力強くおおらかなサックス ソニー・ロリンズの名盤(中巻)

ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins 1930年~)の名盤のご紹介、中巻です。

(上巻)はこちら

力強くおおらかなサックス ソニー・ロリンズの名盤(上巻)
ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins 1930年~)の名盤のご紹介(上巻)です。名盤と言われるアルバムの中から、特に有名だと思われるアルバムを。ビバップの巨匠たちとのアルバムも。

(下巻)はこちら。

力強くおおらかなサックス ソニー・ロリンズの名盤(下巻)
ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins 1930年~)の名盤のご紹介の(下の巻)です。(上の巻)や(中の巻)で紹介しきれなかったアルバムについて書きました。

ソニー・ロリンズの名曲のご紹介はこちら。

カリプソだけじゃない!親しみやすい曲が多いソニー・ロリンズの名曲
ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins 1930年~)の有名曲やおすすめの曲。「セント・トーマス(St.Thomas)」は、実はイギリスの古い民謡で、バージン諸島に伝わったものがもとになっているというエピソードについても、ご紹介します。

ソニー・ロリンズがサイドマンで参加したアルバム についてはこちら

ソニー・ロリンズがサイドマンで参加したアルバム(前編)
ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins 1930年~)が、サイドマンとして参加している他人名義のアルバムのご紹介、前編です。マイルス・デイヴィスの超有名アルバムをはじめとして、ヴォーカルものや、セロニアス・モンクや、パド・パウエルのアルバムなど。
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ソニー・ロリンズの名盤(中巻)

イースト・ブロードウェイ・ラン・ダウン(East Broadway Run Down)1966年

タイトル曲「イースト・ブロードウェイ・ラン・ダウン (East Broadway Run Down)」は20分もの大曲。

曲の後半ではサックスから取り外したマウスピースを吹くなど、前衛的なフリージャズ意識した演奏。

打って変わって2曲目、3曲目は、フリージャズ色が弱まって、親しみやすい感じ。

メンバーは、1曲目だけ参加したトランペットのフレディ・ハバード(Freddie Hubbard)、ベースのジミー・ギャリソン(Jimmy Garrison)、ドラムのエルビン・ジョーンズ(Elvin Jones)

ソニー・ロリンズはこのアルバム以降、1972年の「ネクスト・アルバム(Sonny Rollins’ Next Album」までアルバムを出しませんでした。

嘘かホントかわかりませんが、このアルバムを聞いたレコード会社の重役から「こんなアルバムを作るから売れないんだ!」と怒られて、ソニー・ロリンズがへそを曲げたからだという話もあります。

(レコード会社の重役には「人に作らせといて、何言うてんねん!ほな、お前が作ってみい!」と言ってやりたい)

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ソニーロリンズ ウィズ モダンジャズカルテット(Sonny Rollins With MJQ)1951年

ソニー・ロリンズの初リーダーアルバム。

御大ソニー・ロリンズにも、初々しい時代があったんだと感慨深いです。

とはいえ、マイルス・デイヴィスの自伝にも書いてありましたが、ソニー・ロリンズは若い時からミュージシャンの間では、すでに伝説的な存在だったのだとか。

若さあふれる、勢いに乗ったソニー・ロリンズがいい感じです。

このアルバムでは、ピアノのジョン・ルイス(John Lewis)が所用で途中で帰ってしまったため、13曲目の「アイ・ノウ(I Know)」では、なんとマイルス・デイヴィス(Miles Davis)がピアノを弾いています。

その他のメンバーは、ベースのパーシー・ヒース(Percy Heath)、ドラムのロイ・ヘンズ(Roy Haynes)、アートブレイキー(Art Blakey)、ケニー・クラーク(Kenny Clark)、ピアノのケニー・ドリュー(Kenny Drew)、ビブラフォンのミルト・ジャクソン(Milt Jackson)

橋(The Bridge)1962年

1959年から3年間、音楽活動を休止し、毎日橋のたもとで練習していたソニー・ロリンズの復帰作。

ピアノよりもギターのコードのほうが触発されやすいのではないかという理由で、ギターのジム・ホール(Jim Hall)と。

メンバーは、ギターのジム・ホール(Jim Hall)、ベースのボブ・クランショウ(Bob Cranshaw)、ドラムのベン・ライリー(Ben Riley)、5曲目だけドラムはH.T.ソーンダース(H.T. Saunders)

ホワッツ・ニュー(What’s New?) 1962年

1964年にリリースされた、ジャズにボサノヴァを取り入れたと言われるスタン・ゲッツ (Stan Getz)とジョアン・ジルベルト(João Gilberto)のアルバム「ゲッツ/ジルベルト(Getz/Gilberto)」より早く、ソニー・ロリンズは、南米のラテン音楽満載なこのアルバムでブラジル音楽をジャズに取り入れていました。

メンバーは、ギターのジム・ホール(Jim Hall)、ベースのボブ・クランショウ(Bob Cranshaw)、ドラムのベン・ライリー(Ben Riley)、パーカッションのウィリー・ロドリゲス( Willie Rodriguez)、デニス・チャールズ( Denis Charles)、 フランク・チャールズ( Frank Charles)、キャンディド(Cándido)

