ビル・エヴァンス(Bill Evans 1929年~1980年)の名盤のご紹介、後編です。
前編はこちら。
あの有名なクラシックピアニスト、 グレン・グールドはジャズには懐疑的なコメントを残したそうですが、このビル・エヴァンスのレコードは何枚か持っていたそうです。
ビル・エヴァンスの名盤(後編)
スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス(Stan Getz & Bill Evans) 1964年
スタン・ゲッツ(Stan Getz)とのデュオのアルバム。
スタン・ゲッツは死の直前に、ケニー・バロン(Kenny Barron)ともデュオのアルバムをに出しています。
両方のアルバムに収録されている「ナイト・アンド・デイ(Night And Day)」をスタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス版と、スタン・ゲッツ&ケニー・バロン(Kenny Barron) 版で聴き比べるのも楽しいです。
(↓Spotifyに登録すれば(無料でも可)フル再生できます)
ちなみに、その「ナイト・アンド・デイ(Night And Day)」が収録されたスタン・ゲッツとケニー・バロンのデュオのアルバム「ピープル・タイム(People Time)」は、こちらで試聴できます。
トニー・ベネット/ビル・エヴァンス・アルバム(The Tony Bennett/Bill Evans Album)1975年
トニー・ベネット(Tony Bennett)が、ビル・エヴァンスのピアノ1本で歌います。
ビル・エヴァンスの歌伴でのピアノが、またいいです!
ワルツ・フォー・デビイ(Waltz for Debby)1964年
1937年生まれのスエーデンのジャズシンガー、モニカ・ゼタールンド(Monica Zetterlund)とのアルバム。
メンバーは、ヴォーカルのモニカ・ゼタールント(Monica Zetterlund)、ベースのチャック・イスラエル(Chuck Israels)、ドラムのラリー・バンカー(Larry Bunker)
ベースのチャック・イスラエル(Chuck Israels)は、スコット・ラファロ(Scott LaFaro)が亡くなった後、ビル・エヴァンスがエディ・ゴメス(Eddie Gómez)と組むようになるまでの間に、ビル・エヴァンスとよく組んでいた人で、ひそかに人気があるベーシストです。
モニカ・ゼタールントは映画「ストックホルムでワルツを」のモデルとなった人。
ノゥ・ホワット・アイ・ミーンズ?(Know What I Mean?) 1961年
こちらはキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)名義のアルバムで、ビル・エヴァンスはサイドマンとして参加。
ビル・エヴァンスの名曲「ワルツ・フォー・デビー(Waltz For Debby)」が収録されていますが、キャノンボール・アダレイ風味がきいた、軽快なスイングに変身していて楽しいです。
メンバーは、モダン・ジャズ・カルテットのリズム隊である、ベースのパーシー・ヒースPercy Heath)とドラムのコニー・ケイ(Connie Kay)、そこにアルトサックスのキャノンボール・アダレイ( Cannonball Adderley)、そしてビル・エヴァンス
最初、メンバーを見てびっくり!
ファンキーでノリノリ、ソウルフルなキャノンボール・アダレイ( Cannonball Adderley)と、クラシック音楽のような洗練されたビル・エヴァンスの組み合わせは、水と油のように思いましたが、共演してみると、水と油がきれいに混ざり合って、思いがけず楽しい世界を作り出しています。
カインド・オブ・ブルー(Kind of Blue) 1959年
マイルス・デイヴィス名義のアルバムで、モダンジャズの名盤。
モードジャズを代表する1枚。発売当初は全曲マイルス・デイヴィス作とクレジットされていましたが、昨今では3曲目の「ブルー・イン・グリーン(Blue in Green)」はマイルスとエヴァンスの共作、またはビル・エヴァンスの作とされています。
ただし2曲目のピアノはウィントン・ケリー(Wynton Kelly)です。
メンバーは、トランペットのマイルス・デイヴィス(Miles Davis )、テナーサックスのジョン・コルトレーン(John Coltrane)、アルトサックスのキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)、ベースのポール・チェンバース(Paul Chambers)、ドラムのジミー・コブ(Jimmy Cobb)、そしてピアノがビル・エヴァンス(2曲目だけウィントン・ケリー(Wynton Kelly))
ほかにも、ベースのゲーリー・ピーコック(Gary Peacock)と共演した「トリオ64’(Trio ’64)」も名盤と言われていますし、ハーモニカのトゥーツ・シールマンス( Toots Thielemans )とレコーディングした「アフィニティ(Affinity)」などなど、ビル・エヴァンスのアルバムにはいいものが多いです。
私は見に行けなかったのですが、ビル・エヴァンスのドキュメンタリー映画「ソングス・オン・タイム・リメンバード(Songs On Time Remembered)」が公開されました。
ビル・エバンスの生涯には常にアルコールとドラッグが付きまとっていて、「ゆっくりとした自殺」とも言われる、彼の悲劇的な生涯にクローズアップした内容なのかなあと思ってました。
「また破滅的なジャズメンの路線のストーリーかいっ!」
と思って見に行きませんでした。
この時代のジャズメンやロックミュージシャンは、アルコールとドラッグで破滅的な生活を送った人が多いので仕方ないのですが、そこばっかりにフォーカスされてもなあ。。。。そういう感じの映画はさんざん見てもう飽きたと思って、行かなかったのですが、見た人たちに聞くと軒並み評判がよいです。
DVDが発売されるか、どこかの動画配信サービスで動画配信されたら、見てみたいと思っています。
ビル・エヴァンス(Bill Evans)の名曲のご紹介はこちら。
ビル・エヴァンスの経歴や、来日時のエピソードはこちらに書きました。
ビル・エヴァンスの名盤(前編)はこちら。