「イッツ・オンリー・ア・ペーパー・ムーン(It’s Only a Paper Moon)」
スタンダードナンバーで、その素直な感じの曲調のせいか、とりあげられることが多い曲の1つです。
数々のバージョンの中から、インストものの聴き比べです。
歌もののペーパー・ムーンの聴き比べは、こちらをご参照ください。
マイルス・デイヴィス(Miles Davis)とソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)のペーパー・ムーンは、どことなくクールな感じ。
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ケニー・ドリュー(Kenny Drew)はアップテンポで聴かせます。
アート・テイタム(Art Tatum)はピアノ1本のソロピアノ。
(当時は、ピアノトリオという形態はまだなくて、オーケストラの中か、ソロピアノしかピアノを演奏する形態はなかったから、ソロピアノ)
その卓越した技で聴く者をうならせます。
ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)のペーパー・ムーンは、曲が進むにつれハービー色が濃くなります。
こういう奏者の個性が色濃く出る演奏は、心躍ります。
しかも、ハービー・ハンコックのようなつわものが、スタンダード曲を演奏すると
「おっ!」
と注目してしまいます。
あまりないことだし。
ニューヨーク・トリオ(New York Trio)はゆったりと、バラードでバースから奏でます。
無邪気で楽しいイメージの「イッツ・オンリー・ア・ペーパー・ムーン(It’s Only a Paper Moon)」を、こんなに美しいバラードにするなんて。
これも匠の技といった感じ。
ジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt )はアップテンポのジプシージャズ。
何度聴いても、やけどの後遺症で左手の指3本だけで弾いているとは思えない!
アール・クルー(Earl Klugh)はギター1本で、ほっこり系のペーパー・ムーン。
ビリー・ホリデイ(Billie Holiday)と仲良しだったレスター・ヤング(Lester Young)のペーパー・ムーンはワンコーラス目からちょっとフェイクが入ってます。
エディ・ジェファーソン(Eddie Jefferson)の歌は、このレスター・ヤングの演奏にとてもよく似ています。
レスター・ヤングの演奏とちょっと似てる感じの、エディ・ジェファーソンのペーパー・ムーンは、ボーカル編をご参照ください。
ヴォーカリーズ風になってて、おもしろいです。
レスター・ヤングの演奏とちょっと似てる感じの、エディ・ジェファーソンのペーパー・ムーンは、ボーカル編はこちら。