禁酒法時代に、ニューヨークのハーレムに実在した高級ジャズクラブ、コットンクラブ。
そのコットンクラブを舞台にした、1984年公開映画「コットンクラブ(The Cotton Club)」
コッポラ監督のもと、出演者も若かりしころのリチャード・ギア、ニコラス・ケイジ、ダイアン・レインと華やかなメンバー。
コットンクラブのダンサー役で出演しているグレゴリー・ハインズは、映画と同じく、実生活でも兄と組んでタップダンサーとして活動していた人。
俳優としても活躍し、数々のいい映画に出ておられます。
ちなみに、実際のコットンクラブではデューク・エリントンをはじめ超一流ミュージシャンが出演していました。
コットンクラブは、アフリカ系のジャズメンやダンサーが出演していても、客席は白人のみ。
人種差別が公然と存在していた時代に、白人しか入れない高級クラブとして繁盛していました。
映画「コットンクラブ(The Cotton Club)」は、物語に焦点がおかれているので、そんなにジャズに重きをおいてるわけではありません。
コットンクラブに出入りするダンサー、ジャズメン、そして禁酒法ゆえにこういう店にからんでくるギャングたちがおりなすストーリーです。
ジャズに重きを置いてないと言っても、ジャズメンたちの物語ですから、ジャズの名曲も登場します。
心に残っているのは、グレゴリー・ハインズが想いを寄せる女性ジャズ歌手。
当時は白人歌手でないと出演できない店があったり、白人とアフリカ系ではギャラが違うということもありました。
そのジャズ歌手は、白人とアフリカ系の混血で肌の色が白に近いため、「自分は白人だ」と偽って働いています。
混血だとバレると大変なことになるため、常に綱渡りの緊張の日々。
それゆえに、彼女もグレゴリー・ハインズ演じるダンサーに思いを寄せながらも、白人のふりをしているために付き合うことはできません。
その彼女が映画の中で歌う「ストーミー・ウェザー(Stormy Wether)」では、泣き叫ぶかのように歌う姿が心を打ちます。
「ストーミー・ウェザー(Stormy Weather)」と言えば、リナ・ホーン(Lena Horne)。
映画「コットンクラブ(The Cotton Club)」のジャズ歌手も、リナ・ホーンを思わせる美しさ。
映画「コットンクラブ(The Cotton Club)」は禁酒法時代のジャズの雰囲気を濃厚に味わえる映画です。
そして、ジャズメン、ジャズ、ギャング。。。。とくると悲惨な、暗い映画になりそうですが、この映画は違います!
ちょっとシリアスな場面もあるし、コメディ的な要素はゼロだし、クールな感じなんですが。
結末が。
私はこの映画の結末、好きです。
この流れで、こういくのかという、ちょっと以外な結末。
でも、いい映画を見た!という感じになれます。
若かりし頃のリチャード・ギアがコルネット奏者なんですが、もう本当にいい男。男前。
ダイアン・レインだって、美しい。
古き良き時代の、美男美女の映画って感じで、夢の世界にひたれます。
ギャングの抗争なんかもからんでるので、男性受けもしそうな映画です。
DVDが出てます。