キャロル・スローン(Carol Sloane 1937年~)は、まるで独り言を言うように、つぶやくようにジャズを歌います。
2002年にニューヨークに行ったとき、マンハッタンのジャズクラブで現役で歌っておられました。
CDやレコードで聞くのと同じ歌声で、うれしくなってしまいました。
キャロル・スローンの声で歌われるこの曲が好きです。
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私はこのアルバムがキャロル・スローン初体験でした。
ハマってしまって、よく聴いてました。
キャロル・スローンの生涯
キャロル・スローンの生い立ち
ロードアイランド州プロビデンス出身。
14歳のときに地元でエド・ドリュー楽団と共演したことがきっかけで、デビューしました。
1961年には、ランバート、ヘンドリックス&ロス(Lambert, Hendricks & Ross)のコンサートで、アニー・ロス(Annie Ross)の代役を務めます。
ランバート、ヘンドリックス&ロスはマンハッタン・トランスファー(The Manhattan Transfer)などにも影響を与えたコーラスグループで、ジャズのインスト曲をソロの部分までそっくりコピーし歌詞をつけて歌います。
こんな感じです。
1970年代には一時期、音楽活動から離れて法律事務所で秘書として働いたりしました。
1980年代には音楽活動を再開。
日本にキャロル・スローンのファンは多く、日本でレコーディングされたアルバムもあります。
キャロル・スローンの名曲&名唱
私がキャロル・スローンが好きな理由の1つに、彼女のスキャットがあります。
彼女のスキャットは、
「どう?私すごいでしょ?」
とか楽器と同等にやってますという感じのスキャットではなくて、気軽に鼻歌まじりにといった感じのスキャットです。
とてもしゃれていて、洗練された感じ。
こちらもかまえずに、リラックスして聴けるスキャットです。
アルバム「ソフィスケイテッド・レディ(Sophisticated Lady)」に収録されている「A列車で行こう(Take the “A”train)」。大人の余裕のようなリラックスムードが漂う、都会っぽさ。
この曲は「I Let a Song Go out of My Heart」とクレジットされていて、間違いではないのですが、 「I Let a Song Go out of My Heart」を歌い終わったと思ったら、そのまま「Do Nothin’ Till You Hear From Me」へと続くので2曲聴けます。
はじめから終わりまで終始ジョージ・ムラーツのベースとのデュオ。
同じくアルバム「ソフィスケイテッド・レディ(Sophisticated Lady)」から。
小粋なジョージ・ムラーツのベースからはじまって、ローランド・ハナ( Roland Hanna)がいつものように気の利いたピアノで入ってくる「サテン・ドール(Satin Doll)」。
さまざまなシンガーに歌いつくされている感じの曲ですが、キャロル・スローンが歌うと洗練されていて新鮮。
こういうありきたりな曲を、新鮮な感じで歌えるシンガーってすごいと思います。
後半、小粋なスキャットが入ります。
孤独を歌ったこの曲。
ビリー・ホリディが歌うと孤独感で胸がしめつけられるようですが、キャロル・スローンの歌だと大人の女性が、孤独と向き合いながらも自分の人生を生きている感じ。
1987年に日本でリリースされたアルバム「バット・ノット・フォー・ミー(But Not For Me)」もおすすめです。
ピアノにトミー・フラナガン(Tommy Flanagan)、ベースはジョージ・ムラーツ(George Mraz)、ドラムはアル・フォスター(Al Foster)
テナーサックスとフルートがフランク・ウェス(Frank Wess)と日本にファンの多いメンバーで、息ぴったりです。
繊細で、ソフトで、大人の雰囲気を持ったシンガーだと思います。