ビル・エヴァンス(Bill Evans 1929年~1980年)の名演奏、名曲、有名な曲のご紹介です。
ビル・エヴァンスの名盤のご紹介はこちら。
(前編)
(後編)
ビル・エヴァンスが作曲した美しい曲、ビル・エヴァンスの美しいピアノがさえる名演奏などをご紹介します。
ビル・エヴァンスが作曲した有名曲
「ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)」
ビル・エヴァンスといえば、いの一番に浮かぶのが「ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)」。
ビル・エヴァンスの代名詞と言っても過言ではない曲。
デビー(Debby)は、ビル・エヴァンスの姪っこちゃんのお名前。
小さな女の子が、笑いながらスキップしているような、かわいらしさを感じる軽快なジャズワルツです。
「ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)」はのちに歌詞がつけられて、数々のボーカリストに取り上げられていますが、北欧のジャズシンガーでビル・エヴァンスとも共演しているこのモニカ・ゼタールンド(Monica Zetterlund)のヴァージョンが有名。
モニカ・ゼタールンドは、映画「ストックホルムでワルツを」のモデルとなった人。
ビル・エヴァンスはトニー・ベネット(Tony Bennett)とデュオのアルバムも残していて、そこでも「ワルツ・フォー・デビー(Waltz for Debby)」を録音しています。
モニカ・ゼタールンド(Monica Zetterlund)と共演したアルバム「ワルツ・フォー・デビイ(Waltz for Debby)」と、トニー・ベネット(Tony Bennett)と共演した「トニー・ベネット/ビル・エヴァンス・アルバム(The Tony Bennett/Bill Evans Album)」については、こちらに書きました。
そのほかのビル・エヴァンスが作曲した曲
・ピース・ピース(Peace Piece)
「ピース・ピース(Peace Piece)」はショパンの「子守歌57」をイメージして作られたと言われている曲。
・エピローグ(Epilogue)
1分にも満たない短い曲「エピローグ(Epilogue)」
・ブルー・イン・グリーン(Blue in Green)
マイルス・デイヴィス(Miles Davis)のアルバム「カインド・オブ・ブルー(Kind of Blue)」に収録された「ブルー・イン・グリーン(Blue in Green)」
当初はマイルス・デイヴィスの作とされていましたが、昨今ではマイルスとエヴァンスの共作、あるいはビル・エヴァンスの作ということになっています。
・ペリズ・スコープ(Peri’s Scope)
「ペリズ・スコープ(Peri’s Scope)」はビル・エヴァンスの彼女、ぺりさんに「私の名前の曲がない」と言われて、作った曲なのだとか。
(いいなあ。。。。
言ったら作ってもらえるのかあ。。。。)
・ワン・フォー・ヘレン(One for Helen)
「ワン・フォー・ヘレン(One for Helen)」
・ザ・トゥ・ロンリー・ピープル(The Two Lonely People)
長年内縁関係にあったエレンと、うまくいっていない時期に書かれた曲なのだとか。
この「ザ・トゥ・ロンリー・ピープル(The Two Lonely People)」、軽快にスイングする曲なのですが、どこかもの悲しさがつきまとう感じがします。
まるでエレインとビル・エヴァンスの行く末を案じするかのような、せつない曲。
エレインとビル・エヴァンスの悲しい結末については、こちらでふれています。
・タイム・リメンバード(Time remembered)
同名のビル・エヴァンスのドキュメンタリー映画も公開されました。
麻薬中毒に焦点を当てた、悲しく描かれた映画だと嫌だなあと思って見に行かなかったのですが、見に行った人たちは、軒並み「よかった」と言ってます。
見に行けばよかった。。。。
・ファンカレロ(Funkallero)
ビ・エヴァンスは美しいバラードばかり作ったわけではありません。
「ファンカレロ(Funkallero)」というアップテンポの曲もあります。
「ファンカレロ(Funkallero)」はスタン・ゲッツ(Stan Getz)とのデュオのアルバムでは、テンポを上げて、より軽快さをアップさせています。
「ファンカレロ(Funkallero)」を収録したスタン・ゲッツ(Stan Getz)とのデュオのアルバム「スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス(Stan Getz & Bill Evans)」については、こちらに書いています。
