ジャズのライブを生で聴いてみたいけど、ジャズバー(またはジャズクラブ)って、敷居が高そうと躊躇していませんか?
実はジャズバーはそんなに敷居は高くありません。
お勤め帰りにふらっと寄って、ジャズの生演奏で気持ちを切り替えて帰宅する、なんてことができたりします。
そしてジャズの魅力は、即興での演奏。
ジャズバーで演奏される即興のスリリングさにどきどきしたり。
録音されたジャズとはまた違う魅力を感じるはずです。
初めてのジャズバー不安解消マニュアル
ジャズバーに行ったことがないけど行ってみたい、と思っている人向けです。
不安や心配が、これで解消されたらうれしいです。
そしてジャズバーで生のジャズの演奏にふれて1人でもジャズ好きが増えたら、お仲間が増えてうれしいです。
ジャズバーの敷居は高くない
ジャズバーには、明かりを落とした少し暗めのお店が多いので、初めてのお店は入りにくいと思うかもしれません。
でもちょっと勇気を出して入ってしまえば、大丈夫。
たいていのジャズバーは普通のお店で、怖いことも危険なこともありません。
私は初めて行くジャズバーなら、念のためホームページやネットで店内のようすをチェックして、だいたいどんな感じか見てから行くことが多いです。
初心者が行ったら、冷たくされる?
ジャズについてあまり知らない初心者でも、それだけで冷たくされることはありません。
アマチュアが参加できるセッションに演奏者として参加するならばある程度の知識は要求されますが、ただお客さんとしてジャズを聴きにきているだけなら、誰も何も言いません。
粋がってやたらと知ったかぶりをしたり、演奏中に声高におしゃべりしたり、他のお客さんの迷惑になるような行為さえしなければ大丈夫です。
「あの子、ちょっと緊張しているようだけど、ジャズバーには初めて来たのかな?」
と思われても、微笑ましく見られるだけです。
ジャズファンとしてはジャズ好きが増えることはうれしいことですから、歓迎されるはず。
女子が1人で行っても大丈夫?
私はまわりにジャズ好きな同年代の友人がいないので、20代のころから1人でジャズバーに行ってます。
ですが今までにからまれたり、ナンパされたり、いやな目に会ったことはありません。
ナンパされなかったのは、容姿の問題かもしれませんが(笑)通常ジャズバーはナンパできるような雰囲気はなく、そういった意味では健全です。
カウンターに座っているときに1人で来ている他のお客さんに話しかけられることはありますが、あくまで雑談といった感じ。
私はジャズバーで、あまり感じの悪い人にあまり会ったことはありません。
皆ジャズを聴きに来ていて女子を口説きに来ているわけではないので、普通のバーに行くより安全かも。
ミュージックチャージって?
ジャズバーでは飲食代の他にジャズのライブ(生演奏)があるときには、ミュージックチャージがかかります。
ミュージックチャージはお店やミュージシャンによっても料金が変わりますが、有名なミュージシャンになると、通常の料金よりも高くなります。
その日のミュージックチャージはホームページなどであらかじめ確認できますし、お店の前の看板やドアに明記しているお店も多いです。
ビルボードなどの大きな規模のお店や、海外ミュージシャンなどの出演になるとさらにミュージックチャージは高くなります。
注文はドリンクだけでも大丈夫?
ワンドリンクだけでOKなお店もあれば、ワンドリンクとワンフードの注文が必要なお店、またファーストステージとセカンドステージそれぞれのステージにドリンクの注文が必要なお店などもあります。
このあたりはホームページでもわからないことが多いので、とりあえずワンドリンク注文してみれば、お店の人が「うちはワンドリンク、ワンフードの注文が必要です」と教えてくれますし、セカンドステージでもドリンクの注文が必要な場合もお店の人が教えてくれます。
知らなかったからと怒られることはありません。
食事もできるの?
お店によって、お食事メニューがあったりなかったりします。
軽い軽食のみのお店や、全部ドリンクのみのお店もあります。
行く前にホームページで確認することをおすすめします。
お店によってはお食事もおいしかったりもしますし、メニューになくても頼めばピザトーストくらい作ってくれるお店もあります。
ほとんどのお店ではなんらかのフードがありますが、中にはドリンクのみのお店もあります。
私は食事しながら演奏を聴くのが苦手なので(←食事しながら演奏を聴いてもまったく問題なく大丈夫です)いつも軽く腹ごしらえしてからジャズのお店に行ってましたが、そこはお好みで。
お会計はいつするの?
