スタン・ゲッツ(Stan Getz 1927年~1991年)の名盤のご紹介、前編です。
(後編)はこちら。
(番外編)はこちら。
スタン・ゲッツの名盤(前編)
私の独断と偏見で乱暴な見解かもしれませんが、スタン・ゲッツのアルバムで超有名なのはジャズにボサノヴァを持ち込んだアルバム「ゲッツ/ジルベルト(Getz/Gilberto)」
「ゲッツ/ジルベルト(Getz/Gilberto)」と同じくらい有名か、その次くらいに有名で、スタンダード曲が多くて初心者におすすめのアルバムが「スタン・ゲッツ・プレイズ(Stan Getz Plays)」
「ピープル・タイム(People time)」は知っている人は知っている有名盤、ぜひ1度は聴くべき名盤だと思います。
(「ゲッツ/ジルベルト(Getz/Gilberto)」より前に、ギターのチャーリー・バード(Charlie Byrd)とボサノヴァに取り組んだ「ジャズ・サンバ(Jazz Samba)」もおすすめです)
スタン・ゲッツ・プレイズ(Stan Getz Plays)1952年
ごくごくオーソドックスなジャズを、変にこね回さずにストレートに演奏している印象を受けるアルバム。
名盤としてあげられることも多いし、スタン・ゲッツの最初の1枚としても最適かと思います。
ちなみにジャケット写真で、スタン・ゲッツのほほにキスしようとしている男の子は、スタン・ゲッツと最初の妻の間の息子、スティーヴ君。
(↓Spotifyに登録すれば(無料でも可)フル再生できます)
メンバーは、ギターのジミー・レイニー(Jimmy Raney)、ピアノのデューク・ジョーダン(Duke Jordan)、ベースのビル・クロウ(Bill Crow) 。
ビル・クロウ(Bill Crow)はスタン・ゲッツとよく組んでいたベーシストですが、エッセイストとしての才能もあって、いろんなジャズの大御所たちのことを書いています。
これが本当に読み物として面白いです。
ビル・クロウ(Bill Crow)の書いた本、「さよならバードランド」と「ジャズ・アネクドーツ(Jazz Anecdotes)」についてはこちらに書きました。
ビル・クロウ(Bill Crow)本人については、こちら。
1955年にプレステージからリリースされた「スタン・ゲッツ・カルテット(Stan Getz Quartets)」も、この系統のアルバムで人気が高いです。
ゲッツ/ジルベルト(Getz/Gilberto) 1964年
ボサノヴァジャズというカテゴリーだと、スタン・ゲッツは1962年にリリースのチャーリー・バード(Charlie Byrd)と「ジャズ・サンバ(Jazz Samba)」というアルバムも制作しています。
「ジャズ・サンバ(Jazz Samba)」も、とてもよいアルバムだと思うし、人気も高いです。
どちらを選ぶか迷うところですが、やはりここはボサノヴァ発祥の地ブラジルからジョアン・ジルベルト(João Gilberto)とアントニオ・カルロス・ジョビン(Antônio Carlos Jobim)を迎えた「ゲッツ/ジルベルト(Getz/Gilberto)」を選びたいと思います。
メンバーはギター&ヴォーカルのジョアン・ジルベルト(João Gilberto)、ピアノのアントニオ・カルロス・ジョビン(Antônio Carlos Jobim)、ベースのトミー・ウィリアムス( Tommy Williams )、ドラム&パンデイロ(ブラジルのタンバリン)のミルトン・バナナ(Milton Banana)。
ジョアン・ジルベルト(João Gilberto)の当時の奥さんで、シンガーとしては無名だったアストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)が2曲歌ってブレイクしました。
気難し屋のスタン・ゲッツと、異常なまでの完璧主義者のジョアン・ジルベルト(João Gilberto)は気が合うはずもなく、レコーディング中の2人は険悪だったようです。
そのためかライブ盤「ゲッツ/ジルベルト(Getz/Gilberto) #2」では、2人とも別々のバンドを従えての演奏で、共演部分はごくわずかです。
この「ゲッツ/ジルベルト(Getz/Gilberto)」のレコーディングで、スタン・ゲッツとジョアン・ジルベルト(João Gilberto)の険悪なムードと、2人を取り持とうとした?アントニオ・カルロス・ジョビン(Antônio Carlos Jobim)の奮闘については、「スタン・ゲッツのエピソードたち」に書きました。
ピープル・タイム(PEOPLE TIME(Live at Cafe Montmartre))1991年
がんを患ったスタン・ゲッツの、亡くなる3か月前のライブ盤。
スタン・ゲッツのサックスと相性ばっちりな、ピアノのケニー・バロン(Kenny Barron)とのデュオ。
ピアノとのデュオだと「スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス(Stan Getz&Bill Evans)」というアルバムもあって、これも人気が高いです。
このとき、スタン・ゲッツの体調の悪さは一目瞭然で、1曲演奏を終えるごとに肩で息をしていたそうですが、演奏を聴いている限り、そんな状態だったとは信じられません。
亡くなる3か月前ですが、まったく体調の悪さを感じさせない名演です。
スタン・ゲッツのアルバムで、私はこのアルバムが一番好きで
後編に続きます。
スタン・ゲッツの名盤(番外編)はこちら。
スタン・ゲッツがサイドマンで参加したアルバムはこちら。
スタン・ゲッツ の生涯についてはこちらに書きました。
気難し屋スタン・ゲッツのエピソードについてはこちら。