・ファイヴ(Five)
1小節おきに4拍5連が出てきて、しばらくすると3拍4連も出てきたりと、変拍子がてんこ盛りのずごい曲。
一瞬「セロニアス・モンク(Thelonious Monk)の曲?」とも思ってしまいましたが、ビル・エヴァンスの作。
・ヴェリー・アーリイ(Very Early)
ビル・エヴァンスは音楽を専攻した大学時代に、この曲を作曲したそうです。
これらのほかにもビル・エヴァンスはたくさんの曲を残しています。
紹介していると、きりがないくらい。
でもそういうのを発掘していくのも、ジャズの喜びだったりもします。
ビル・エヴァンスの美しい演奏を堪能できるおすすめの曲
ビル・エヴァンスが作った曲ではないのですが、ビル・エヴァンスの名演奏を堪能できる曲の紹介です。
・イスラエル(Israel)
「イスラエル(Israel)」はずばり、ユダヤの国、イスラエルのこと。
自身もユダヤ系のジョン・キャリシ(Johnny Carisi)の作。
・エミリー(Emily)
「エミリー(Emily)」は大好きな曲の1つ。ビル・エヴァンスのピアノの美しさに、心のコリもほぐれます。
・枯葉(Autumn Leaves)
ビル・エヴァンスの「枯葉(Autumn Leaves)」の演奏は有名で、印象的なイントロも超有名。
ちなみに、「枯葉(Autumn Leaves)」はキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)名義アルバムでの、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)が演奏したバージョンのイントロも有名。
(こっちのほうが、ひょっとしたら有名かも)
・マイ・ファニー・ヴァレンタイン(My Funny Valentine)
ギターのジム・ホールとデュオでアルバムを2枚レコーディングしていて、そのうちの「アンダーカレント(Undercurrent)」が私のお気に入り。
そしてそのアルバムの中でも、このアップテンポの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン(My Funny Valentine)」が特にお気に入り。
その「アンダーカレント(Undercurrent)」については、こちらに書いています。
・ナルディス(Nardis)
この「ナルディス(Nardis)」はずっとビル・エヴァンスの曲だと思っていたのですが、マイルス・デイヴィスの曲なんだそうです。
・スパルタカス愛のテーマ(Love Theme from “Spartacus”)
映画音楽をビル・エヴァンスがカヴァーすると、こんな感じ。
オリジナルはこちら。
・ピーコック(The Peacocks)
こういう美しい曲を弾かせたら、ビル・エヴァンスの右に出るものはない!と思ってしまいます。
そう思っていたら、同じ曲をスタン・ゲッツ(Stan Getz) をフィーチャーして演奏。
スタン・ゲッツ(Stan Getz) のサックスで奏でられるこの曲も素敵。
・ワット・アー・ユー・ドゥーイング・ザ・レスト・
こちらはビル・エヴァンスにしてはめずらしく?オーケストラをバックにフェンダーとピアノを弾いています。
「あなたの人生のどんな場面にも立ち会いたい」という趣旨の歌詞がついているこの歌も、オーケストラをバックにしてフェンダーやピアノで演奏すると、スケールの大きい感じの曲に。
・いつか王子様が(Someday My Prince Will Come)
馬に乗った王子様がギャロップで近づいてくる感じ。
・ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング(You Must Believe in Spring)
「ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング(You Must Believe in Spring)」は、初めて聴いたとき、不覚にも涙が出てしまいました。
年を取って涙腺がもろくなっているせいかもしれませんが。
なんだろう。
この演奏に、心の奥のほうを刺激されるというか、慰めされるというか。
曲自体も美しいのですが、ビル・エヴァンスの演奏で、その美しさがさらに倍増。
ビル・エヴァンス(Bill Evans)の生涯や来日時のエピソードなどは、こちらに書きました。
ビル・エヴァンスの名盤のご紹介はこちら。
(前編)
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