テナーサックス奏者ジョン・コルトレーン(John Coltrane 1926年~1967年)がサイドマンとして参加した、他人名のアルバムのご紹介です。
ジョン・コルトレーンの名盤のご紹介はこちら。
初級&中級編
上級編
ジョン・コルトレーンがサイドマン(または共作)で参加したアルバム
ジョン・コルトレーンが共演者としも、サイドマンとしても、職人技を見せるということがわかる、ジョン・コルトレーンの単独名義ではないアルバムのご紹介です。
デューク・エリントン & ジョン・コルトレーン(Duke Ellington & John Coltrane)1962年
共演者が変わると、その演奏もちょっと雰囲気が変わるという。
デューク・エリントン(Duke Ellington)といえば、オールドスタイルのオーケストラジャズのイメージですが、そんな以外な組み合わせでのジョン・コルトレーン。
2人がお互いに起こした化学反応で、どちらもいつもとちょっと違う雰囲気で、そこがいいです。
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メンバーは、ピアノのデューク・エリントン(Duke Ellington)、ベースは1、4、5、7曲目がアーロン・ベル( Aaron Bell)、2、3、6曲目がジミー・ギャリソン(Jimmy Garrison)、ドラムは1、2、3、6曲目がエルビン・ジョーンズ(Elvin Jones)、4、5、7曲目がサム・ウッドヤード (Sam Woodyard)
ジョニー・ハートマン & ジョン・コルトレーン(John Coltrane and Johnny Hartman)1963年
サイドマンとしてのジョン・コルトレーンもすばらしいことがわかるアルバム。
ジョニー・ハートマン(Johnny Hartman)の低音ヴォイスと、ジョン・コルトレーンのテナーサックスの深い音色が作り出す大人の世界。
メンバーは、ヴォーカルのジョニー・ハートマン(Johnny Hartman)、ピアノのマッコイ・タイナー(McCoy Tyner)、ベースのジミー・ギャリソン(Jimmy Garrison)、ドラムのエルヴィン・ジョーンズ (Elvin Jones)
ジョニー・ハートマンの野太いバリトンヴォイスと、ジョン・コルトレーンのクールなテナーサックスは、よく合うように思います。
じっくり聴きたい大人のジャズです。
ケニー・バレル & ジョン・コルトレーン( Burrell & John Coltrane )1963年
「ジョン・コルトレーンは難解」というイメージを持っている人に、ぜひおすすめしたいアルバム。
ここでのコルトレーンに難解さはありません。
ただただ、ご機嫌なジャズ。
そしてコルトレーンの、バシっと決まったクールさは健在。
ギターがケニー・バレル(Kenny Burrell)、ピアノがトミー・フラナガン(Tommy Flanagan)、
ベースはポール・チェンバース(Paul Chambers)、ドラムはジミー・コブ(Jimmy Cobb)
トミー・フラナガン(Tommy Flanagan)のノリノリのピアノと、ジミー・コブ(Jimmy Cobb)のイケイケなドラムが、思わずうきうきするようなグルーブを生み出してます。
相手によって雰囲気を変えながら、でも底辺にはしっかりジョン・コルトレーンの雰囲気が流れているといった感じ。
セロニアス・モンク & ジョン・コルトレーン( Thelonious Monk With John Coltrane)1961年
一時期ジャンキーだったコルトレーン。
薬物中毒の影響で欠席、遅刻しまくりのコルトレーンが、楽屋で気の短いマイルス・デイヴィス(Miles Davis)に激怒され殴られているのを見かねたセロニアス・モンク(Thelonious Monk)が、マイルスのバンドからコルトレーンをひきとろうとしたら、コルトレーンは申し訳なく思っていったん故郷に帰って薬断ちしてクリーンになってもどってきたそう。
コルトレーンが参加したセロニアス・モンクのバンドは評判を呼び、マイルスもたびたび見にきたのだとか。
そしてマイルスは再度、コルトレーンを誘って「カインド・オブ・ブルー(Kind of Blue)」を録音。
セロニアス・モンクは、コルトレーンの救世主と言ってもいいのではないでしょうか。
メンバーは、ピアノのセロニアス・モンク(Thelonious Monk)、トランペットで3、5曲目に参加のレイ・コープランド(Ray Copeland)、アルトサックスで3、5曲目に参加のジジ・グライス(Gigi Gryce)、テナーサックスで3、5曲目に参加の コールマン・ホーキンズ(Coleman Hawkins)、ベースはウィルバー・ウェア(Wilbur Ware)、ドラムは1、2、4曲目がシャドー・ウィルソン(Shadow Wilson)、それ以外はアートブレイキー(Art Blakey)
個人的には、最初
「えっ?モンクとコルトレーン?!」
と意外な組み合わせに驚きましたが、聴いてみれば違和感なし。
カインド・オブ・ブルー(Kind of Blue)
言わずと知れたマイルス・デイヴィス(Miles Davis)の超有名アルバム。
一度はマイルスのバンドをクビになったジョン・コルトレーンが、クスリを断ってクリーンになり、戻ってきて再び参加したのが、この「カインド・オブ・ブルー(Kind Of Blue)」
メンバーはアルトサックスのキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)、ピアノが2曲目以外はビル・エヴァンス(Bill Evans)、2曲目だけウィントン・ケリー(Wynton Kelly)、ベースはポール・チェンバース (Paul Chambers)、ドラムはジミー・コブ(Jimmy Cobb)
以上、ジョン・コルトレーンがサイドマンで参加したアルバムと、共著のアルバムのご紹介でした。
ジョン・コルトレーンの場合、共演者と個性のぶつかり合いというより、お互いの個性を混ぜあって新しいものを作り出す感じがします。
ジョン・コルトレーンの名盤のご紹介はこちら。
初級&中級編
上級編
ジョンコルトレーンの生涯については、こちらに書きました。
(上巻)生い立ち~軍隊に入る~ビバップの巨匠たちとの交流まで
(中巻)マイルスのバンドに加入するもクビになり、麻薬を断って再加入するまで
(下巻)名演「My Favorite Things」誕生~フリージャズ~晩年まで
ジョン・コルトレーンの名言はこちら。