多くのジャズメンならず、ジャズリスナーにも愛される曲の一つ「ミスティ(Misty)」
ヴォーカルもの以外の、インストでの聴き比べです。
ヴォーカル編はこちらをご覧ください。
まずはこの曲の作曲者で、ピアニストでもあるエロル・ガーナー(Erroll Garner) の演奏。
なんと彼は、譜面が読めないのだとか。
でも譜面が読めず、しかも左利きだったということが、他のピアニストにはない、彼特有の個性的な演奏にプラスした、といわれています。
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ジョー・パス(Joe Pass)はいつもながら、上質なジャズといった感じの演奏で、「ミスティ(Misty)」を心地よくスイングさせ、かつスイートな感じもしっかりと出しています。
クラーク・テリー(Clark Terry)はこの「ミスティ(Misty)」を繰り返し、いろんなメンバーでレコーディングしています。
このクラーク・テリーという人。
あのマイルス・デイヴィスも若いときに、教えを乞うたと自叙伝に書いてました。
70年以上のキャリアの中で、900以上のレコーディングに参加したと言われている人です。
こちらは同じクラーク・テリーの「ミスティ(Misty)」ですが、オーケストラをバックに演奏。
形態が違うだけで、同じ人の演奏でもガラッと雰囲気が変わります。
そして、この甘い音色にやられます。
こちらはボブ・ブルックマイヤー(Bob Brookmeyer)のトロンボーンと、スタン・ゲッツ (Stan Getz)のサックスが奏でる「ミスティ(Misty)」
トロンボーンのふわっとした音色と、スタン・ゲッツのスモーキーなサックスが、この曲にとてもマッチしている感じがします。
ピアノはハービー・ハンコック(Herbie Hancock)、ベースはロン・カーター(Ron Carter)、ビブラフォンはゲイリー・バートン(Gary Burton)、ドラムはエルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)という超豪華メンバー。
トランペッターのフレディ・ハバード(Freddie Hubbard)もこの曲を好んで、繰り返し演奏しているようです。
「ミスティ(Misty)」はトランぺッターに愛される、何か要因のようなものがあるのでしょうか。
ペットで吹きやすいのかな?
ベニー・カーター(Benny Carter)のアルトサックスで奏でる「ミスティ(Misty)」は小技が効いてる感じで、小気味よい感じ。
ピアノはケニー・バロン(Kenny Barron)で、心憎いくらいの、気の利いた職人技を聴かせています。
その他、ベニー・グリーン(Benny Green)の「ミスティ(Misty)」は、初めての恋にとまどうような、ういういしさも漂っていておすすめです。
以上、「ミスティ(Misty)」の聴き比べ、インスト編でした。
どのバージョンも捨てがたい!
(いや、捨てなくていいんですけど(笑))
ヴォーカル編はこちらをご覧ください。