エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald 1917年~ 1996年)の名曲のご紹介の後編です。
前編では、超有名曲などをご紹介しました。
後編では、エラの魅力をたっぷり味わえるおすすめの曲などをご紹介します。
前編はこちら。
エラ・フィッツジェラルドの名曲
イッツ・オールライト・ウィズー・ミー(It’s All Right With Me)
エラ・フィッツジェラルドはピアノのオスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)と組んだときもいいのですが、トミー・フラナガン(Tommy Flanagan)と組んだときのエラも好きです。
特に私が好きなのは「Ella Fitzgerald at the Montreux Jazz Festival 1975」のライブ盤。
トミー・フラナガン特有のスイング感と、エラのスイング感は相性がいいように思います。
(↓Spotifyに登録すれば(無料でも可)フル再生できます)
ズィーズ・フーリッシュ・シンズス(These foolish things)
初めて聴いたときは、「え⁈これエラ?」と驚いてしまいました。
強烈にスイングするイメージのエラ・フィッツジェラルドですが、こういうしっとりとせつないバラードを歌わせても天下一品。
ヴァースからせつなさ満載で、歌い上げます。
ワン・ノート・サンバ(One Note Samba)
このエラ・フィッツジェラルドのスキャットは、エグいくらいにすご過ぎます。
1曲丸ごとスキャット仕上げ。
ジョー・パスとのバージョンも、1曲丸ごとスキャット仕上げですが、先のバージョンとスキャットが似てるような気が。
気のせい?
「ワン・ノート・サンバ(One Note Samba)」では歌詞を歌っているバージョンもあります。
サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー(Someone To Watch Over Me)
「エラ・フィッツジェラルド&ロンドン交響楽団(Ella Fitzgerald&London Symphony Orchestra)」のアルバムでは、しっとりめのエラ・フィッツジェラルド。
オーケストラのスケールの大きさを感じさせるサウンドに負けない、彼女の歌の美しさと壮大さ。
ヴァースから歌い上げる「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー(Someone To Watch Over Me)」の美しさといったら。
セント・ルイス・ブルース(St. Louis Blues)
カウント・ベイシー(Count Basie)、エラの元夫のレイ・ブラウン(Ray Brown)、エディー・ロックジョー・ディヴィス(Eddie Lockjaw Davis)、ハーブ・エリス(Herb Ellis)、トミー・フラナガン(Tommy Flanagan)、スタン・ゲッツ (Stan Getz)、フレディ・グリーン(Freddie Green)、ジョー・パス(Joe Pass)、ズート・シムズ(Zoot Sims)、クラーク・テリー(Clark Terry)、などなど。
その「エラ・フィッツジェラルド・シングス・ザ・ブルース(Ella Fitzgerald Sings the Blues) 」に収録された「セント・ルイス・ブルース(St. Louis Blues)」
スイングよし、バラードよし、ブルースよし、なんでもござれのエラ・フィッツジェラルド。
だいたい、スタン・ゲッツとズート・シムズをサイドマンで起用なんて贅沢すぎ(笑)。
ジャズのレジェンドたちをサイドマンで従えられる、ジャズ界の大御所といった感じでしょうか。
アイ・エイント・ガット・ナッシング・バット・ブルース(I Ain’t Got Nothing But the Blues)
歳をとってからのエラ・フィッツジェラルドはジョー・パス(Joe Pass)と何枚もアルバムをレコーディングしています。
ギター1本で、枯れた声で静かに歌うエラ・フィッツジェラルドは、若いときのはりのある声とは、また違った魅力があります。
声を張り上げるようにして、強烈にスイングさせていたときとは、うって変わって、しっとりと落ち着いた雰囲気で、私はこのころのエラも大好きです。
サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ(Sunshine of Your Love)
エラ・フィッツジェラルドのすごさの1つに、ジャズに限らず、ポップスやロックのヒット曲も、ジャズにして歌ってしまうところ。
ビートルズ(The Beatles)や、スティービー・ワンダー(Stevie Wonder)の曲も取り上げていましたが、イギリスのロックバンドでエリック・クラプトン(Eric Clapton)も在籍していたバンド、クリーム(Cream)のヒット曲「サンシャイン・オブ・ラヴ(Sunshine of Your Love)」にいたっては、エラはシャウトして歌いながらも、しっかりジャズテイストになっているのがすごいです。
ちなみにクリーム(Cream)によるオリジナルの「サンシャイン・オブ・ラヴ(Sunshine of Your Love)」はこちら。
サイケロックって感じの曲です。
これだけたくさん紹介しておいてなんですが、本当は、エラのお気に入りのものはまだまだあります。
でも全部紹介しているときりがないので、このへんで。
エラ・フィッツジェラルドは完璧主義者だったそうです。
それだけに、エラの場合は、どれを聴いてもハズレがないように思います。
エラ・フィッツジェラルドの名曲の前編はこちら。
エラ・フィッツジェラルドの生い立ちや生涯については、こちらに書きました。
(前編)
(後編)