レジェンド達と共演したシンガー ジョニー・ハートマンの生涯と名盤

ジョニー・ハートマン (Johnny Hartman 1923年~1983年)。

知名度こそフランク・シナトラ(Frank Sinatra)やトニー・ベネット(Tony Bennett)ほどには知られていませんが、エロル・ガーナー(Erroll Garner)、ディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie) 、ローランド・ハナ(Roland Hanna)などの数々の大御所レジェンドたちと共演した実力派シンガーです。

低音ヴォイスのジャズシンガーは、他にもジョー・ウィリアムス(Joe Williams)、ケビン・マホガニー(Kevin Mahogany)、ビリー・エクスタイン(Billy Eckstine)などがいますが、ジョニー・ハートマンも音域はバリトンで正真正銘の低音ヴォイス。

個人的には、彼の低音ヴォイスはソフトというよりも力強さを感じさせる感じがします。

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ジャズにおいてはバラードの歌唱に定評がありますが、ジャズのみならずポップスなども歌いこなしました。

特にジョン・コルトレーン(John Coltrane)とのアルバムは、ジョニー・ハートマンの代表作。ピアノはコルトレーン(John Coltrane)とは相性ばっちりのマッコイ・ターナー(McCoy Tyner)。ドラムはエルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)、ベースはジミー・ギャリソン(Jimmy Garrison)。

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このアルバムで、前衛的な演奏のイメージを持つコルトレーン(John Coltrane)が、ジョニー・ハートマンの歌のバックで演奏しているような端正なジャズも吹けるということを知らしめました。

コルトレーン(John Coltrane)も、ジョニー・ハートマンも、ディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie)のバンドにいたことがあって、1950年年代のはじめごろに2人は知り合っていたそうです。

ジョニー・ハートマンの生涯

ジョニー・ハートマンの生い立ち

ルイジアナ出身。シカゴで育ちました。

シカゴ音楽大学( Chicago Musical College)で声楽を専門的に学びました。

第二次大戦中に陸軍で歌ったこともありますが、正式なプロデビューは1946年のアール・ハインズ(Earl Hines)との共演。

その後ディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie)のバンドのツアーに同行しました。

 

ディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie)のバンドで歌うジョニー・ハートマン。

エロル・ガーナー(Erroll Garner)とも共演しました。

ジョニー・ハートマンの名唱&名曲

ジョニー・ハートマンは、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)やトニー・ベネット(Tony Bennett)ほどの知名度はありません。

それでも真のジャズファンにはその価値を認められているような存在です。

例えば、俳優、監督として活躍するクリント・イーストウッドもジョニー・ハートマンのファンの1人。

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クリント・イーストウッドが監督した映画「マディソン郡の橋」

この映画では「アイ・シー・ユア・フェイス・ビフォー・ミー(I See Your Face Before Me)」「愛は歌のように(It Was Almost Like a Song)」「イージー・リヴィング(Easy Living)」と、この「フォー・オール・ウィ・ノウ(For All We Know)」、ジョニー・ハートマンの歌が4曲使われています。

ジョニー・ハートマンの歌を採用した理由をクリント・イーストウッドは「メインストリームには乗らなかったが、彼がとても優れた歌手だから」と述べたそうです。

ロシア領に住むユダヤ教徒たちの生活を描いたミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き(Fiddler on the Roof)」のウェディングシーンで合唱されるこの曲も、ジョニー・ハートマンが歌うとまた違った味わい。

ジョニー・ハートマンがバラードの名手だということがわかる曲。

ジョニー・ハートマンはバラードが得意ですが、スイングもよいです。

ポップスを歌っても、低音ヴォイスの魅力は色あせません。

数々の大御所レジェンドと共演しているジョニー・ハートマン。

コルトレーンとのアルバムは名作となりましたが、ジョニー・ハートマン自身は、その実力のわりにそんなに評価されていない感じもします。

こんなに素敵なのに。。。。

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もっと売れていてもおかしくなかったシンガーのように思います。