美しく小気味よい粋なジャズギター ジム・ホールの生涯

ジム・ホール(Jim Hall 1930年~2013年)は亡くなる晩年まで来日公演も行い、精力的に活動していたジャズギタリストです。

その小気味よい、そして彼の特徴ともいうべき美しいコードの響き。

聴いていると、まるでピアノを聴いているような気分になる、流れるような美しいギターです。

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ジム・ホールの経歴

ジム・ホールの生い立ち

ニューヨーク州バッファロー生まれ、クリーブランド育ち。

ジム・ホールの家族は、母親はピアノ、父親はギター、祖父はヴァイオリンを演奏する音楽一家でした。

彼は10歳の時にプレゼントされたギターに夢中になります。

13歳の時には、地元のバンドに参加。

チャーリー・クリスチャンの演奏に影響を受けていました。

クリーブランド音楽学院を卒業したジム・ホールはプロを目指してLAに移ります。

その後、ニューヨークへ。

ジム・ホールとビル・エヴァンスの共作「アンダーカレント(Undercurrent)」

ジム・ホールを知ったのは、ビル・エヴァンス(Bill Evans)とのデュオ「アンダーカレント(Undercurrent)」(1963年)でした。

Undercurrent(底流)と名付けられたこのアルバム。

アルバムジャケットは、水に浮かぶ女性。

でも顔だけ水面に出して、手足は水をかいているように見えます。

ジム・ホールとビル・エヴァンス(Bill Evans)の紡ぎ出す音楽は、小川のように軽く流れるようでいて、2人の白熱する、気の合った掛け合いは、流れる水面のしたで、水をかく手足のようにも感じます。

1曲目、アップテンポで演奏される「マイ・ファニー・ヴァレンタイン(MyFunny Valentine)」は冒頭から2人の掛け合い合戦が、だんだん息の合ったおしゃべりのように感じてきます。

聴いていると、まるで好きな野球チームについて熱く語り合う2人といった感じ。

1966年には再び、ビル・エヴァンス(Bill Evans)とデュオ。

エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)の名盤にも参加

グラミー賞も受賞した、名盤と評判の高いエラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)のアルバム「マック・ザ・ナイフ-エラ・イン・ベルリン(Mack the Knife: Ella in Berlin)」(1960年)にも参加しています。

そのご縁でしょうか。

1969年にジムホールも「ジム・ホール・イン・ベルリン(Jim Hall in Berlin)」というリーダーアルバムをレコーディングしています。

ジム・ホールのギターが思う存分、小粋にスイングしています。

インストも歌伴もOKなジム・ホールって感じです。

うまく説明できないのですが、ウェス・モンゴメリー(Wes Montgomery) が芸術家肌のギターで、ジョー・パスが職人肌のギターで、ジム・ホールはその中間といった感じ。

私の独断と偏見にまみれた見解ですが。

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ジム・ホールの名盤

こちらは1957年、ジム・ホール初のリーダーアルバム。

ギター、ベース、ピアノという王道ともいうべき編成で、ウエスト・コースとの精鋭としての存在をアピールしています。

「ジャズ・ギター(Jazz Guitar)」というアルバムタイトルに、ジャズギターの可能性を見せつける決意のようなものを感じてしまいます。

1972年、ロン・カーター(Ron Carter)とのデュオ。

ベースとギターだけで、静寂の中にもしっかりとした存在感のある、いぶし銀のジャズといった感じ。

こういうジャズって、何度聴いても飽きがこなかったりします。

こちらは意外な組み合わせ?な感じもするパット・メセニー(Pat Metheny)とのデュオ。

パット・メセニーとジムホールは、まったく違うタイプのギタリストと思うのですが、息ぴったりな演奏でびっくりです。

それもそのはず。

もともとパット・メセニーは無名時代からジム・ホールにあこがれていたのだとか。

ジム・ホールは1975年の「アランフェス協奏曲(Concierto)」も名盤との誉れが高いのですが、Apple Musicでは見つかりませんでした。

不思議。

ジム・ホールの「アランフェス協奏曲(Concierto)」は、マイルス・ディヴィス(Miles Davis)の「アランフェス協奏曲」が重厚な感じだったのに対して、もっとあっさりと軽めな感じ。

ジム・ホールとマイルス・デイヴィスの「アランフェス協奏曲(Concierto)」は楽器編成も違います。

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ジム・ホールはリーダーとして録音しているものもいいのですが、個人的にはビル・エヴァンスやロン・カーター、パット・メセニーとのデュオでのアルバムがとても好きです。

「オレが、オレが」と自分が前に出るタイプじゃなくて、共演者の音をよく聴いて、気の利いたフレーズを挟み込むのがうまというか。

ジャズを堪能できるギターだと思います。