無邪気なタッチとクセになる不協和音 セロニアス・モンクの有名曲

セロニアス・モンク(Thelonious Monk 、1917年~1982年)は優れたジャズピアニストであるだけでなく、コンポーザーとしての才能にも恵まれ、今でも多くの人たちに愛され、演奏されている曲をたくさん残しています。

そんなセロニアス・モンクの名曲や、有名な曲をご紹介します。

 

セロニアス・モンクの名盤のご紹介はこちら。

無邪気なタッチとクセになる不協和音 セロニアス・モンクの名盤
セロニアス・モンク(Thelonious  Monk、1917年~1982年)の名盤&おすすめアルバムです。名盤すべては紹介しきれませんが、特に有名と思われる5枚をご紹介しています。
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セロニアス・モンクの有名曲&名曲

ラウンド・ミッドナイト(’Round Midnight)

セロニアス・モンクは多くの曲を作曲していますが、何といってもこの「ラウンド・ミッドナイト(’Round Midnight)」が一番有名だと思います。この曲はセロニアス・モンクとクーティ・ウイリアムス(Cootie Williams)との共作。

ストレート・ノー・チェイサー(Straight, No Chaser)

「ラウンド・ミッドナイト(’Round Midnight)」の次に、よく演奏されているのはこの「ストレート・ノー・チェイサー(Straight, No Chaser)」のように思います。

「ストレート・ノー・チェイサー(Straight, No Chaser)」は、バーボンやウィスキーなんかを注文するときの「(水割りじゃなくて)ストレートで」という感じ。

チェイサーはバーボンやウィスキーをストレートのロックでオーダーすると、ついてくるのお水のこと。

「ストレートのロックでちょうだい。チェイサーはいらない」

って感じ。

アイ・ミーン・ユー(I Mean You)

この「アイ・ミーン・ユー(I Mean You)」は、普通にビバップのスタンダート曲と思っていたら、セロニアス・モンクとコールマン・ホーキンズ(Coleman Hawkins)の共作でした。

この「アイ・ミーン・ユー(I Mean You)」のヴォーカル版だと、私はソウルシンガーで、一時はディスコミュージック界でも活躍していたチャカ・カーン(Chaka Khan)」のバージョンが好きです。

彼女の声の質や、歌い方が、この曲にとてもマッチしているように思います。

ブルーモンク(Blue Monk)

「ブルーモンク(Blue Monk)」もよく演奏されている感じです。

この「ブルーモンク(Blue Monk)」は、シンガーもよく取り上げていますが、アビー・リンカーン(Abbey Lincoln) はぐっとテンポを落として、カントリーミュージック風に変身させました。

カーメン・マクレエは、全曲セロニアス・モンクの曲を歌うというアルバム「カーメン・シングス・モンク(Carmen Sings Monk)」で、この「ブルーモンク(Blue Monk)」を歌っています。

ただし著作権の関係で曲名は「モンクリィ・ブルース(Monkery’s the Blues)」に変更されています。

カーメン・マクレエがセロニアス・モンクに捧げたアルバム「カーメン・シングス・モンク(Carmen Sings Monk)」については、こちらに書いています。

本格派ジャズシンガー カーメン・マクレエの名盤アルバム【番外編】
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ルビー、マイ、ディア(Ruby, My Dear)

この曲も、いろんなジャズメンにカヴァーされています。

そしてセロニアス・モンクが演奏する「ルビー、マイ、ディア(Ruby, My Dear)」には2バージョンあって、こちらはセロニアス・モンクのソロピアノのバージョン。

こちらはジョン・コルトレーン(John Coltrane)と一緒に録音したバージョンの「ルビー、マイ、ディア(Ruby, My Dear)」です。

ちなみに、こちらはロイーハーグローヴ(Roy Hargrove)のアルバムに収録されているヴァージョン。

ロイーハーグローヴ(Roy Hargrove)のトランペットと、アントニオ・ハート(Antonio Hart)のアルトサックスの2管で演奏される「ルビー、マイ、ディア(Ruby, My Dear)」。 

「ルビー、マイ、ディア(Ruby, My Dear)」はのちに歌詞もついて、カーメン・マクレエ(Carmen McRae)が歌ったりしています。

(これも「カーメン・シングス・モンク(Carmen Sings Monk)」に収録されていて、著作権の関係で「ディア・ルビー(Dear Ruby)」と曲名が変更されています)

ウェル・ユー・ニードント(Well, You Needn’t)

「ウェル・ユー・ニードント(Well, You Needn’t)」も、隠れた名曲的な位置で、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)をはじめ、いろんな人に演奏されています。

ピアニスト兼ボーカルのジェイミー・カラム(Jamie CullumI)は「ウェル・ユー・ニードント(Well, You Needn’t)」を歌ってます。

やんちゃなジェイミー・カラムのイメージにぴったり。

他にも

「ミステリオーソ(Misterioso)」、「モンクス・ムード(Monk’s Mood)」、「オフ・マイナー(Off Minor)」、「52番街のテーマ(52nd Street Theme)」などなど。

数限りなく、セロニアス・モンクの曲は、いろんな人に演奏されています。

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セロニアス・モンクの名曲(番外編)

セロニアス・モンクの作曲ではないのですが、個人的におもしろいなと思ったものを。

ダイナ(Dinah)

1925年に作られた、とても古いポップス曲「ダイナ(Dinah)」なんて曲も、セロニアス・モンクは演奏しています。

日本でも、1934年(昭和9年)にディック・ミネさんがカヴァーしてはやらせました。

この歌は替え歌にしやすい曲なのか、その昔エノケンこと榎本健一さんも替え歌で歌ってましたが、覆面の忌野清志郎がバレバレながらも他人をよそおって組んでたバンド、ザ・タイマーズでも「ダイナ(嫌煙のダンナ)」と替え歌にしてます。

荒城の月

セロニアス・モンクはなんと、日本の曲、「荒城の月」を「Japanese Folk Song」というタイトルで録音しています。日本での来日公演の際にプレゼントされたオルゴールの「荒城の月」のメロディを、モンクが気に入ったのだとか。

「荒城の月」は本来、こんな感じの曲です。1901年(明治34年)滝廉太郎が作曲しました。日本で初めて作曲された西洋音楽。

他にもいろいろありますが、紹介しきれません。

 

セロニアス・モンクを初めて聴いたときは

「アクが強い!」

とちょっと胸やけしましたが、時間を置いてときどき聞き直しているうちに、そのアクがクセになってはまってしまいました。

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セロニアス・モンクの生涯については、こちらに書きました。

前編(幼少時~マイルス・デイヴィスとの喧嘩セッションまで)

その独特さがクセになる セロニアス・モンクの生涯(前編)
セロニアス・モンク(Thelonious  Monk 1917年~1982年)の生涯(前編)です。幼少期~マイルス・デイヴィスとの喧嘩セッションまでを書きました。

後編(ニカに出会ってから晩年まで)

その独特さがクセになる セロニアス・モンクの生涯(後編)
セロニアス・モンク(Thelonious  Monk 1917年~1982年)の生涯、後編(ニカに出会ってから晩年まで)です。音楽活動が活発化するいっぽう、双極性障害で徐々に精神状態が悪くなり、晩年の6年間はピアノに触れることもできなくなりました。

セロニアス・モンクの名盤のご紹介はこちら。

無邪気なタッチとクセになる不協和音 セロニアス・モンクの名盤
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