ミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani 1962年~1999年)はフランス生まれのジャズピアニスト。
彼は生まれつき骨がもろく、それに伴う内臓疾患もかかえており、身長は1メートルほどでしたが、その小さなからだで力強いピアノを演奏しました。
ヨーロッパ人として初めてジャズの名門レーベル、ブルーノートと契約。
36歳という短い生涯で、数々の名演を残しました。
そんなミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petruccian)のドキュメンタリー映画「情熱のピアニズム(Michel Petrucciani/Body and Soul)」が2012年に公開されました。
「情熱のピアニズム(Michel Petrucciani/Body and Soul)」はU-NEXTで配信されているようです。
(2024年5月の時点での情報です。配信状況は変わることがあるので公式ホームページなどでご確認ください)
予告編はこちら。
ミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petruccian)の家族、付き合った女性たち、彼の息子、音楽仲間などの証言や、彼の貴重な演奏シーンの映像など、彼の実情にせまる、見ごたえのある映画です。
ミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani)の生涯についてはこちらに書きました。
彼の人間臭さに魅了される映画
ミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petruccian)の幼少期から亡くなるまでの、貴重な写真、映像、関係者の証言などで構成されています。
小さなからだで、エネルギッシュに生きた彼の姿に圧倒されます。
実際には36歳まで生きましたが、医者には20歳まで生きられないと言われていました。
そのためミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petruccian)は自分の障害のことや世間体など、余計なことを気にせず、やりたいこと、すべきことにまい進していったのかもしれません。
とにかく精力的に、遠慮なく、したいことをしていたように見えます。
恋愛にしても、ミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petruccian)は気になる女性がいたら、遠慮なく積極的にアプローチ。
そして冷めたら、さっさと去っていく。
5人の女性と付き合ったといいます。
女性から見れば、とんでもない男です。
ど厚かましい人!と思うのですが、映画で見る限り憎めません。
彼の力強い演奏は、いろんなものをふっきったから?
自分の障害のこと、長くは生きられないこと。
そんなこと、考えだしたら落ち込まずにはいられないし、不安や心配に押しつぶされても不思議はないと思います。
でもミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petruccian)は短くしか生きられないから、生きられるうちは精一杯生きようと思ったのではないでしょうか。
前向きに生きていこうと思えば、そういった様々な心配、不安、家族や関係者たちの思惑なども吹っ切らないと生きていけなかったのだと思います。
もしかしたら生きていくのに必死で、女性との関係を持続させる努力までは余力がなかったのかなあと思いました。
マインド的には、そう思います。
技術的なことでは、彼は手首で弾いていたのでタッチがとても強かったとも言われています。
映画を見るとミシェル・ペトルチアーニの演奏が身近に
ミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petruccian)の小さなからだから紡ぎ出される、スケールの大きな演奏。
力強いタッチ。
演奏中に、時々見せる茶目っ気。
映画を見ると、その陰にあるもの、負の面などのミシェル・ペトルチアーニ(Michel Petruccian)の人間臭さを垣間見れて、ますます彼が愛おしくなります。
彼は、間違いなく、愛すべきジャズメンの1人です。
このドキュメンタリー映画は、ミシェル・ペトルチアーニの障害を全面に打ち出したお涙ちょうだいな映画ではありません。
彼のいい面も悪い面も冷静に映し出していて、そこが好感が持てました。
とにかく憎めない人です。
ミシェル・ペトルチアーニについて詳しいことは、こちらに書いています。