甘くソフトな歌声で思わずホレてしまいそうなヴォーカルを聴かせ、そのいっぽうで実はばりばりのトランペット吹きという、天は二物を与えてしまったという感じのチェット・ベイカー(Chet Baker 1929年~1988年)
アルコールと麻薬にどっぷりとつかった退廃的な生活のため、早くに老人のような風貌になってしまいましたが、若いときのチェット・ベイカーはかなりのイケメンでした。
コンサートのときには、若い女性のながーい列ができていたそうです。
そんなイケメンのジャズメンを、映画界がほおっておくわけがありません。
チェット・ベイカーは、なんと俳優として映画に出演していました!
今回はチェット・ベイカーが俳優として出演した映画を、ご紹介します。
チェット・ベイカーの生涯については、こちらに書きました。
チェット・ベイカーの名盤についてはこちら。
チェット・ベイカーが俳優として出演した映画
地獄の地平線(Hell’s Horizon)
「地獄の地平線(Hell’s Horizon)」1955年のアメリカ映画。
朝鮮戦争を描いた戦争映画です。
チェット・ベイカーの俳優としてのデビュー作。
チェット・ベイカーが演じるのは、ジョッキー(Jockey)というトランペットの演奏がうまい兵隊さん。
爆撃の際に、亡くなる役のようです。
戦争映画にチェット・ベイカー!
しかもちゃんとトランペットを吹かせるところがにくい!
でもチェット・ベイカーって16歳で学校を辞めて、アメリカ陸軍に入隊しているので、兵隊の役は上手にできたのかも。
(見てませんが)
ハウラー・インザドック(Howlers in the Dock)
ハウラー・インザドック(Howlers in the Dock イタリア語だとUrlatori alla sbarra)は、1960年公開映画で、なんとイタリア映画!
1960年というと、チェット・ベイカーがイタリアで、麻薬関連で服役していた時期。
その前後に撮影された映画でしょうか。
映画自体は、ミュージカル・コメディのようです。
チェット・ベイカーはそのまま「チェット」というアメリカ人の役。
(おいおい、そのままやんか!)
youtubeで確認したら、キスシーンもあって、ソフトな歌声も聴かせています。
おそらく吹替だと思うのですが、イタリア語を話すチェット・ベイカーでした。
コールド・トランペット(Cold Trumpet イタリア語だと Tromba Fredda)
「コールド・トランペット(Cold Trumpet イタリア語だとTromba Fredda)」は、チェット・ベイカーが主演した14分のショートフィルム。
こちらもイタリアの映像作家によるもの。
何度も言いますが、イタリアで服役してましたから。
シューレアリズム・フィルムといううりだけあって、なんとも不思議な映像の映画です。
トランペットも映像に合わせて、シュールな感じ。
チェット・ベイカーのドキュメンタリー映画「レッツ・ゲット・ロスト(Let’ Get Lost)」についてはこちらに書いています。
チェット・ベイカー、心配していたほど大根役者じゃなくてよかったです。
案外、演技が上手かも?