Msty)」はサラ・ヴォーン(Sarah Vaughan)のヴァージョンが、一番好きです。

彼女の声質にとても合う曲なのではないでしょうか。

深く豊かな声で、朗々と歌い上げるミスティ。

(↓Spotifyに登録すれば(無料でも可)フル再生できます)

Spotify - Web Player: Music for everyone
Spotify is a digital music service that gives you access to millions of songs.

こちらは、そのサラ・ヴォーン(Sarah Vaughan)に捧げられたアルバムから。

サラとは友人でもあったカーメン・マクレエ(Carmen McRae)が、フェイクしまくって歌う「ミスティ(Misty)」

このアルバムがカーメン・マクレエの最後のレコーディングとなりました。

ちなみにピアノはシャーリー・ホーン(Shirley Horn)

シャーリー・ホーンはこのアルバムでは歌わず、ピアノに徹しています。

土岐麻子さんは、通常美しいバラードで歌われるこの曲を、軽快なボサノバで歌います。

アップテンポになって、ガラッと表情を変えても「ミスティ(Misty)」の曲の魅力は変わりません。

エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)は、サラと同じくしっとりとバラードで歌いますが、歌う人が変わるだけで、同じバラードがまた違って聞こえます。

ジュリー・ロンドン(Julie London)の「ミスティ(Misty)」もバラードですが、エラやサラに比べるとさらっと小粋な感じ。

大人の、きっぷのいいお姉さんが、つぶやくように歌う感じ。

ジョニー・マティス(Johnny Mathis)の「ミスティ(Misty)」は、軽めのポップスっぽい感じが漂うバラード。

いい意味で、さらっと気軽に聴ける感じです。

一瞬、耳を疑ってしまいますが、これもまぎれもなく「ミスティ(Misty)」

この曲を、軽快なカントリーにしようなんて発想に、まず驚きます。

そして、よく歌いこなせたなあとびっくり。

レイ・スティーブンス(Ray Stevens)のバージョンは、きっと作曲者のエロル・ガーナー(Erroll Garner)も、草葉の陰で驚いておられることでしょう。

ジャズはなんでもあり!

そして音楽に垣根はない!

スポンサーリンク

「アット・ラスト(At Last)」のヒットで知られるブルース歌手エタ・ジェームス(Etta James)が歌う「ミスティ(Misty)」は、うねりを感じさせます。

「私を見て~(Look at me~)」と皆が優しく歌い出す中、エタは

「なあなあ、私を見てんか!なんや木の上のわけわからんようになった子猫の気分やねん!」

と歌っている感じ。

まさかこの曲で、シャウトするなんて!と目からうろこな聞き心地です。

ダイアン・リーヴス(Dianne Reeves)は正統派の感じで、しっとりバラードで歌います。

彼女の「ミスティ(Misty)」は、サラやエラよりスイートさが少し多めで、いい感じです。

その他、サミー・デイヴィスJr(Sammy Davis Jr.)は、ギター1本で切々と歌い上げていますし、ナット・キングコール(Nat King Cole)、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)なども歌っています。

最後に恥ずかしながら私が歌ったミスティです。

長年趣味として下手の横好きで歌っているだけなので、あたたかい気持ちで聞いていただけると嬉しいです(笑)

甘く歌ったり、朗々と歌い上げたり、ささやくように歌ったり。

歌の内容的にも、いろんな歌い方ができる曲のようにも思います。

スポンサーリンク

「私を見て。木の上の子猫の気分なの」

どんなに体格が立派なシンガーが歌っても、この歌詞が自然に響くのは曲の力か。

普通に会話にこのセリフが出てきたら

「何言うとんねん。ええ歳して」

と言われそう(笑)