男女がコンビを組んで、第二次世界大戦中に、兵士たちを慰問する人気エンターテイナーとしてジャズを歌いまくる「フォー・ザ・ボーイズ(For the Boys)」という映画。
1991年公開。
ベット・ミドラー(Bette Midler)とジェームズ・カーン(James Caan)がコンビを組んで、第二次世界大戦中の兵士たちを慰問してまわるエンターテイナーを演じます。
ご機嫌なジャズナンバーが満載の映画です。
ベット・ミドラー(Bette Midler)といえば、ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)を思わせるロック歌手を演じた「ローズ(The Rose)」も有名。
このローズでも、ベット・ミドラーの歌唱力はすごかった!
本当にロック歌手なみ。
DVDも出てます。
「フォー・ザ・ボーイズ(For the Boys)」では、ロックから打って変わってのジャズです。
ベット・ミドラーは、ジャズを歌っても心憎いほど、うまい!
特にこの「ピー・エス・アイ・ラヴ・ユー(P.S. I love you)」
ベット・ミドラーが歌う「ピー・エス・アイ・ラヴ・ユー(P.S. I love you)」はのばした音が微妙に下がるところなど、驚くほどビリー・ホリディ(Billie Holiday)の歌い方とそっくりです。
こちらがその本家本元ビリー・ホリディ(Billie Holiday)の「ピー・エス・アイ・ラヴ・ユー(P.S. I love you)」
フォー・ザ・ボーイズのあらすじ
「フォー・ザ・ボーイズ(For the Boys)」のボーイズ(Boys)は、兵士たちのことを指しています。
ベット・ミドラー演じるディクシーとジェームズ・カーン演じるエディは、2人で組んで兵士たちの慰問に回っています。
そして慰問先で、兵士たちに当時大流行していたジャズのナンバーを歌います。
例えばこんな、ごきげんな曲。
ディクシーが戦争に行っている夫を想いながら歌うこの曲はせつなくて。
この2人が慰問先で繰り広げるステージ。
ショーマンシップにあふれていて見ていて楽しい!
そして2人のステージの楽しさが、戦争の悲しみ、つらさなどを色濃くします。
ストーリーも、ちょっと意外な展開もあって面白かったです。
特にラストの、月日がたっておばあちゃんとおじいちゃんになったディクシーとエディのやり取りも、ジャズならではのいかした感じ。
ストーリーもいいし、ご機嫌な音楽や歌も満載でいい映画だと思うのですが、なぜが動画配信もやってないみたいだしDVDもないようです。
もう一度見たいのに。
残念です。
フォー・ザ・ボーイズの見どころ
そしてディクシーとエディの関係が、複雑に変化していく流れなどストーリーも見ごたえ十分。
ベット・ミドラーは20代から80代までを演じます。
戦争に翻弄されながらも、音楽を糧に生きたディクシーとエディの、人間くさい人間ドラマ。
いい映画です。
見た後、心地よい余韻にひたれる映画だと思います。
この映画を見た後、このサントラもよく聴いてました。
楽しいジャズナンバーと、せつないバラードの選曲が最高。
「フォー・ザ・ボーイズ」のエピソード
映画の最初のほうのシーンで、ベット・ミドラー演じるディクシーがちょっとしたハプニングで、軍服の上着を借りて、それをミニのワンピースのように着てステージに上がる場面があります。
最初、ベット・ミドラーはこのシーンに難色を示したそうです。
自分の太い脚を人目にさらすのは嫌だと。
そしてベット・ミドラーと監督がその件で話し合っている最中に、ボディメイクの担当者がベット・ミドラーの足に、足がきれいに見えるボディメイクをほどこしたのだそうです。
美しく仕上がった自分の脚を見て、ベット・ミドラーも満足。
そしてミニワンピースの場面が撮影されました。
このシーンのベット・ミドラーの足、決して細くないのですが女っぽさを感じさせるきれいな脚でした。
そのベッド・ミドラーのボデイメイク担当は日本人カオリ・ナラ・ターナー
このべット・ミドラーの脚にメイクしたのが、日本人として初の全米メイクアップ・アーティスト・ユニオンの正会員ともなったカオリ・ナラ・ターナーさん。
もともとは日本で生まれ育ち、ダンサーとして香港で公演していた時にアカデミー賞受賞経験もあるメイクアップアーチストのご主人に見初められ、ご主人の親友だったスティーブ・マックイーンがキューピット役となって、結婚したというすごい経歴の持ち主。
2003年にはカオリ・ナラ・ターナーさん自身もエミー賞、2008年には日本政府より旭日双光賞を授与されています。
このエピソードを知ってから、ますますこの映画が好きになりました。
これを書いていたら、また見たくなってきました。
どこか動画配信してくれないかなあ。。。。
「フォー・ザ・ボーイズ(For the Boys)」は見終わった後は、あたたかい気持ちになる映画です。
人生には、いいことも、悪いことも、つらいことも、悲しいことも起きるけど、でもやっぱり生きてるっていいな、と。