テナーサックス奏者ジョン・コルトレーン(John Coltrane 1926年~1967年)は、下積み時代が長かったので、ジャズの表舞台で活躍したのは、わずか10年ほどの短い期間でした。
(下積みというか、コルトレーンの場合、キャリアの初期のころは麻薬&深酒の悪習が仕事に影響していてあまり活躍できなかったようです)
コルトレーンがすごいのは、この10年間の間に数々の名盤アルバムと、業績を残したということ。
そんな下積み時代が長かった苦労人、ジョン・コルトレーンが残した名言です。
思わずクスっと笑ってしまうような、本音が漏れたものや、深遠で考えさせられるものもありました。
ジョン・コルトレーンの名言
ジョン・コルトレーンの言葉がいくつか残っています。
その中から興味深いものをピックアップしました。
「みんな、正直になろう。スタンみたいに吹けるのならば、吹きたいだろう?」
ジョン・コルトレーンがジャズに残した功績は大きいし、ジャズの重鎮、レジェンドとしての地位も高く、ジャズを本当に愛する人たちには人気が高いのですが、大衆受けするタイプのミュージシャンではありません。
対してスタン・ゲッツ(Stan Getz)は、同じテナーサックス奏者でも、早くから人気が出て、ジャズにボサノヴァを取り入れるなどしてポップスファンをも取り込んだりと、売れに売れまくっていました。
そのスタン・ゲッツ(Stan Getz)に対しての、ジョン・コルトレーンの率直な言葉です。
「 言葉を超越した音楽という言語で神というものを指し示したい。人々の魂に語りかけたいんだ」
「 僕の目標は神聖な暮らしを送り、音楽を通してそれを表現していくこと」
「僕は善を創り出すエネルギー源でありたい」
とも言っていて、聖人になりたいとも言っていたそうです。
「ルールなんてクソ喰らえだね、気持ちが大事なんだよ。とにかくソロ・パートで12節演奏すればいいんだ」
ときどき見かけるのですが、アマチュアのジャズメンや、にわかジャズファンのしったかぶりさんたちが、よく他人の演奏について訳知り顔で
「あれはいけない」
「こうするべきだ」
なんて感じの批評家気取りで、他人の演奏を全否定するような言い方をして
「俺(私)はジャズを深く理解している」
と勘違いして、まわりにそれをアピールしたりされてますが。
ビバップやクールジャズは、それまでジャズでタブーとされていたことを演奏して生まれました。
ジャズに本当に詳しいことは、そういう歴史も知っているはず。
私は他人の演奏を全否定している人を見ると
「ああ。ジャズのそんな初歩的な歴史も知らない人だ。
知らないくせに、自分はジャズに詳しい、ジャズを理解していると勘違いしているんだなあ」
と毎回思います(笑)
私が知っている、一流のジャズメンや本当にジャズを知っている人は
「あれ?!」
と思ったときでも
「こうしたほうがいいと思うんやけどなあ。」
とやんわり控えめな言い方をされているように思います。
(それでもたまに、ばっさり言われるときは、ばっさり言われますが(笑))
ジョン・コルトレーンの生涯については、こちらに書きました。
(上巻)生い立ち~軍隊に入る~ビバップの巨匠たちとの交流まで
(中巻)マイルスのバンドに加入するもクビになり、麻薬を断って再加入するまで
(下巻)名演「My Favorite Things」誕生~フリージャズ~晩年まで
ジョン・コルトレーンの名盤のご紹介はこちら。
(初級&中級編)
(上級編)
ジョン・コルトレーンがサイドマンで参加したアルバムのご紹介はこちら。