たいていのジャズバーは、帰るときにお会計をします。
レジがあればそこで支払いますし、レジが見あたらないときにはお店の人に
「お会計をお願いします」
と声掛けします。
ミュージックチャージが設定されていなくてカンパ制や投げ銭のライブをメインでやっているカジュアルなお店だと、キャッシュオン(カウンターで注文して現金で支払い、自分でドリンクやフードを席に運ぶ)での支払いになることも多いです。
予算はどのくらい?
飲食代(ワンドリンクとワンフードのオーダーが必要なこともあるのでネットなどでドリンクとフードの値段を調べておく)+テーブルチャージ(お店によってはカウンターでなく、テーブル席に座ったときに¥500~\1000くらいのチャージがつくこともあります)+ミュージックチャージ(¥1500~¥5000)
お店や、出演するミュージシャンによっても予算はかなり違ってくると思います。
コロナ以降はかなり事情が変わってきているようなので、ホームページで調べておくといいと思います。
カンパ制や投げ銭のライブって、どのくらい支払う?
ミュージックチャージがなくて、カンパ制や投げ銭制のライブもあります。
カジュアルなお店で、これからといった感じの駆け出しのミュージシャンが演奏することが多いですが気軽に聞けるのが魅力なのと、掘り出し物的な、思わぬ才能に出会える感動もあったりします。
基本的にカンパ制や投げ銭制のライブのときはミュージシャンは無報酬で演奏していて、カンパや投げ銭で集まったお金が彼らの報酬になります。
だからもし余裕があればおおめに入れてあげるにこしたことはないのですが、もし余裕がないならば¥100しか入れれなくても責められることはありません。
私はだいたいいつも¥500前後くらい入れて、演奏があまりに素晴らしければ¥1000くらい入れます。
逆にあんまり演奏がひどいときには、お金を1円も入れなくても文句を言われることはありません。
ミュージシャンに直接わたすのではなく、レジやカウンター付近にお金を入れるBOXや入れ物があったり、演奏中や演奏後にバケツや入れ物が回ってくるので、その中にお金を入れます。
どのジャズバーに行けばいいのかわからない
数あるジャズバーの中で、どのお店に行くか迷ったとき。
そんなときは出演しているミュージシャンをチェックするといいと思います。
今はいろんなミュージシャンの演奏を、ネットで調べれば動画で見られるので
「なんとなく、このミュージシャンの演奏が好きだ」
というのを見つけたら、そのミュージシャンが出演しているお店の料金などを調べて、予算に合えばそこに行く、予算に合わなければ予算に合うミュージシャンを探す、というやり方です。
演奏がよければ満足度は上がるので、お店で選ぶよりは好きな演奏をしそうなミュージシャンで選ぶことをおすすめします。
とはいえジャズなので、同じミュージシャンでもその時々でまったく違う演奏をすることは多々あり、動画と全く違うということもあります。
でもそこも楽しんでしまうのがジャズです。
ジャズ・バーに行くときの服装は?
とあるミュージシャン(男性)が若い駆け出しのころにサンダル履き(今のおしゃれなサンダルじゃなくて、昔のいわゆるつっかけみたいなサンダル)で仕事に行ったら、お店の人に
「サンダルはあかんで」
と注意されたと笑って話しておられましたが、ジャズバーの服装規定はそのくらいだと思います。
ジーンズやスニーカー、Tシャツでも、よほどの高級店でないかぎり大丈夫だと思います。
短パンによれよれのTシャツとサンダル姿だとお店で浮くかもしれません。
初めてのお店に行くときは、男性ならシャツにジーンズや綿パンかスラックス、女性なら会社で勤務するくらいの服装で、ようすを見てみるのもいいかもしれません。
ジャズのライブって、何時間くらいやるの?
演奏のスタート時間は、お店のホームページなどでチェックできます。
だいたいファーストステージで40分前後演奏した後、20~10分程度の休憩をはさんでセカンドステージがはじまります。
お店によってはサードステージがあるところもあれば、ファーストステージのみというところも。
セカンドステージの後、お客さんがのってくればアンコールがあることもあります。
たいていの場合、時間はあまりきっちり決まっていなくて、なんとなくミュージシャンが腰を上げたら始まるといった感じです。
昔は夜の21時や22時ごろにスタートして、深夜過ぎまで演奏するようなディープなお店もありましたが、最近は早くスタートして早く終わる傾向になってきていると思います。
ファーストステージとセカンドステージの両方聴いていいの?
