低音で優しく語りかけるように歌う、男性ジャズシンガー、ケビン・マホガニー(Kevin Mahogany 1958年~2017年)は、私のお気に入りのジャズボーカリストの1人です。
低音の魅力、バリトンヴォイスの男性ボーカルは、数え上げるときりがありません。
ビリー・エクスタイン(Billy Eckstine)、ジョー・ウィリアムス(Joe Williams)、ジョニー・ハートマン(Johnny Hartman) 、アンディ・ベイ(Andy Bey)などなど。
低音のバリトンヴォイスのジャズシンガーの多いこと。
それだけ、バリトンヴォイスに魅了される人が多いということでしょうか。
実は私も、男性シンガーのバリトンヴォイスにぞっこんな1人。
力強く男らしいバリトンもいいですし、ケビン・マホガニーのように優しいバリトンヴォイスにも癒されます。
ケビン・マホガニーのおすすめアルバム
ケビン・マホガニーのアルバムの中から、特におすすめな名盤をご紹介します。
ケビン・マホガニー(Kevin Mahogany)1996年
その名もずばり、ご本人の名前をアルバムタイトルにした「ケビン・マホガニー(Kevin Mahogany)」
私はこのアルバムで、ケビン・マホガニーを知ったのですが、名前をアルバムタイトルにするだけあって、ケビン・マホガニーらしさが十分に堪能できるアルバムだと思います。
優しく語りかけるようなヴォーカル、ときにソウルっぽかったり、ブルースのテイストも織り交ぜながら、しっかり洗練されたジャズになっているという感じ。
ケビン・マホガニーの入門編としても、おすすめしたいアルバムです。
(↓Spotifyに登録すれば(無料でも可)フル再生できます)
メンバーは、ヴォーカルのケビン・マホガニー(Kevin Mahogany)、ピアノはジェームス・ワイドマン(James Weidman)で6曲目とオルガンはラリー・ゴールディングス(Larry Goldings)、ベースはロドニー・ウィテカー(Rodney Whitaker)、ギターはピーター・バーンスタイン(Peter Bernstein)、ドラムはグレゴリー・ハッチンソン(Gregory Hutchinson)、パーカッションはバシリ・ジョンソン(Bashiri Johnson)
マイ・ロマンス(My Romance)1998年
先にご紹介したアルバム「ケビン・マホガニー(Kevin Mahogany)」より、さらにスイートに、せつない感じになったのが「マイ・ロマンス(My Romance)」
ジャズのスタンダード曲が中心ですが、「ドント・レット・ミー・ビー・ロンリー・トゥナイト(Don’t Let Me Be Lonely Tonight)」なんていう曲も収録されていて、アルバム全体にロマンティックな雰囲気が漂います。
ピアノがボブ・ジェームス(Bob James)で、全体的に、作りこみすぎないくらいの、自然で気の利いたアレンジが心地よいです。
秋の夜長に、昔の甘い恋の思い出などを思い出しながら聴くのはいかがでしょうか。
メンバーは、ヴォーカルのケビン・マホガニー(Kevin Mahogany)、ベースのチャールズ・ファンブロー(Charles Fambrough)、ドラムのビリー・キルソン(Billy Kilson)
ピアノはあのボブ・ジェームス(Bob James)!、テナーサックスは1,3,5,8曲目がカーク・ウェイラム(Kirk Whalum)で4,7曲目があのマイケル・ブレッカー(Michael Brecker)!
その他ストリングスも入ってます。
ザ・ウィーン・アフェア(The Vienna Affair )2015年
「スイートなんはええねん。ガツンとしたんが聴きたいねん」
というかたにオススメしたいのが「ザ・ウィーン・アフェア(The Vienne Affair)」
ケビン・マホガニーがオーストリアのウィーンで、現地のミュージシャンたちと録音したアルバムです。
ここでのケビン・マホガニーは、男臭く力強い感じ。
若干ブルース色が強めな曲もあって、でも全体的に骨太ジャズといった感じです。
ケビン・マホガニーは2017年に59歳で糖尿病によって亡くなりますが、これはその2年前に録音されたもの。
でも体調の悪さなどみじんも感じさせません。
3曲目のトニー・ベネット(Tony Bennett)やマイケル・ブルーレ(Michael Buble)について歌った「マイ・ニュー・フレンド(My New Friend)」や、ケニー・バロン(Kenny Barron) の美しいボサ作曲「ジョアン・ジュリア(Joanne Julia)」、ジャズギタリストのデイブストライカー(Dave Stryker)の「スチームイン・グリーン(Steamin’ Greens)」に歌詞をつけて歌ったりと、選曲も楽しいものになっています。
メンバーは、ヴォーカルのケビン・マホガニー(Kevin Mahogany)、ベースのジョシュコ・シュニーバーガー(Joschko Schneeberger)、ドラムの(Mario Gonzi)、ギターのマーティン・スピッツァー(Martin Spitzer)、ピアノのアーウィン・シュミット(Erwin Schmidt) と、ケビン・マホガニー以外はすべてオーストリアのミュージシャン。
59歳という若さで亡くなってしまったケビン・マホガニー。
歳をとってからの彼も、きっといい歌を歌ったと思うので、早すぎる死は残念でなりません。
優しいソフルフルなジャズは、あたたかい気持ちにさせてくれます。