ヨーロッパでジプシーに生まれ、ジプシー音楽とジャズを融合させたジプシージャズの創始者となったギタリストのジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt 1910年~1953年)。
火事によるやけどで左手は3本しか使えなかったのにも関わらず、独特のコードや早弾きなどジャンゴ特有の演奏で、今でも世界中を魅了し続けています。
そしてジャンゴのギターは聴く人を魅了するだけでなく、現代においても多くのギタリストやミュージシャンに影響を与えています。
ミュージシャンたちの尊敬を集めるジャンゴ・ラインハルト。
そんな彼に捧げられた、ジャンゴ・ラインハルトにちなんだアルバムや曲、ジャンゴを尊敬するミュージシャンなどをご紹介します。
ジャンゴ・ラインハルトの生い立ちや生涯については、こちらに書きました。
ジャンゴ・ラインハルトに捧げられたアルバム
ジャンゴ(Django)1956年
モダン・ジャズ・カルテット( )のアルバム。
タイトル曲の「ジャンゴ(Django)」はピアニストのジョン・ルイス(John Lewis)がジャンゴ・ラインハルトに捧げて作った曲。
フォー・ジャンゴ(For Django)1964年
ジョー・パス(Joe Pass)のアルバム。
この「フォー・ジャンゴ(For Django)」には、ピアニストのジョン・ルイス(John Lewis)が作曲した「ジャンゴ(Django)」や、ジャンゴ・ラインハルトが作曲した「ヌアージ( Nuages)」「フルール・デンヌイ(Fleur d’Ennui)」、ジョー・パス(Joe Pass)が作曲したタイトル曲「フォー・ジャンゴ(For Django)」などが収録されています。
ジェシカ(Jessica)
オールマン・ブラザース・バンド(The Allman Brothers Band)の「ジェシカ(Jessica)」は、メンバーのディッキー・ベッツ(Dickey Betts)がジャンゴ・ラインハルトのギター奏法に触発されて作った曲。
現在でも継承されているジプシージャズ
ジャンゴが始めたジプシージャズやジプシー音楽は、現在でもしっかり継承されています。
日本でも、ずいぶん前ですがジプシーキングス(Gipsy Kings)の「ジョビ、ジョバ(Djobi Djoba)」がヒットして、来日公演もおこなわれました。
ジャンゴ・ラインハルトに影響を受けたミュージシャン
・チャーリー・バード(Charlie Byrd)ースタン・ゲッツ (Stan Getz)とアルバム「ジャズサンバ(Jazz Samba)」を制作し、アメリカにボサノヴァを紹介したギタリスト)でジャンゴ・ラインハルトに最も影響されたと語っていました。
・ウェス・モンゴメリー(Wes Montgomery)-オクターブ奏法の生みの親
・ジェフ・ベック(Jeff Beck)ーエリック・クラプトン(Eric Clapton)、ジミー・ペイジ(Jimmy Page)と並んで三大ロックギタリストと称されるジェフ・ベック(Jeff Beck)は、ラインハルトのことを「これまでで最も驚くべきギタリスト」であり、「非常に超人的」だと言っています。
・ジュリアン・ブリーム (Julian Bream)-イギリス出身のクラシックのギタリスト。
・チェット・アトキンス(Chester Atkins)-カントリーミュージックのギタリスト
・ウィリー・ネルソン(Willie Hugh Nelson)-カントリーミュージック界の大御所。長年ジャンゴ・ラインハルトのファンであることを公言。
・ジェリー・ガルシア(Jerry Garcia)ーアメリカのロックバンド、グレイトフル・デッド (Grateful Dead)のリードギター。子供のころ事故で右手の中指を三分の二失うが、超越したテクニックを持つギタリストとなりました。
・トニー・アイオミ(Tony Iommi)-イギリスのヘビィメタルバンド、ブラック・サバス(Black Sabbath)のギタリスト。無名時代に工場で働いていたときの事故で右手の中指と薬指を切断するも、ジャンゴ・ラインハルトに触発されギターを弾く方法を模索し、ギタリストとして名をはせる存在になりました。
・ゴンチチー日本のギターデュオ。2人ともジャンゴの大ファンを公言。
ゴンチチの場合、ジプシージャズをそのまま取り入れたんじゃなくて、ジプシージャズを消化して、また違う音楽を開発されているように思います。
模倣じゃなくて、新しい音楽を作り出してるところがすごいなあと思います。
やけどの後遺症で左手は3本の指しか使えないというハンディを背負いながら、これだけのギタリストやミュージシャンに影響を与え続けているジャンゴ・ラインハルト。
一説によると、そのハンディゆえに、彼独特のハーモニーが生まれたとも言われています
それにしたって、やはり指3本で、これだけの演奏をするというのは、すごい!
技術的なことを抜きにしても、ジャンゴ・ラインハルトの音楽は、今聴いてもどこかノスタルジックで洒落ていて、私たちを魅了し続けています。
ジャンゴ・ラインハルトの生い立ちや生涯については、こちらに書きました。
ジャンゴ・ラインハルトを描いた映画はこちら。