ただし中にはファーストステージとセカンドステージで入れ替えるお店もあって、その場合は両方見るときは通し料金を支払います。
その場合はお店のホームページや入り口などに「入れ替え制」などそれぞれのステージに料金が必要と明記されています。
たいていのお店は、ファーストステージとセカンドステージの両方を聴いてかまいません。
お店はミュージックチャージは、ステージごとに支払う必要はありません。
たいていはファーストステージとセカンドステージ、両方を聴いて帰ります。
そしてファーストステージだけ、セカンドステージだけ聴いても、ミュージックチャージが半額になるということはありません。
拍手のタイミングがわからない
基本的には演奏者がステージに登場したときと、曲が終わったとき、各自のソロが終わったとき、ファーストステージやセカンドステージの演奏が終わったときに拍手します。
初心者にはソロの終わりがわからないこともあるようなので、そんなときは無理をせずまわりが拍手したときに
「今、ソロが終わったんだな」
と一緒に拍手するのがいいと思います。
たまにソロの途中で拍手がきてしまい、ミュージシャンが
「えっ?」
と苦笑いしながらソロを終えたり、続けたりすることもあります(笑)
お酒が飲めないけどジャズバーに行ってもいい?
アルコールが飲めなくても、ジャズバーで肩身の狭い思いをすることはありません。
ちなみに私は若いころには飲んでましたが、ここ数年はお酒に弱くなったのでずっとノンアルコールで過ごしています。
たいていのジャズバーではホットコーヒーがありますし(ごくまれにないお店もあり)、ジンジャーエールやコーラなどのソフトドリンクは必ずと言っていいほどあります。
ノンアルコールのカクテルを作ってくれるお店もあるので、お酒が飲めない人でも大丈夫です。
何かお得な方法は?
もし数人で行って全員がワインが飲めて、お店にボトルで1本¥3000くらいのワインが置いてあれば、ワイン1本頼んじゃうのも手です。
だいたいワインボトル1本で4~5杯分くらいは余裕であります。
数人でワインを1本頼めば、これでワンドリンク頼んだことにもなるので、ちょっとだけ割安になるかも。
退屈したら途中で帰れる?
帰れます。
一番ベストなのは、ファーストとセカンドの間の休憩中に帰るのがタイミングとしていいと思います。
別にそれで演奏者が気を悪くするということもありませんし、休憩中に帰る人は普通にいます。
できれば演奏中はさけたいところですが、それでもどうしても演奏中に帰るのであれば、他のお客さんの邪魔にならないよう、演奏者の邪魔にならないよう、なるべく静かにそっとお会計をすませて帰れば大丈夫です。
どの席に座ればいいの?
基本的には、お店の人が席に誘導してくれたり
「この席にどうぞ」
と示してくれるので、それに従えばオッケーです。
前のほうに座れば、ミュージシャン同士のアイコンタクト(視線で合図する)や息遣いまで聴けますし、後ろのほうの席なら全体を見渡せて、ステージからも距離があるのでリラックスして聴くことができます。
音が大きいのが苦手な人は、大きな音でたたくドラマーのときはドラムの前はさけたほうがいいかもしれません。
(ドラマーによっては、これが同じドラムなんかいっ!と驚くくらい美しい音色でドラムをたたく人がいて、そんな人のドラムは不思議なことに至近距離で聴いても、ちっともうるさくありませんが)
私は演奏中のピアニストの手の動きを眺めるのも好きなので、ピアニストの後ろの席に座ることもあります。
ジャズバーでしてはいけないこと
- 演奏中に大きな声でおしゃべりする(ライブを聴いている他のお客さんの迷惑になりますし、集中して演奏している演奏者の邪魔にもなります)
- 演奏を録音、録画する(たぶん、これをやっていたらお店かミュージシャンに注意されると思います)
- 酔っ払う(お酒を楽しむというよりもは、ジャズのライブを楽しむところなので、ほろ酔いくらいにとどめておいたほうが無難)
- 知ったかぶりをして知識をひけらかすこと(相手が控えめなだけで、本当はものすごくジャズに精通しているなんてことはざらにあります)
実は、ジャズの知識が豊富な人ほど人にひけらかさないことが多いです。
以前、ものすごくジャズ通の人に、初心者君が知ったかぶりで偉そうに講釈を垂れているのをはたで見ていて、ハラハラしたこともあります(笑)
ぜひぜひ勇気を出して、ジャズのお店で生演奏を聴いてください。
生の演奏の迫力と臨場感、スリリングな即興演奏にドキドキしてください。