大人の恋愛映画「恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」

映画「恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ(The Fabulous Baker Boys)」は1989年公開映画。

ジャズピアニストの兄弟と、女性ジャズボーカリストがおりなすストーリーです。

ジャズピアニストの兄弟とジャズシンガーのお話なので、当然、数々のジャズの名曲が流れますが、そのジャズの使い方がにくい!

スポンサーリンク

昔見た映画ですが、最近テレビで放映されたのを、また見ました。

時がたっても古臭くならず、ストーリーも知っているのに、最後まで飽きずに見てしましました。

何度見ても、いい映画です。

ミシェル・ファイファーの歌うジャズが最高!

この映画はストーリーや、物語のバックで流れる数々のジャズの名曲も魅力なのですが、なんといっても最大の魅力は、ジャズシンガーのスージーを演じるミシェル・ファイファー(Michelle Pfeiffer)の歌声!

最初、私は歌の部分はてっきり吹替だと思って

「後で実際に歌っているJAZZ歌手をチェックしなきゃ。」

と思っていたのですが、エンドロールを見てびっくり。

実際にミッシェル・ファイファー、本人が歌っていました。

恋人にささやくような、かすれ気味の可憐で甘い、色っぽい歌声です。

(↓Spotifyに登録すれば(無料でも可)フル再生できます)

Spotify - Web Player: Music for everyone
Spotify is a digital music service that gives you access to millions of songs.

映画「恋のゆくえ」のあらすじ

ホテルのラウンジやレストランなどで、デュオでピアノを弾いているベイカー兄弟は人気が低迷気味。

マンネリの演奏に仕事も切られてしまったので、心機一転、女性ボーカルを入れることにします。

そこにやってきたのがミシェル・ファイファー演じるシンガーのスージー・ダイアモンド。

ベイカー兄弟の兄のフランクはピアノも弾きますが、マネジメントを担当。

演奏の合間のMCもフランクが決めていて、弟ジャックとの掛け合いも、毎回セリフが決まっています。

曲もどちらかと言うと、大衆向けの懐メロばかり。

ジャックはときたま、深夜にジャズクラブへでかけて、自由にジャズを弾きまくります。

ジャズクラブのオーナーは、ジャックにジャズを弾くように勧めるのですが、

「面倒がないから。」

とフランクとの、単調な仕事を続けています。

 

スージーのボーカルは評判がよく、ベイカー兄弟も順調に仕事が増えます。

やがてジャックとスージーがお互いに惹かれるように。

そのうえ決まった曲を手順通りに弾きたいフランクと、本当はそれに退屈しているジャックは、だんだんぎくしゃくし出します。。。。

オーデションシーンの「More than you know」は要チェック

スージーがベイカー兄弟のオーディションにやってくるシーン。

そこで彼女は「モア・ザン・ユー・ノウ(More than you know)」を歌うのですが、これがもう絶品。

ベイカー兄弟のオーデションでは、箸にも棒にも掛からぬ、とんでもないシンガーばかりやってきたので、うんざりしていたベイカー兄弟は、遅刻してやってきたスージーを見て

「こいつもどうせ。。。。」

といった感じで、最初は

「オーデションは終わった。」

と冷たく追い返そうとするのですが、

「合格者はどこ?」

とスージーに突っ込まれ、しぶしぶスージーに歌わせます。

弟のジャックが曲名を聞いてイントロを弾き出すと

「もっとスローで。」

と注文を出したスージーは、そこからしっとりと、切なく、この曲を歌います。

歌い出した瞬間に、空気がガラっと変わりました。

そしてスージーが歌い出すと、ジャックとフランクの兄弟は驚きを隠しながら、その歌に聴き惚れるのでした。

スポンサーリンク

こちらはエディ・ヒギンスの「モア・ザン・ユー・ノウ(More Than You Know)」

とても美しいバラードです。

甘く切ないピアノのインストで。

「恋のゆくえ」は大人の恋愛映画

ミシェル・ファイファーは、大好きな女優さんの1人。

出演した映画が、どれもいいです。

「危険な関係」「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事」「アンカー・ウーマン」「ストリート・オブ・ラブ」「アイ・アム・サム」「ニューイヤーズ・イブ」。

