「ロイ・ハーグローヴ 人生最期の音楽の旅」を見てきました。
2018年に49歳という若さで亡くなったトランぺッター、ロイ・ハーグローヴ(Roy Hargrove)の最後のヨーロッパツアーを撮ったドキュメンタリー映画です。
ドキュメンタリー映画ということで、正直、映画としてはそんなにおもしろくないんだろうな、と期待せずに行ったのですが、おもしろかったです!
監督が10代でロイ・ハーグローヴは20代の前半のころに知り合ったという、長い付き合いの監督だからこそ、ここまで赤裸々に撮れたんだと思います。
見てよかったです。
ロイ・ハーグローヴはノリノリの曲もかっこいいし、バラードは甘くせつなくで最高だし、いつもおしゃれだし、大好きなミュージシャンの1人です。
ロイ・ハーグローヴ(Roy Hargrove)については、こちらに詳しく書きました。
晩年のロイ・ハーグローヴは、なんとなく体調が悪いんだろうなあとは思っていましたが、映画を見て、ここまで悪かったんだとショックでした。
そんな体調でも、ヨーロッパツアーを行った理由が、映画を見ればわかります。
見る人の楽しみを奪うといけないので名前は明かしませんが、超有名どころのミュージシャンたちが、ロイ・ハーグローヴについて、知っていること、思っていること、さまざまなことを結構赤裸々に語ります。
映画を見た後に購入したパンフレットを読んで知ったのですが、あのレジェンド級のジャズメンは「ロイ・ハーグローヴの映画が製作されている」と聞きつけて、自分から連絡してきたのだとか。
どれだけロイ・ハーグローヴが、ミュージシャン仲間にも愛されていたかわかります。
この映画を見て初めて知った事実もありました。
そしてますますロイ・ハーグローヴが好きになりました。
ここからはネタバレになります。
(少しぼやかして書きますが)
これから見るかた、ネタバレが嫌なかたは見ないでください。
ここからはネタバレ注意です。
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ロイ・ハーグローヴが、透析を受けているというのは知っていましたが。
こんな環境で働いていたとは!
衝撃の事実でした。
ビリー・ホリディの時代にはよくあった話のようですし、ひと昔前のロックバンドやミュージシャンにも、こういう話はあったようですが(映画でもよく見ます)、まさか現代においても似たような話があって、それがロイ・ハーグローヴの身に起きていたというのがショックでした。
ここからはさらにネタバレします
ここからはさらにネタバレします!
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いろんなミュージシャンがインタビューに答える中で、あの辛口で有名なウィントン・マルサリス ( Wynton Marsalis)がロイについてはいっさい辛辣なことは言わず
「彼は自分と戦っていた」
と答えていたのも印象的でした。
ロイは高校生のときにこのウィントン・マルサリス ( Wynton Marsalis)に才能を認められて世に出てきたという経過もありますが、マルサリスはロイに忠告したり人を紹介したりといった世話も焼いていたようです。
マルサリスも、結構いい人じゃん!と思ってしまいました。
(そんなふうに思っていて、ごめんなさい)
ロイも若いときから知っている監督で気安かったのか、本当に
「そこまで話す⁈」
っていうこともまで話します。
っていうか、ロイは
「それは話したくない。気が進まない」
と言っているのに、監督がうまく話させます。
映画が後半になるにつれ、映画としてもおもしろくなってきます。
ドキュメンタリー映画は単調でつまらないイメージを持っていましたが、この映画は違いました。
もちろん、ジャズファンはがっつり楽しめる内容だと思います。
映画の後半で、ミュージシャンたちが皆、ロイの死を悼んでつらそうでした。
本当に愛されていたんだなあ。
生き延びてほしかった。
もし違う出会いがあって、違う環境にいたら、ロイは今も生きていたんじゃないかと思ってしまいました。
だってこの映画、最後のヨーロッパツアーを撮った映画ですが、この直後にロイが亡くなってますから。。。。
普通、そんな体調で働きます?
(音楽界では、相当体調悪くても働く(働かされる?)という、そういうケースが他にもありましたね。。。。)
本当に見てよかったです。
この映画、おすすめです。
ロイ・ハーグローヴ(Roy Hargrove)については、こちらに詳しく書きました。