ボサノヴァジャズといえばスタン・ゲッツのイメージが強いのは、ソニー・ロリンズといえばカリプソのほうが印象が強いからかも。

とはいえ、スタン・ゲッツのボサノヴァジャズと、ソニー・ロリンズのボサノヴァジャズは、やっぱり微妙に違って、そこがよいです。

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アワ・マン・イン・ジャズ(Our Man In Jazz)1962年

オーネット・コールマンに影響されてか、ソニー・ロリンズもフリージャズに取り組んだアルバムを残しています。

コルネットで参加しているドン・チェリー(Don Cherry)はオーネット・コールマンと組んでいた人。

小難しい印象のフリージャズも、ソニー・ロリンズの明るいあたたかい演奏で、少しとっつきやすくなっていると思います。

「オレオ(Oleo)」や「ドキシー(Doxy)」といったおなじみの曲や、「 書き残したい私の恋(I Could Write a Book)」なんていうスタンダード曲も、フリージャズ風にしてしまっているのが、すごい。

メンバーはコルネットのドン・チェリー(Don Cherry)、ベースのボブ・クランショウ(Bob Cranshaw)、4曲目~6曲目はベースはヘンリー・グライムス( Henry Grimes)、ドラムのビリー・ヒギンス(Billy Higgins)

アルフィー(Alfie) 1966年

ソニー・ロリンズは1966年公開映画「アルフィー(Alfie)」の音楽を担当。

ただこのアルバムは、映画のサウンドトラックではなく、セルフカヴァー。

映画では別テイクの音楽が使用されました。

(なんでやねん!)

メンバーは、アレンジと指揮がオリヴァー・ネルソン(Oliver Nelson)、トロンボーンのジミー・クリーブランド(Jimmy Cleveland)、J.J.ジョンソン(J.J. Johnson)、アルトサックスのフィル・ウッズ(Phil Woods)、テナーサックスのボブ・アシュトン(Bob Ashton)、バリトンサックスのダニー・バンクス(Danny Bank)

ドラムのフランキー・ダンロップ(Frankie Dunlop)、ベースのウォルター・ブッカー(Walter Booker)

ピアノのロジャー・ケラウェイ(Roger Kellaway)、ギターのケニー・バレル(Kenny Burrell)

このメンバーの贅沢な使い方!

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(下巻)に続きます。

力強くおおらかなサックス ソニー・ロリンズの名盤(下巻)
ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins 1930年~)の名盤のご紹介の(下の巻)です。(上の巻)や(中の巻)で紹介しきれなかったアルバムについて書きました。

ソニー・ロリンズの名盤(上巻)はこちら。

力強くおおらかなサックス ソニー・ロリンズの名盤(上巻)
ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins 1930年~)の名盤のご紹介(上巻)です。名盤と言われるアルバムの中から、特に有名だと思われるアルバムを。ビバップの巨匠たちとのアルバムも。

ソニー・ロリンズの名曲のご紹介はこちら。

カリプソだけじゃない!親しみやすい曲が多いソニー・ロリンズの名曲
ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins 1930年~)の有名曲やおすすめの曲。「セント・トーマス(St.Thomas)」は、実はイギリスの古い民謡で、バージン諸島に伝わったものがもとになっているというエピソードについても、ご紹介します。

ソニー・ロリンズがサイドマンで参加したアルバム についてはこちら。

(前編)

ソニー・ロリンズがサイドマンで参加したアルバム(前編)
ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins 1930年~)が、サイドマンとして参加している他人名義のアルバムのご紹介、前編です。マイルス・デイヴィスの超有名アルバムをはじめとして、ヴォーカルものや、セロニアス・モンクや、パド・パウエルのアルバムなど。

(後編)

ソニー・ロリンズがサイドマンで参加したアルバム(後編)
ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins 1930年~)がサイドマンとして参加した、他人名義のアルバム(後編)です。ビバップの巨匠たちとのアルバムや、ローリング・ストーンズのアルバムなど。

ソニー・ロリンズの生涯についてはこちらに書きました。

前編(幼少時~ちょっとだけ活動休止してシカゴにひっこんだ後、復帰するまで)

演奏が停滞したら隠遁して修行 ソニー・ロリンズの生涯(前編)
ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins 1930年~)。麻薬やアルコールが蔓延していたころのジャズの世界を生き延び、現在においてもジャズに影響を与え続ける演奏を数多く残したジャズの巨人。そのソニー・ロリンズの経歴の前編。幼少期~ちょっとだけ活動休止してシカゴに引っ込んだ後、復帰するまで。

後編(コードレス・トリオ結成~現在まで)

演奏が停滞したら隠遁して修行 ソニー・ロリンズの生涯(後編)
ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins 1930年~)の生涯、後編(コードレス・トリオ結成~晩年まで)です。有名な3年間の隠遁生活や、その後のようすなどにもふれています。