超早弾きでも力強いグルーヴはそのままの、現代における最高のベーシスト、クリスチャン・マクブライド(Christian Mcbride 1972年~)。
誰もがクリスチャン・マクブライドにベースを弾いてもらいたがる、ファースト・コール(スケジュールが空いてなければ、2番目、3番目の人に電話するから、最初に電話する相手のことを「ファースト・コール」と言います。売れていることの代名詞です)のベーシスト。
そんなクリスチャン・マクブライドの名盤、後編です。
(前編)はこちら。
クリスチャン・マクブライドの名盤(後編)
クリスチャン・マクブライドは、どのアルバムを聴いても超絶テクニックが聴けるので、どれでも名盤だとは思うのですが、それでもチョイスしてみました。
ゲティン・トゥ・イット(Gettin ‘to It)1995年
クリスチャン・マクブライドのデビューアルバム。
これ以前にもサイドマンで参加したアルバムはありましたが、クリスチャン・マクブライド名義のアルバムはこれが最初。
まだ初々しい演奏ですが、これが若干23歳の演奏とは、信じられません。
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メンバーは、トランペットのロイ・ハーグローヴ(Roy Hargrove)、テナーサックスのジョシュア・レッドマン(Joshua Redman)、トロンボーンのスティーブ・タール(Steve Turre)、ピアノのサイラス・チェスナット(Cyrus Chestnut)、ドラムのルイス・ナッシュ(Lewis Nash)、ベースのレイ・ブラウン(Ray Brown)とミルト・ヒントン(Milt Hinton)
ブリンギン・イット(Bringin’ It)2017年
私はビッグバンドやオーケストラが演奏するジャズに関しては
「ちょっとあかぬけない」
「オールドスタイルで古臭い」
という偏見を持っていましたが、この「ブリンギン・イット(Bringin’ It)」を聴いて
「ビッグバンド、ええやんか!」
と認識をあらたにしました。
メンバーは、トランペットのフランク・グリーン(Frank Greene)、フレディ・ヘンドリックス(Freddie Hendrix)、トロンボーンのマイケル・ディーズ(Michael Dease)、スティーヴ・デイヴィス(Steve Davis)、ピアノのザビエル・デイヴィス(Xavier Davis)、ドラムのクインシー・フィリップス(Quincy Phillips)などなど、その他大勢。
この「ブリンギン・イット(Bringin’ It)」で、クリスチャン・マクブライドはグラミー賞も受賞。
スタイリッシュで、ときどきファンクっぽくて、ご機嫌なビッグバンドです!
ファミリー・アフェアー(A Family Affair)1998年
この「ファミリー・アフェアー(A Family Affair)」は、選曲がおもしろい!
スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)の「サマー・ソフト(Summer Soft)」や、クール&ギャング(Kool&the Gang)の「オープン・セサミ(Open Sesame いわゆる『開け、ゴマ』の呪文)」といったディスコサウンドまで、幅広い選曲。
その中にクリスチャン・マクブライドのオリジナル曲も混ざっていますが、すべてマクブライド風に演奏されて、曲が変身しているので、違和感なし。
メンバーは、テナーサックスのティム・ワーフィールト(Tim Warfield)、キーボードのチャールズ・クレイグ(Charles Craig)、ギターのラッセル・マローン(Russell Malone)、ドラムのグレゴリー・ハッチンソン(Gregory Hutchinson)、パーカッションのムニャンゴ・ジャクソン(Munyungo Jackson)、ヴォーカルのウィル・ダウニング(Will Downing)とヴェスタ(Vesta)
ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード( Live at the Village Vanguard)2015年
多くのレジェンドたちが出演し、今でも名演奏が繰り広げられるニューヨークのジャズクラブ、ヴィレッジヴァンガード(Village Vanguard)でのライブ盤で、このアルバムをクリスチャン・マクブライドの名盤にあげる人も多いです。
6曲目の「チェロキー(Cherokee)」でのクリスチャン・マクブライドの演奏は、グラミー賞の最優秀インプロヴァイズド・ジャズ・ソロ(Best Improvised Jazz Solo)を受賞しました。
メンバーは、ドラムのユリシス・オーエンス(Ulysses Owens)、ピアノのクリスチャン・サンズ(Christian Sands)という、クリスチャン・マクブライドのレギュラーのトリオ。
一度生でクリスチャン・マクブライドの演奏を聞いたことがありますが、洗練されているけど、気取ったところはまったくなくて、洗練されているけど熱くて野性的。
とてもスリリングで、最初の1音から最後の1音まで、ドキドキしっぱなしでした!
クリスチャン・マクブライドのバイオグラフィーはこちら。
クリスチャン・マクブライドの名盤(前編)はこちら。
クリスチャン・マクブライドがサイドマンで参加したアルバムのご紹介はこちら。