どの映画も好きです。

ジョージクルーニーと共演した「素晴らしき日々」はお互い、シングルの子持ち同士の恋愛ストーリーで、とってもよかったし。

それとアル・パチーノと共演した「恋のためらい/フランキーとジョニー」も最高。

こちらも大人の恋の物語でした。

 

この「恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」も大人の映画です。

大人の映画といってもシリアス系じゃなくて、くすっと笑える、あたたかい気持ちになる映画。

コメディやギャグじゃなくて、落ち着いた大人のユーモアといった感じ。

「ムーン・グロウ(Moon glow)」が流れるシーンがロマンティック

仕事先の高級ホテルのバルコニーで、お酒を飲みながら3人が語り合うシーン。

このシーンで「ムーン・グロウ(Moon glow)」が流れます。

本当にこの曲は何度聴いてもロマンティックな曲で、否が応でもこのシーンを盛り上げます。

映画「恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ(The Fabulous Baker Boys)」で流れた「ムーン・グロウ(Moon glow)」はベニー・グッドマン(Benny Goodman)のバージョン。

「ムーン・グロウ(Moon glow)」はベニー・グッドマン(Benny Goodman)の演奏が、1番有名かも。

フランクを寝室に追いやった後、ジャックとスージーはとてもいいムードになるのですが、シンガーとして採用される前に高級コールガールをしていたスージーと、今までモテるままにいろんな女性と一夜かぎりの関係を繰り返してきたジャックはお互いに、なかなか踏み込めません。

せつないもどかしさが漂います。

そこからジャックとスージは、ニューイヤーのパーティーのほろ酔いも手伝って、やっとくっついたかと思ったら、そう一筋縄ではいかず。。。。

スポンサーリンク

ちょっとだけネタバレ?

ジャックとスージーは、くっつく?くっつくよね?と最後まで気をもませ、ラストは爽やかで、あたたかい気持ちになります。

若い時は、この結末

「もの足らん。。。。尻切れトンボ。。。。」

と思ったりしましたが、歳を重ねた今見ると、この結末、結構好きです。いい終わり方だと思います。

幸せな余韻が残る、ラストです。

エンディングに流れる「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」は必聴!

そしてエンディングに流れる、ミシェル・ファイファーの歌う「マイ・ファニーヴァレンタイン(My funny Valentin)」

せつなく、甘く、可憐で、それでいて色っぽく、なんとも言えない味があります。

他にも映画の中で、ミシェル・ファイファーが何曲かジャズを歌っていますが、どれもキュートでかわいくて、色っぽい!

ベイカー兄弟を演じる俳優さん達は、実の兄弟!

この映画でベイカー兄弟を演じている、ジェフ・ブリッジスとボー・ブリッジスは、実生活でも兄弟。

兄弟で兄弟を演じているのだから、そりゃ自然なわけです。

しかもジャック役のジェフ・ブリッジさんって、「クレイジー・ハート」で主演していた俳優さん!

私「クレイジー・ハート」はいい映画だなあと見ていましたが、同一人物とは気付きませんでした。

スポンサーリンク

まあ月日がたっているし、「クレイジー・ハート」では思いっきり髭だらけなので、仕方ありません。

この映画とちょっと状況は違うのですが、個人的にビル・エヴァンス(Bill Evans)とお兄さんのシチュエーションんが映画と重なる部分もあって、才能がある弟を持った兄の苦悩、同じピアニストの兄を追い抜いた弟の苦悩を感じてしまいます。

大人のロマンティックにひたりたい時に、おすすめの映画です。