ニーナ・シモン(Nina Simone 1933年~2003年)のジャズは超個性派。
どんな曲を歌ってもニーナ・シモン風にしてしまう特技の持ち主です。
ゆえにはまってしまうと、抜け出せないというか。
「ニーナ・シモンのレコードは全部持ってる」
なんていうマニアっぽいファンのかたにに出会ったこともあります。
ニーナ・シモンの生涯については、こちらに書きました。
ニーナ・シモンの名曲
ニーナ・シモンはジャズに分類されることが多いですが、フォーク、ブルース、ゴスペル、ポップスなど幅広いジャンルを取り込んでいました。
そしてクラシック音楽の影響、特にバッハを思わせるフレーズがソロの部分によくみられます。
フィーリング・グッド(Feeling Good)
ニーナ・シモンといえば的な曲。
(↓Spotifyに登録すれば(無料でも可)フル再生できます)
アイ・エイント・ガット・ノー・アイヴ・ガット・ライフ(I Ain’t Got No / I’ve Got Life)
「お金はない、洋服もない、仕事がない」とないものを数え上げた後で、「私にあるもの。誰にも奪えなもの。髪の毛、頭、脳、心、耳、目、笑顔」とあるものを数え上げて「私は生きている」という命の賛歌のような歌「アイ・エイント・ガット・ノー・アイヴ・ガット・ライフ(I Ain’t Got No / I’ve Got Life)」。
フォア・ウィメン(Four Women)
「フォア・ウィメン(Four Women)」はニーナ・シモンが作った曲。4人のアフリカ系の女性たちがそれぞれの境遇を語る内容で、当時のアフリカ系女性たちが置かれていた悲惨な立場をストレートに歌ったもの。その内容から当時は放送禁止になったのだとか。
「フォア・ウィメン(Four Women)」はいろんな人にカヴァーされていて、ディー・ディー・ブリッジウォーター(Dee Dee Bridgewater)も歌っています。
ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー(Love Me or Leave Me)
「ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー(Love Me or Leave Me)」がこんな感じになるなんて!と驚きの1曲。ニーナ・シモンが歌うと、ジャズもクラシック音楽の香りが漂います。
シー・ライン・ウーマン(See-Line Woman)
アフリカを、濃厚に感じさせる曲。
ニーナ・シモンといえば、人種差別や女性差別へのプロテストソングのイメージもありますが、それだけではありません。
自由な演奏からもうかがえるとおり、ジャンルにも縛られない人。
ニーナ・シモンが演奏しなさそう、と思っていたジャズのスタンダード中のスタンダードといったような曲や、ポップスなど、なんでもござれな人です。
サテン・ドール(Satin Doll)
あんまりストレートアヘッドなジャズはやらないイメージのニーナ・シモンですが、こんな王道ジャズ曲も演奏しています。
出だしは「普通じゃん(えらそうで失礼!)」と思っていたら、徐々にニーナ・シモン・ワールドが繰り広げられていくという、思わずにんまりな1曲。
歌は歌わずにピアニストに徹しています。
帰ってくれればうれしいわ(You’d Be So Nice To Come Home To)
「帰ってくれればうれしいわ(You’d Be So Nice To Come Home To)」はバラードで。ニーナ・シモンはずっとピアノ演奏で通すと思わせておいて、最後のコーラスで歌います。
リトル・ガール・ブルー( Little Girl Blue)
ニーナ・シモンのイントロが気が効いてて、とてもやさしく美しい曲。
ちなみに「リトル・ガール・ブルー( Little Girl Blue)」はサイケロックの女王ジャニス・ジョプリンも歌っています。
一瞬「同じ曲?」と疑ってしまうくらい感じが違いますが、同じ曲です。
誰も真似できない、唯一無二といった存在のニーナ・シモン。
ニーナ・シモンは「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第29位にランクイン。
ジャンルを超えて、時代も超えて、愛されるシンガーです。
ニーナ・シモンの生涯はこちら。