今も長生き中のソニー・ロリンズ(Sonny Rollins 1930年~)は、活動期間が長いだけあって名盤が多い!
どれか1枚だけ、という感じなら「サキソフォン・コロッサス(Saxophone Colossus)」で決まりだと思うのですが、その次に聞くのは?となると、人によって意見が分かれそうなところ。
またソニー・ロリンズの名盤と人気が高いものは、初期のものに集中していますが、実は中期、後期にも隠れた名盤があります。
ソニー・ロリンズの有名曲&おすすめ曲はこちらに書きました。
ソニー・ロリンズの名盤(上巻)
年代別でなく、たぶんこれが有名だと思うものから順番に並べました。
私の好みが反映されているかもしれませんが。。。。
サキソフォン・コロッサス(Saxophone Colossus)1956年
もし1枚だけ選ぶなら、間違いなくこのアルバム。
発表当時から絶賛され続け、現代でもソニー・ロリンズの代表作となっています。
収録されている「セント・トーマス(St.Thomas)」の他にも、人気の高いソニー・ロリンズ作の「ストロード・ロード -(Strode Rode)」と「ブルー・セヴン ( Blue Seven)」、マック・ザ・ナイフの原曲「モリタット(Moritat)」も収録されていて、ソニー・ロリンズ特有の明るさに満ちた演奏を聴くことができます。
メンバーはピアノのトミー・フラナガン(Tommy Flanagan)、ベースのダグ・ワトキンス( Doug Watkins )、ドラムのマックス・ローチ(Max Roach)。
テナーマッドネス(Tenor Madness) 1956年
マイルス・デイヴィスのバンドのメンバーと録音したアルバム。
1曲目のタイトル曲「テナーマッドネス(Tenor Madness)」ではジョン・コルトレーン(John Coltrane) がゲスト参加。
ソニー・ロリンズとジョン・コルトレーン(John Coltrane) の公式での共演は、この曲のみなので貴重な1曲。
メンバーはマイルス・デイヴィス(Miles Davis)のマラソン・セッション(マイルスがレコード会社を移籍するときに前のレコード会社の契約が残っていたので、2日間で4枚分のアルバムを録音した)を終えたばかりのメンバーで、ピアノのレッド・ガーランド(Red Garland)、ベースのポール・チェンバース(Paul Chambers)、ドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズ(Philly Joe Jones )、テナーサックスのジョン・コルトレーン(John Coltrane)
ニュークス・タイム(Newk’s Time)1958年
ソニー・ロリンズは、野球選手のドン・ニューカムに似ていたので「ニューク(Newk)」と呼ばれることがありました。
それにちなんでドン・ニューカムに捧げられたアルバム。
メンバーは、ピアノのウィントン・ケリー(Wynton Kelly)、ベースのダグ・ワトキンス(Doug Watkins)、ドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズ(Philly Joe Jones)、そしてソニー・ロリンズ。
4曲目の「飾りのついた四輪馬車(The Surrey With The Fringe On Top)」はサックスとドラムだけで演奏しています。
また5曲目の「ブルース・フォー・フィリー・ジョー(Blues for Philly Joe)」はドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズ(Philly Joe Jones)に捧げられた自作曲。
ヴィレッジ・ヴァンガードの夜(A Night At The “Village Vanguard” )1957年
このアルバムを選ぶか、同じ年にリリースされた「ウェイ・アウト・ウエスト(Way Out West)」のほうを選ぶか、悩ましいところなのですが。
「ヴィレッジ・ヴァンガードの夜(A Night At The “Village Vanguard” )」も「ウェイ・アウト・ウエスト(Way Out West)」も、ベース、ドラム、サックスのトリオで、ピアノやギターなどのコード(和音)を弾く楽器はなしという編成です。
ソニー・ロリンズにとっても、ヴィレッジ・ヴァンガード(Village Vanguard)にとっても初のライブレコーディングという記念すべきアルバムなので、こちらを選びました。
1957年11月3日、ニューヨークのジャズ・クラブ、ヴィレッジ・ヴァンガードでおこなわれたライブを収録。
これ以降、ビル・エヴァンス(Bill Evans)やジョン・コルトレーン(John Coltrane)もヴィレッジ・ヴァンガードでライブ収録するようになり、どれも名盤となりました。
ちなみに「ウェイ・アウト・ウエスト(Way Out West)」も名盤と評判で、人気の高いアルバムです。
メンバーは夜の部と、午後の部で変わります。午後の部は、ベースのドナルド・ベイリー(donald bailey )、ドラムのピート・ラロカ(Pete La Roca)。夜の部がベースのウィルバー・ウェア(Wilbur Ware)、ドラムのエルビン・ジョーンズ(Elvin Jones)。
ソニー・ロリンズ、Vol.2(Sonny Rollins, Vol. 2) 1957年
バップの巨匠たちが集まって、ハードバップの世界が繰り広げられる、あつーいアルバム。
メンバーは、ピアノの ホレス・シルヴァー(Horace Silver)、2曲目「リフレクション(Reflections)」と3曲目「ミステリオーソ(Misterioso)」に限って、ピアノはセロニアス・モンク(Thelonious Monk)
そのほかは、トロンボーンのJ.J.ジャクソン(J.J. Johnson)、ベースのポール・チェンバース(Paul Chambers)、ドラムのアートブレイキー(Art Blakey)
ソニー・ロリンズの明るく力強いサックスは、ビバップにもよく合うように思います。
(中巻)に続きます。
(中巻)の後は(下巻)に続きます。
ソニー・ロリンズの名曲&有名曲はこちら。
ソニー・ロリンズがサイドマンで参加したアルバムはこちら。
(前編)
(後編)
ソニー・ロリンズの生涯についてはこちら。
前編(幼少時~ちょっとだけ活動休止してシカゴにひっこんだ後、復帰するまで)
後編(コードレス・トリオ結成~現在まで)