日本とアメリカでは、ジャズのイメージも楽しみ方がちょっと違う!

以前、ジャズフェスの時期に合わせてジャズを聴きにニューヨークに遊びに行ったとき、ニューヨーク在住でジャズ事情に詳しい日本人のかたに聞いたのですが、日本人とアメリカ人とでは、ジャズに対して持っているイメージが、まったく違うのだとか。

話を聞くと、あまりにも日本とアメリカでは、ジャズのイメージが違うので、驚いてしまいました。

同じ音楽に対して、お国が違えば、こんなにイメージが違うとは。

スポンサーリンク
アメリカではジャズは、胡散臭い奴らの音楽というイメージ

これは、ひと昔前のアメリカのジャズメンにジャンキー、いわゆる麻薬中毒が多かったせい。

麻薬とは無縁の、まじめなジャズメンも多くいる一方で、チャーリー・パーカー(Charlie Parker)、 ビリー・ホリデイ(Billie Holiday)パド・パウエル(Bud Powell)など、その音楽業績とともに深刻な麻薬中毒者として名前をはせてしまったジャズメンも、数多くいました。

いったん麻薬中毒になってしまうと、クスリが切れると暴れたり、不機嫌になったり、感情の起伏が激しくまわりの人たちを困惑させました。

また常に薬にお金を使うので、日常的に金欠だった彼らは、クスリ代欲しさに窃盗や借金などを平気で繰り返しました。

そしてクスリをやると時間の感覚もなくなり、仕事に遅れたり、仕事をすっぽかしたり。

麻薬中毒が深刻化してくると、身だしなみにも気を使わなくなるので、ヨレヨレの服装で仕事に現れたり。

とにかく、胡散臭く見える人たちだったようです。

ジャズメンは紳士というイメージは日本だけ

日本ではジャズは紳士の音楽、大人が聞く音楽というイメージで、どちらかというと落ち着いた、大人っぽい、ちょっと小難しいイメージがあるかと思います。

その昔、ベーシストのロン・カーター(Ron Carter)が、日本の紳士服のスーツのCMに出演していたこともありました。

でもジャズメンは紳士、という漠然としたイメージは日本だけのもののようです。

だまって眉間にしわよせてジャズを聴くのも日本だけ

昔、日本にジャズ喫茶があったせいだと思うのですが、日本では、眉間にしわをよせて難しい顔をしてだまってジャズを聴いているイメージがあります。

それは日本だけのようです。

ニューヨークで、いくつもジャズのライブを見ましたが、たいていのお客さんはにこにこして、音楽に合わせてからだをゆらしたり、リズムをとったり、盛り上がってくくればステージに向かって歓声を上げたり、思い思いにただ楽しんでました。

ニューヨークでは、誰も小難しい顔で聴いていない感じ。

ニューヨークでは、演奏者もリスナーも、陽気に楽しくジャズを楽しんでました。

スポンサーリンク
実はアメリカではジャズはそんなに聴かれていない?

ジャズはアメリカが本場なので、当然アメリカ人は皆、ジャズを聴くのだろうと思っていたら、これが大間違い!

若い時、1年ほど、英会話の教室に通っていて、その時アメリカ人の20代の音楽好きの先生がいたので、ジャズの話をふってみたら、全然ジャズは聴かないのだとか。

日本では、有名な「ユー・ド・ビー・ソー・ナイス・カム・ホーム・トゥ(You’d Be So Nice To Come Home To)」や「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(Fly Me To The Moon)」も知らなくて、教えてあげたら

「きれいなメロディだね」

と言われて、

「逆輸入かよ」

と内心思ってしまいました(笑)

私は、アメリカではジャズは演歌くらいの感じかなあ、ちょっと古臭いって感じなのかなあ、とは思っていましたが、これにはびっくり。

だって日本人なら、そんなに演歌は好きじゃなくても、有名な演歌くらいならなんとなく耳にしたことはあるはず。

ジャズは、そんなふうに耳にもしないのかあと驚きでした。

とはいえ、ダイアナ・クラールはロック歌手なみに売れているらしい

2001年にニューヨークに行ったとき、ニューヨークのジャズ事情に詳しい人が言っていたのですが、とは言え、ダイアナ・クラール(Diana Krall)は

「ロック歌手みたいに売れてる。

ジャズではありえないこと」

と驚いておられました。

まあ、旦那さんがエルビス・コステロさんなので、エージェントやバックアップもあったのでしょうけど。

ダイアナ・クラールが売れた今はまた、事情が変わっているかもしれません。

スポンサーリンク

私は、小さい時に、たまたま音楽をいろいろ聴ける環境だったので、クラシック音楽も、洋楽も、ジャズも、ジャンル分けを知る前に、一緒くたに、ただ音楽として聴いていたので、ジャズに偏見も持たずによかったのだと思います。

モーツァルトも、ビートルズも、グレン・ミラーも、ぼんやりと人の名前か何かだと思っていて(実際、モーツァルトとグレン・ミラーは人名ですが)、小学校の高学年になるまで、バンドやオーケストラの存在も知りませんでしたから(笑)

後で、皆が「ジャズは難しい」というイメージを持っていると知って、

「難しいのもあるけど、楽しいジャズもあるやん」

と不思議に思いました。

まあ、音楽は「音を楽しむ」と書くのだから、小難しく考えずに、気軽に楽しんじゃえって思ってます。